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2023.11

  • 欧州
  • モバイル
GSMA、欧州モバイル経済年次報告書を公表
業界団体GSMAは、11月23日、欧州モバイル経済年次報告書(European Mobile Economy Report)を公表し、今後5年間のモバイルデータトラフィックの増加がモバイル事業者にネットワーク投資への圧力をかけ続けることになると予測した。

報告書では、中央・東ヨーロッパの4Gマイグレーション及び5Gカバレッジ・容量の増加に伴い、欧州のモバイルデータトラフィックが次の5年間で約3倍に増加すると予測した。その上で、高品質のゲーム、拡張現実、ビデオコンテンツへの需要が高まるにつれ、5G利用者がモバイル契約に広帯域サービスやコンテンツを追加することに関心を有することから、ネットワーク更改のために既に2030年迄に1,980億ユーロ以上の投資を見込んでいる欧州のモバイルネットワーク事業者に対して、継続した投資への圧力をかけることになると予測した。

また報告書では、ドイツと英国の牽引により、今後3年間で5Gが欧州の大半を占めるモバイル技術になるとした。また5Gの進展に伴い、欧州の幅広いビジネスセクターが5Gユースケースを組み込むことになり、2030年迄に生み出される5Gによるビジネスに対する恩恵のうち53%がサービスセクターから、30%がスマート工場、スマートシティ、スマートグリッド等に牽引される製造セクターから生み出され、これにより5Gが欧州のGDPの成長に寄与することになると予測した。具体的には、次の10年で1,530億ユーロの経済効果をもたらし、モバイルセクター全体の経済効果の15%を占めることになるとした。他方で、5Gの持続的な成長は次世代ネットワークに対する投資を抑制する政策の影響への懸念により弱まっており、EU「デジタルの10年」の目標に向けた取組の阻害要因となっているとした。

その他の主要な分析の内容は次の通り。

*モバイルセクターは2022年に欧州経済に9,100億ユーロの付加価値をもたらし、モバイル技術とサービスは欧州域内でGDPの4.3%を占めた。
*モバイルセクターの経済への貢献は2030年迄に1兆ユーロに達する見込み。
*2030年迄に欧州のモバイル接続の87%が5Gになる。
*2022年末時点で、ヨーロッパで稼働している5Gネットワークのうち、5G SAはわずか5%であったのに対しアジア太平洋地域では25%となっており、欧州市場の細分化と低収益の中で直面している欧州事業者の困難な経営環境を反映した。