国家メディア・情報通信庁(NMHH)は、2014年5月、4G等のモバイル・ブロードバンド向け周波数の割当ての実施要項を発表した。対象は表1に記載した帯域であり、このうち合計392MHz幅を割当て、モバイル・ブロードバンド分野における競争を強化し、サービスの普及促進と料金の低減を図る方針である。
表1 割当対象帯域
周波数帯 |
帯域 |
800MHz帯 |
790-821MHz / 832-862MHz |
900MHz帯 |
880-885.1MHz / 925-930.1MHz |
1800MHz帯 |
1725-1740MHz / 1820-1835MHz |
2.6GHz帯 |
2500-2690MHz |
26GHz帯 |
24549-24605MHz / 25557-25613MHz |
出所:NMHH, “Documentation for the tender announced in the subject of spectrum licences for broadband services”
欧州委員会の報告によれば、ハンガリーのモバイル・ブロードバンド普及率は、2014年1月現在、26.4%でEU加盟国中最下位(EU平均62.4%)となっている。LTEサービスについては、既に、マジャール・テレコム(Magyar Telekom:MT)が2012年1月に、テレノール・ハンガリー(Telenor Hungary)が2012年7月に、それぞれ1800MHz帯を利用した商用LTEサービスを開始しているものの、モバイル・ブロードバンド全体の普及の遅れが目立っているところから、NMHHは、800MHz帯や2.6GHz帯のほか、利用可能な帯域を全て割り当て、サービス市場の競争を促したいとしている。なお、900MHz帯は、2012年1月にオークションが実施された際に国営系の新規事業者が落札したが、その後最高裁が免許無効の判決を下したため、今回改めて割当てられることとなった帯域である。
周波数割当にはオークションが実施され、各帯域を小単位幅(1MHz~28MHz)にブロック化し、複数のブロックを組み合わせて9つ(A~I)の周波数パッケージを作成し、それぞれをオークションにかける手法を採用している。入札最低価格は、周波数パッケージにより332億2500万~2億ハンガリーフォリント(HUF)である。A~Cパッケージの落札事業者には、ネットワーク義務が課されており、例えば、Cパッケージの場合、免許取得後12か月以内に国内の6つの県の44指定地区をカバーし、A及びBパッケージの場合は、同期間内に13県144指定地区の25%をカバーすることが義務として規定されている。
各周波数パッケージの概要は表2のとおりである。2014年6月16日から入札手続きが開始され、45~150日後に落札事業者が発表される予定。免許期間は2034年までの20年間である。
表2 各周波数パッケージ(A~I)において割り当てられる帯域幅
(価格単位:百万HUF)
周波数帯 |
ブロック幅 |
ブロック数 |
割当量 |
A |
B |
C |
800MHz |
5MHz×2 |
6 |
60MHz |
2 |
2 |
2 |
900MHz |
1MHz×2 |
5 |
10MHz |
2 |
2 |
1 |
2600MHz |
5MHz×2 |
10 |
125MHz |
6 |
4 |
|
5MHz×1 |
5 |
|
|
5 |
最低入札価格 |
33,225 |
31,725 |
27,200 |
周波数帯 |
ブロック幅 |
ブロック数 |
割当量 |
D |
E |
F |
G |
H |
I |
1800MHz |
5MHz×2 |
3 |
30MHz |
1 |
1 |
1 |
|
|
|
2600MHz |
5MHz×2 |
4 |
55MHz |
|
|
|
4 |
|
|
5MHz×1 |
3 |
|
|
|
|
3 |
|
26GHz |
28MHz×2 |
2 |
112MHz |
|
|
|
|
|
2 |
最低入札価格 |
2,650 |
2,650 |
2,650 |
3,000 |
850 |
200 |
(注)A~I項目内の数字は割り当てられる周波数ブロック数。
(※)1HUF=0.46円
出所:NMHH, “Documentation for the tender announced in the subject of spectrum licences for broadband services”