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2013.11

  • 中国
  • モバイル
中国移動、TD-LTE網の構築を本格化へ。年内に100の重点都市におけるインフラの整備および100万台端末の調達を目標に

2013年11月末現在、中国ではLTEの免許がまだ正式に付与されていないが、中国政府が積極的に推進しているTDD(Time Division Duplex)方式のLTE(以下、TD-LTE)に関する取組みが中国移動によって本格化しつつある。

中国移動によるTD-LTE網の構築開始は2010年12月に遡り、2011年9月時点で、既に上海、杭州、深セン、広州、南京、アモイの6都市で計850の基地局が構築されていた。そのほか、北京市でも計80基の基地局によるデモ用のTD-LTE網が構築された。さらに2012年以降は、ネットワークの構築が15都市に拡大され、このうち、特に広州と深センでの基地局数が多く、カバー範囲も広いという。また、各地における異なる環境下(高層ビル、繁華街、地下鉄、高速道路沿線など)でのインフラの整備を通じて、様々な場面での利用状況が確認され、正式な商用化に向けての準備が着実に進められていると見られる。

2013年4月下旬に行われた端末の調達では、およそ16万台規模の内訳として、室内据付型設備(CPE)が10万台程度、モバイルWi-Fiルーターが3万台程度、携帯電話が1万台ほどとされている。携帯電話端末の少なさから現段階の中国移動にとってのアキレス腱は携帯電話端末の開発の遅れであると分かる。中国移動は端末メーカーに対して、5方式(TD-LTE/FDD-LTE/W-CDMA/TD-SCDMA/GSM)10バンドに対応できる端末を求めている。これに応えられるのは、今のところ、華為やZTE、サムスン、ソニーモバイルといった大手数社に限られている。

他方、中国移動は北京、上海、広州、杭州など13の都市において、相次いで友好ユーザを募集開始し、10月末時点では各地の友好ユーザ数は10万突破したとされる。このうち、杭州では500人ほどの携帯電話ユーザの募集も含まれており、端末の通信速度は下りで33-53Mbpsに達しているという。

2013年におけるTD-LTEへの投資規模は417億元に計画されており、20万7,000の基地局の構築によって100の重点都市を含む326都市がカバーされ、既存の3G(TD-SCDMA方式)のほぼ半分に相当する。また、各種端末の集中調達目標は100万台以上と伝えられている。

以上から、中国移動によるTD-LTEへの取組みはもはや免許の付与と関係なく着実に進んでいることがはっきり見て取れる。