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2014.10

  • 韓国
  • モバイル
不法な販売奨励金根絶を目指す端末流通法が施行

我が国では最近、年度末やiPhone発売時期に、キャリアによるキャッシュバック競争が過熱化することが問題視されるようになってきた。韓国ではこのような端末販売奨励金は「補助金」と呼ばれ、朴槿恵政権になってからの2013年以降、消費者差別につながる不法な補助金の取り締まりが大幅に強化された。その結果、2014年10月1日から、補助金の支給内容透明化を図ることで不法な補助金の根絶を目指す、「移動通信端末装置流通構造改善に関する法律(以下、端末流通法)」が施行された。世界に類例のない法律であるが、法律施行で次のように変わる。

これまでの補助金取締対象はキャリアのみであったが、今後は端末メーカーと代理店・販売店にも罰則が適用される。補助金支給の上限額は放送通信委員会が25万〜35万ウォンの範囲内で定めるが、10月からの上限額は30万ウォンに決定。補助金上限額は6か月ごとに見直しされる。規制対象となるのは、発売から15か月以内の端末。補助金の透明化を図るため、キャリアは端末の出庫価格と補助金をすべて自社ホームページで公示する。いったん公示された価格は、最短でも7日間変更できない。なお、代理店ではキャリアの補助金の最大15%までの奨励金を上積みできるので、実際の販売価格は代理店で確認する必要がある。キャリア以外の経路で購入する端末については、通信料金で補助金に代わる割引を受けられるようになる。

一方、端末流通法の目玉の一つとして、補助金内容の透明化を図るため、キャリアが出す補助金とメーカーが出す奨励金を区分して公示する「補助金分離公示制度」の導入が試みられたが、メーカーや政府内での反対で見送りとなった。そのため、端末流通法の目的である補助金の透明化が難しくなったという指摘が相次いでいる。

法律施行後、全体的に端末の実質販売価格が高くなり、端末市場縮小を懸念する向きが大きい。補助金縮小でマーケティング費用を抑えられるキャリアにはメリットがあるが、肝心の消費者のメリットにつながるのか、今後の推移を見守りたい。