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2014.09

  • ロシア
  • 放送・メディア
ロシアにおける通信・放送メディアの規制強化

2014年に入り、ロシアにおける通信・放送メディアの規制強化が進んでいる。

通信に関しては、4月、議会でインターネットとブログを規制する新たな三つの法案が可決された。法案は8月に発効している。これらの法律は、インターネットでの情報発信やオンライン決済を厳しく規制し、テロリズムや過激主義への罰則を強化している。

もっとも懸念されている法律は、人気ブロガーをマスメディアと同等に扱い、より大きな規制と法的責任を強制するものである。一日に3,000以上のページビューのあるブロガーに、マスメディア規制機関の通信・情報技術・マスコミ監督庁(Roskomnadzor)に登録し、正規のマスコミを規制する規則に従うことを求めている。具体的には、身分公開やコンテンツの事実性の確認、政治的に過激な情報や市民プライバシーを侵害する情報を配信しないこと、選挙前に政治活動をしない規則を順守することが求められ、法に従わなかった場合、罰金を科されるかインターネット接続を遮断される。

国内の事業者や民主主義を求める活動家は、この法律を強く批判している。国内最大のサーチエンジン事業者ヤンデックスの広報担当者は、規制法の導入が、インターネットに対する政府のさらなる規制強化の手段になるものであり、産業発展に負の影響を与えると指摘している。また、法案発議を受けて、ブログ評価サービスを計画より早期に閉鎖したと説明している。

さらに上記法律に続き、ドミートリ―・メドヴェージェフ首相は8月8日、公共の場所における匿名でのWi-Fi接続を禁止する規則に署名した。同規則は、いわゆる「集合的接続」地域で、Wi-Fi利用者がWi-Fi経由でインターネットに接続する際に、身分を証明することを求めるものである。利用者はフルネームを提供してIDを確認され、端末の身分証明をした後でなければ、Wi-Fiを利用できない。なお、規制対象となる場所の名前はまだ明らかにされていない。

一方、放送に関しては、7月、議会がほとんどのケーブル・衛星テレビ・チャンネルでの広告を禁止する法案を承認した。当該の法律は2015年1月に発効する。同法は有料であるいはデコーダー利用時のみ視聴できる全チャンネルでのコマーシャル放送を禁止している。

6月30日にプーチン大統領やメドヴェージェフ首相らに送られた公開書簡では、複数の有料テレビ放送事業者の幹部が、270のケーブル・衛星チャンネルのうちおよそ150が閉鎖に追い込まれる可能性があると指摘し、この法律に懸念を示している。