ボーダフォンは、2013年6月24日、独CATV最大手カーベル・ドイチェランドを約77億ユーロで買収すると発表した。同社はカーベル買収により、固定および携帯電話、インターネット、有料テレビのバンドルサービスの強化を図る。
カーベルの取締役会も同意しており、カーベル株主に対しこの買収案を承認するよう求めている。カーベル買収については、世界第2位のCATV事業者である米メディア大手リバティ・グローバルも関心を示していたと伝えられている。リバティーは2013年2月にも英CATV第2位のバージン・メディアを160億ドルで買収しており、英国以外でもドイツ、ベルギー、オーストリア、アイルランド、スイスなどに事業展開している。
買収が実現すれば、ボーダフォンのドイツ国内の顧客基盤は携帯電話が3,240万、固定ブロードバンドが500万、有料テレビが760万となる。
ボーダフォンは2011年8月、ドイツではDSL事業を縮小し、今後はLTE事業に投資を注力すると発表。このため、自社のDSL加入者のうち、最大400万人を自社のLTEネットワーク、もしくは他の固定ブロードバンド事業者に移行させるとしていた。また、2013年5月には、ドイツテレコムとVDSL回線の卸契約を締結している。
今回の買収により、ボーダフォンのDSL加入者は、カーベルの営業地域では同社のケーブル網を利用し、それ以外の地域ではドイツテレコムの卸VDSL回線を利用することになる予定だ。