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2014.06

  • アメリカ
  • モバイル
スマートフォン盗難防止機能「キルスイッチ」搭載が2015年7月から必須に

米国で「キルスイッチ」と呼ばれる、スマートフォンの盗難防止機能の標準搭載を法制化しようとする動きが、州および連邦政府で進んでいる。キルスイッチ法案は、2014年5月に国内で初めてミネソタ州で施行開始され、カリフォルニア州、イリノイ州、ニューヨーク州でも審議されている。キルスイッチとは、スマートフォンを盗まれたり紛失したりした場合に、遠隔操作でスマートフォンの中のデータを消去し、操作不能にする機能をいう。

この背景には、スマートフォンの盗難が米国で大きな社会問題となっていることがある。高価なスマートフォンを標的とした盗難が増加し、その手口が凶悪化している。FCCによると、米国で発生する強盗事件の3件に1件はスマートフォン絡み。また、米モバイルセキュリティ企業Lookoutによると、2013年に米国全土で約310万台のスマートフォンが盗まれ、前年の160万台から2倍近くに急増した。さらに、盗難スマートフォンや個人データを売買する国際的なブラックマーケットの規模も拡大しているという。

キルスイッチ法案では、端末メーカー、モバイルキャリアに対して、2015年7月以降に製造、州内で販売される全てのスマートフォンにキルスイッチ機能搭載を義務化。また、ブラックマーケットの取締強化として、中古スマートフォンの現金取引禁止、本人確認・取引記録の作成・保持を義務付けることも視野に入れている。

一方、業界は法制化に反対。アップルやグーグルなどは既に独自のスマホ盗難防止機能を導入していることもあり、業界の自主規制で十分と考えている。また、大手キャリアとFCCは、盗難にあった携帯電話を追跡するための共通データベースを構築しており、2014年4月から稼働を開始していると指摘。

さらに、こうした法制化の動きをけん制する目的で、業界団体CTIAは、2014年4月、スマートフォンの盗難防止対策を自主的に進めていくことを発表。2015年7月以降に製造される米国内の端末すべてに、盗難に遭った端末のデータを抹消し、機能をロックできる機能をプリインストールするか、無料で配布することに、アップル、グーグル、マイクロソフト、サムスン、ファーウェイなどの端末メーカー、ベライゾン、AT&T、スプリント、T-モバイルの大手携帯5社が合意した。