2012.05.01
【フランス】ジェオディス、セルナムを買収
2012年4月13日、経営破綻した小包配送会社セルナム（Sernam）に対するフランス国鉄SNCFの子会社ジェオディス（Geodis）による大半の事業の買収が正式に決まった。
セルナムの従業員1,441人のうち831人が、5月7日付でジェオディスに引き取られる。
ジェオディス・カルベルソン（Geodis Calberson：ジェオディスの小包・急送便子会社）が、セルナムの顧客基盤を引き継ぐことになっており、セルナムの商標と商業的提携は消滅する。
フランスの運輸労組はセルナム従業員の救済を求めて大々的な陳情活動を行っており、セルナムの行方は、大統領選挙を前に政治問題化していた。
（ジェオディス HP、セルナム HP 2012年4月13日等）
（ひと言）
セルナムも当初はフランス国鉄SNCFの子会社であったが、独立後、深刻な財政難に陥り、今年1月31日からナンテール商事裁判所の管理下に入っていた。それ以前にセルナムを保有していた投資会社バトラー・キャピタル・パートナーズは、2011年9月に売りに出された小包配送・物流事業グループ、モリ（Mory）の小包急送事業「モリ・ティーム（Mory Team）」を落札してセルナムとモリを合併させる計画が頓挫したため、セルナムを売却することにしたといわれる（モリ・ティームはデュクロス・エクスプレスを保有する投資会社カラベルが1ユーロで落札）。
ジェオディスは、セルナムがフランス国鉄SNCF子会社時代に支給された政府補助を返納する責任を負うことを恐れていた。フランス政府もセルナム買収者への政府補助金返納免除をEU当局に要請し、欧州員会も2012年4月4日に、セルナムが過去に受け取った政府補助金6億4,200万ユーロの返納命令を撤回した。