ブラジル上院は、2014年4月、インターネットへの平等なアクセスと国内ユーザーのプライバシーを保障する「インターネット憲法」(Marco Civil da Internet)法案を可決した。今年3月には下院でも可決されており、ジルマ・ルセフ大統領も同法案に署名する方針を明らかにしている。
同法案は、インターネット・ユーザー、政府、企業の権利と義務のバランスを取りながら、今後のインターネットの開放性、分散的構造を維持することを保証している。
同法案には、米国家安全保障局(NSA)の通信監視が暴露されたことを受け、ブラジル国民のデータは国内データセンターに保管するよう義務付ける条項が追加されていたが、これについては反対も多かったため、最終法案からは削除された。
代わりに、グーグルやフェイスブック等のインターネット事業者はブラジル国民の情報が関与する事件においては、それらのデータが国外サーバーに保管されていてもブラジル国内法と裁判所の権限が及ぶとの条項が盛り込まれた。
このほか、電気通信事業者がデータ伝送量の多いユーザーに高い料金を請求することなどを禁止したネット中立性条項は、電気通信業界からの強い反対があったものの、最終法案でも維持された。また、国内インターネット・ユーザーのメタデータ収集・利用を制限している。