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2014.01

  • マレーシア
  • ブロードバンド
携帯電話事業者間の競争とデータトラフィックの増大への対応

2013年12月にU Mobile(2013年9月時点の加入数第4位、他三社と比べてシェアが小さい)が首都圏クランバレーの一部地域等でLTEサービスの提供を開始し、4G免許事業者すべてのサービス提供が出そろった。各社ともに、4Gサービスの開始によって、モバイルデータ・トラフィックが急増することは認識しており、インフラの構築を進めるとともに、共用や提携を通じて、アクセスのみならず、バックボーンやバックホールの帯域の確保に努めている。

2011年から共同でインフラを構築しているセルコム・アクシアタ(加入数第1位)とDiGi (加入数第3位)は、半島部中に張られた固定網事業者テレコム・マレーシアのNGN網を両社が共同で設置しているアクセスポイントに接続し、帯域を借り入れる協定を締結した。これはテレコム・マレーシア側にとっても、4億~6億リンギットの収入をもたらす取引になり、この資金を自社のブロードバンド網の更なる強化に投入するとCEOが言明している。 一方で、「携帯電話サービス」というくくりで見た場合には、すでに市場は、飽和を始めており、競争が新たな次元に動きつつある。言い換えると、これは料金競争から、サービス内容やバンドルサービスの形態、魅力的なアプリケーションを提供できるかという局面に移行しつつあるということである。

たとえば、インフラの弱い地域では、規制機関が問題視するほどのレベルで、携帯電話の通話の中断が発生しており、それを解消することもサービス内容の競争につながる。また、2013年には、若年層を中心に加入者の流失が大きかったMaxis(加入数第2位)の場合、系列会社で有料放送を手掛けているAstroのコンテンツを4Gサービスに組み合わせるなどの対抗策を考えているようである。一方、SMSベースのゲーム・コンテンツのヒットなどで加入者を獲得したセルコム・アクシアタの場合は、アプリケーションの開発に力を入れている。各社ともに料金競争で減少したARPUを、いかにして引き上げるかということに苦心している。

いずれにせよ、こうしたサービスの強化のためには、データトラフィックの増大に対応できるインフラが必要で、各社はコスト効果の高いインフラ増強策を試行錯誤している。