[HTML]
H1

詳細ページ

お知らせ表示

2014.10

  • 北朝鮮
  • モバイル
北朝鮮の携帯電話サービス事情-携帯加入者が人口の約1割に。通話量制限で他人名義による二台持ちが流行-

北朝鮮では2002年から政府高官等一部でGSM方式携帯電話の利用が始まり、2003年には一般の国民にも拡大する動きを見せた。しかし、2004年の列車爆発事故以降は、携帯電話の利用が全面禁止された。

その後、2008年に携帯電話が解禁され、エジプトの携帯電話大手オラスコムと北朝鮮逓信省が設立した合弁会社Koryolinkが唯一の携帯キャリアとして、2008年から3G携帯電話サービスを提供している。合弁の出資比率はオラスコムが75%、逓信省が25%。オラスコムによると、2012年末時点の携帯ネットワークの人口カバー率は94%。

携帯電話加入者数は2014年6月末時点で人口の約10%の240万に達したが、一般国民の国際通信と無線インターネット接続はまだ制限されている。音声通話以外の携帯電話利用法として、Bluetooth機能を利用した、歌謡曲やドラマ等のファイル共有が流行っているという。

北朝鮮では1か月の通話時間が一人当たり200分に制限されているため、最近は、他人名義で二台目の携帯電話を持つケースが増えているという。制限時間を超えると、傍受や監視対象となる。そのため、仕事上通話量が多くなる人や平壌の比較的余裕がある大学生の二台持ちが増えている模様。他人名義登録の二台目携帯があれば、1か月の通話時間は最大400分まで増やせる。そのための名義貸しもお金になるため、名義を貸す人も多いという。

端末は以前は中国製フィーチャーフォンが主流であったが、2014年になってからは、北朝鮮製スマートフォン「アリラン」が発売されている。スマートフォンの価格は450ドルで庶民には高嶺の花。スマートフォンにはインターネット接続機能は無いが、ゲームや音楽アプリが基本搭載されている。また、中国との国境付近では、カカオトークが利用できる中古スマートフォンを手に入れて、カカオトークで海外とやりとりしている住民もいる。そのため、北朝鮮当局は国境付近でカカオトークがダウンロードされているスマートフォン保有者をスパイとして取り締まっていると報じられている。