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2021.11

  • アメリカ
  • ブロードバンド・ICT基盤整備
連邦政府の相次ぐブロードバンド関連補助事業
下院は、11月5日、総額1兆ドルを超える超党派インフラ法案を可決し、同法案はバイデン大統領の署名に回された1。ブロードバンドについては、650億ドルが投入される。この内、大半の424億5,000万ドルは国家電気通信情報庁(NTIA)が監督する「Broadband Equity, Access, and Deployment(BEAD)」プログラムに充てられ、ブロードバンド不足地域にサービスを拡大するための補助金が州に提供される。また、142億ドルは、「Emergency Broadband Benefit(EBB)」を延長し、支給対象の世帯に月額30ドルのブロードバンド補助金を提供する「Affordable Connectivity Program」をFCCが設置するために使われる。個人・地域が米国社会・経済に完全に参加するために必要なIT能力を確保するための「Digital Equity Program」には27億5,000万ドルを割り当て、「ReConnect」や「Tribal Broadband Program」等、既存プログラムにも数十億ドルが分配され、この他、NTIAが監督する新しいミドルマイル・プログラムに10億ドル、ブロードバンド構築の「Private Activity Bonds(PABs)」に6億ドルが割り当てられる。なお、法案ではブロードバンドサービスが不足している地域を、下り100Mbps/上り20Mbps以上のサービスが提供されていない地域と定義している。

また、インフラ法案可決を前に、農務省は、10月22日、ルーラル地域でのブロードバンド展開の費用を一部補助する「ReConnect」プログラムの次回分として、11億5,000万ドルを用意すると発表した2
 
同プログラムは、人口の90%が下り100Mbps/上り20Mbps以上のサービスを利用できない地域が支援対象で、資金提供を受けるネットワーク事業者は双方向100Mbpsのサービスを提供することが求められる。前回は、下り10Mbps/上り1Mbpsのサービスが提供されていない地域が対象で、下り25Mbps/上り3Mbpsのサービス提供が求められていた。

次回は、最大で2億ドルの融資、2億5,000万ドルの融資と補助金の組み合わせ、3億5,000万ドルの25%のマッチング拠出が義務付けられる補助金、3億5,000万ドルのマッチング拠出義務がない部族居留地・社会的弱者のコミュニティ対象の補助金が提供される。

なお、これとは別に、大統領府は、10月28日、社会保障や気候変動のための総額1.75兆ドル規模の「Build Back Better Act」法案の枠組みを公表し、この枠組みには、ブロードバンド構築の様々なプログラムに対する10億ドル超の資金も盛り込まれている3

このブロードバンド構築関連では、補助されたブロードバンドアクセスを利用するためのWi-Fi対応機器を提供するための補助金として4億7,500万ドル、FCCの遠隔教育プログラムの追加資金として3億ドル、都市部での安価なブロードバンドアクセス促進のパイロットプロジェクトにおける官民パートナーシップへの助成金として2億5,000万ドル、FCCのブロードバンド・通信プログラムに関する理解促進と教育に1億ドル、6G及びその他の高度無線通信技術の開発と採用について議会に助言する「Future of Telecommunications Council」設立に700万ドル、都市部や郊外でのブロードバンドをより手頃な価格とするために、FCCと国家電気通信情報庁(NTIA)に助言を与える「Affordable Urban and Suburban Broadband Advisory Committee」設立に500万ドル等が含まれている。

1https://www.congress.gov/bill/117th-congress/house-bill/3684
2 https://www.usda.gov/media/press-releases/2021/10/22/usda-make-115-billion-available-help-people-living-rural
3 https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2021/10/28/build-back-better-framework/