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2017.05

  • アメリカ
  • 電波関連
ベライゾンがストレートパス買収でAT&Tに競り勝ち

2017年4月25日付のロイターの報道によると、ベライゾンコミュニケーションズは、AT&Tによる買収に既に合意していたストレートパスコミュニケーションズ(Straight Path Communications)に対して、1株95ドル63セントというAT&Tのオファーを上回る、1株104ドル64セントでの買収オファーを提示した(注1)。AT&Tは2017年4月10日に、総額16億ドル相当の株式交換でストレートパスを買収する計画であることを発表していた(注2)。

2017年5月8日付のストレートパスの発表によると、多国籍電気通信事業者(Multi-National Telecommunications Company)から1株184ドル(総額31億ドル相当)での買収オファーがあったとし、AT&Tに対して3日間以内に対抗オファーを提示するか否かを求めていた(注3)。多国籍電気通信事業者は、AT&Tとの交渉が成立しなかった場合にストレートパスがAT&Tに支払う違約金3800万ドルを負担することでも合意していた。最終的に、ベライゾンコミュニケーションが1株184ドルでストレートパスを買収することで正式に合意した(注4)。

ストレートパスは、全米上位40市場を含む米国のほとんどをカバーする28GHz帯と39GHz帯の周波数免許を868件所有しており、39GHz帯では上位30市場で平均620MHz幅を保有している。これらは連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)が第5世代移動通信システムでの使用を認めた帯域となっている。同社によると、2017年1月時点で、商用利用可能な39GHz帯免許のおよそ95%を所有する最大の免許人で、ニューヨークやサンフランシスコといった大手市場では28GHz帯免許の多くを所有している。

なお、ストレートパスは2017年1月に、免許条件を順守していなかったことから、①1億ドルの罰金、②39GHz帯の196件の免許のFCCへの返還、③残る免許の売却、④売却益の20%の追加罰金に応じるとして、FCCと和解していた(注5)。罰金1億ドルのうち1500万ドルは前払いとなっているが、残る8500万ドルについては1年間の猶予期間が設けられている。もし2018年1月までに免許が売却できなかった場合には、8500万ドルを支払うか、あるいは、全ての免許をFCCに返還することになっていた。