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2013.02

  • ドイツ
  • クラウド、ビッグデータ、電子政府
クラウド・コンピューティング研究開発プロジェクト「Trusted Cloud」

ドイツ政府におけるクラウド・コンピューティングへの取り組みについては、2010年11月に策定されたドイツのICT国家戦略「デジタルドイツ2015」の中の行動計画の一つとして、「Trusted Cloud」研究開発プロジェクトが位置づけられている。政府は、2015年までに国内のクラウド市場が82億ドル規模に成長し、経済活性化や雇用創出に寄与すると期待している。

Trusted Cloudは、中規模企業及び公的部門のための安全・信頼性を確保したクラウド・コンピューティングの実現に向けた政府主導で産学官が連携する研究開発助成プログラム。2011年~2014年末までの3年間に総額約1億ユーロを投資する計画であり、このうち5,000万ユーロを連邦経済技術省が補助し、残りの半分をプロジェクト参加者が負担する。

2011年3月には、コンペにより116点の応募の中から12のパイロットプロジェクトが採択(後に2つのプロジェクトが追加)され、同年11月より各プロジェクトが稼動を始めている。クラウド・サービスの効果的な利用法を実証実験を通じて検証するほか、制度面や互換性、情報セキュリティ等の課題、また新しいビジネスモデルについても取り組む。

12のプロジェクトは、基礎技術、産業向け、公的部門向け、医療機関向けの四つのテーマに分類される。

例えば、基礎技術に含まれる「Sealed Cloud」では、内部ユーザのセキュリティ攻撃・悪用からデータとアプリを保護するためのクラウド・インフラの開発に取り組む。一方、「SkIDentity」では、クラウド・インフラとeIDカード(電子身分証明書)の認証機能を仲介する技術の開発を行う。

産業向けプロジェクトでは、「SensorCloud」がM2M向けクラウド・プラットフォームの開発を行い、「PeerEnergyCloud」がクラウドを利用したスマートグリッドの管理・最適化の実現を目指す。

医療機関向けの「cloud4health」プロジェクトでは、効率的な医療情報の二次利用を実現するためのクラウド・プラットフォームを開発する。また、「TRESOR」では医療分野でのクラウド・プラットフォームのオープン化とエコシステム形成に取り組んでいる。