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2022.10

  • 韓国
  • クラウド、ビッグデータ、コネクティッド
カカオの大規模サービス障害で問われるデータセンターの安全性
10月15日午後3時過ぎに発生した、SK C&Cの板橋(パンギョ)データセンター火災の影響で、カカオのサービスに大規模な障害が発生し、完全復旧まで数日間を要し、社会に大きな問題を投げかけた。カカオのサービスは通話アプリのカカオトークにとどまらず、タクシー呼び出し、ゲーム、ウェブ漫画、金融等日常生活に深く関わっており、今回の被害は広範囲に及んだ。特にカカオはタクシー呼び出しサービス市場の9割を占めている。タクシーや代行運転等のモビリティサービスを提供するカカオTプラットフォームの利用者は3,200万人だがこれも全く利用できず、コロナワクチン接種予約等にも支障が生じた。
 
10月24日時点までにカカオのサービス障害被害として4万5,000件の申請があった。有料サービスへの補償額は現時点で400億ウォン(約40億円)程度と見られている。無料サービスへの補償については前例がないため、利用者や代表団体と協議体を立ち上げて被害補償案の基準をまとめる方針。
 
上位レイヤーのプラットフォーム事業者のカカオは、通信ネットワークを運用し携帯電話やブロードバンドサービスを提供する基幹通信事業者ではなく、附加通信事業者の位置づけである。しかしながら、カカオのサービスが国民に与える影響は甚大であり、尹錫悦大統領も、カカオは事実上国民から見ると国家基幹通信網と変わらないとして制度改善に迅速に乗り出す方針に言及している。今回の事故でデータセンターの保護措置の在り方があらためて注目された。
 
通信行政主管庁の科学技術情報通信部では、今回の事故を契機に、附加通信サービスの安定性確保と、データセンターの保護措置の二つの側面から迅速に制度整備を検討する方向である。