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2012.10

  • 中国
  • セキュリティ、プライバシー
インターネット情報サービス市場の秩序作りに向けてのルール整備

工業・情報化部は2011年12月に「インターネット情報サービス市場の秩序作りに関する若干規定」(以下、「規定」と略す)を公布し、2012年3月15日より施行開始した。

背景には、「消費者権益保護法」、「中華人民共和国電信条例」、「インターネット情報サービスの管理方法」といった既存の法・規定において、インターネット情報サービス分野に関するプロバイダーの責務およびユーザの権益保護関連の内容が欠けており、その空白を埋める必要があった。

「規定」において、ユーザの権益保護関連の内容として、ユーザに対してプロバイダーが行ってはならない行為が明文化され、違反した場合は、警告処分に加え、1万元以上3万元以下の罰金を科すと明記された。例えば、正当な理由なく、ユーザのサービス利用を拒否、中断、あるいはユーザの選択を制限するなどの行為は禁止の対象となっている。

特にプライバシー保護に関して、「規定」では、「ユーザ個人情報とは、ユーザと関連し、単独でまたはその他の情報とあわせてユーザの識別に至る情報である」としたうえで、ユーザの承諾なしでの情報収集や他者への情報提供、必要外の情報収集、および情報の適切な保管などプロバイダーへの責務を明確にし、さらに情報漏洩が生じた場合は直ちに救済措置を講じること、また重大な結果に陥った場合は、至急に監督機関に通知し、監督機関による調査に協力することなどが盛込まれている。

「規定」の法的位置づけは工業・情報化部令であるため、適用できる最も厳しい罰則手段でも最高で3万元までの罰金と定められている。また取り締まる範囲も限られている。このような状況もあり、「規定」の公布はネット情報サービス市場における健全性の確保に一歩前進したと評価できるが、更なる法規整備に向けての取組みが不可欠である。