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2013.02

  • 韓国
  • モバイル
モバイル・メッセンジャーアプリ成長で変わるインターネット・サービス勢力図

1.国内インターネット・サービス市場で圧倒的強者のNHN
韓国のインターネット・サービス市場の圧倒的な強者は国内のポータル事業者であった。韓国のポータルサイト市場シェアは、NHNが運営するNaverが7割、Daumが2割を占めており、残り1割の中でGoogleや国内ポータル数社が苦戦している。最近特に、ポータル市場におけるNaverとDaumの二強体制が顕著となったため、2012年7月にポータル市場第5位のParanが閉鎖、Yahoo!Koreaも2012年末で韓国から撤退することになった。

2.スマートフォン化で急変するインターネット・サービス市場勢力図
一方、スマートフォン時代に突入した2010年から、インターネット・サービス市場の勢力図に変化が生じている。日本では2012年から無料モバイル・メッセンジャーアプリLINEが話題となったが、スマートフォン普及速度が速い韓国では、既に1年以上前からモバイル・メッセンジャーアプリの先駆者ともいえるカカオトークが社会現象と化している。LINEはNHNが提供するサービス。カカオトークの運営会社カカオは独立系ベンチャーだが、2010年3月にモバイル・メッセンジャーを開始してから、短期間にインターネット・サービス市場でNHNを脅かす存在に急成長しつつある。NHNは2013年2月、モバイル化への迅速な対応とカカオトークへの対抗のために、会社分割する方針を発表。ポータルNaverを運営するNHNとゲーム事業のハンゲームを分離し、モバイル専門法人「キャンプモバイル」とグローバルLINE事業を支援する「LINE Plus」を設立する。本国での事業再編に伴いNHN Japanもゲーム事業のハンゲーム株式会社(仮称)と、LINE/Naver/ライブドア等ウェブサービス事業のLINE株式会社(仮称)に分割されることになった。

3.グローバル・モバイルプラットフォーム化を目指す韓国メッセンジャーアプリ
今やモバイル・メッセンジャーがインターネット市場での成長のカギとなった。LINEは2013年1月に世界の登録利用者数が1億を突破し、FacebookやTwitterをしのぐ速度で急成長中。このうち約4,100万が日本国内の利用者。一方、カカオトークは全利用者数7,000万(2012年末現在)のうち日本国内利用者数は870万(2013年1月半ば現在)だが、韓国では年代を問わずスマートフォン利用者のほぼすべてが利用する。カカオトークとLINEは、ゲームやSNS等様々な機能を拡大しながら世界的なモバイル・プラットフォームとしての成長を目指している。NHNはLINEの日本での成功を基に中国・米国市場への拡大を狙い、国内では先行するカカオトークからの巻き返しを図る。一方、独立系のカカオトークは資金難に苦しんでいたが、2012年夏から開始したゲームアプリとの連携で、9月に初めて単月黒字を達成した。10月からはYahoo!Japanと提携して日本でのマーケティングを本格化している。カカオトークやLINEという新勢力が世界的なモバイル・プラットフォームとしての地位を確立できるかが注目される。