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2023.11

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  • 放送・メディア
中国独自の知的財産権を有するTVOS、バージョン5.0にアップグレード
2023年11月、スマートテレビ用OS(TVOS)5.0の発表会が北京で開催された。TVOSは国家ラジオ・テレビ総局(NRTA)の主導により開発された中国独自の知的財産権を有するスマートテレビ・オペレーティング・システムとなる。2013年12月にTVOS 1.0がリリースされ、C言語でAndroidのJavaコードを書き換えることで、完全な独自知的財産権の所有には至らなかったが、デジタル放送の中継をサポートすることができた。2015年12月に、徹底的に再構築されたTVOS 2.0は、華為技術(HUAWEI)のMediaOSとアリババ(Alibaba)のYunOSを融合させ、Androidアーキテクチャへの依存から脱却した。2018年1月には、IPv6に対応したTVOS 3.0が発表され、メディア処理などの機能が拡張され、大規模な商用化にもつながった。2020年12月に、AR/VR、クラウド・ゲームをサポートするTVOS 4.0がリリースされ、8K超高精細画像にも対応している。

今回発表されたTVOS 5.0はこれまでの技術成果を継承した上で、オープンソース鴻蒙(Harmony)のアーキテクチャとの融合及びエコシステムの共同構築・共有により、セキュリティ機能がいっそう強化され、またAndroid 9との互換性も持ち、業界標準のHDR vivid及びAudio vividに対応した8K番組の再生ができ、没入感の溢れる視聴体験を可能にしている。

今後、ラジオ・テレビ科学研究院、中国広電、海思及び創維の4社がTVOS 5.0に基づくテレビセット・トップ・ボックスのコア技術の研究開発及び関連製品の開発を共同で取り組むとしている。

ちなみに、2023年6月末現在、TVOSに対応した端末の出荷台数は3,800万を超え、このうち、ケーブルテレビ用は2,826万、衛星放送用は500万、ネットテレビ用は253万、スマートテレビ用は236万であった。技術標準関連では、業界標準が7件、国際標準が5件発表され、国家標準草案も6件あった。TVOSを用いて開発された各種サービスは、緊急放送や、スマートホームなど13種類、医療、教育など複数分野にわたる。