2013.07.02
【米国】スプリント・ネクステル株主、ソフトバンクによる買収を承認
スプリント・ネクステル株主は、6月25日、圧倒的多数でソフトバンクによる同社買収を承認した。スプリントの発表によると、ソフトバンクによる買収を支持するスプリント株主の割合は98%に上ったという。ソフトバンクに対抗して競合オファーを出していたディッシュ・ネットワークは先週、スプリント買収を断念。他に競合オファーはなかったことから、ソフトバンクによる買収は波乱なく株主決議で承認されると見られていた。今回、株主承認を得たことで、この買収は実現に向けた最後の障壁の1つをクリア。残るFCCの承認も、買収が7月上旬に完了できる時期に得られると見られている。
買収が実現した場合、スプリントはソフトバンクから提供される約50億ドルでLTEネットワークの強化を図ることになるが、トップを走るベライゾンとの差は大きい。ベライゾン・ワイヤレスは、6月27日、LTEネットワークの全国展開を実質的に完了したことを発表。同社を追う競合他社にプレッシャーをかけている。ベライゾンは現在、自社サービス地区の99%超でLTEサービスを提供し、500地区で2億9,800万人をカバーしている。一方、スプリントのLTEネットワークは110地区で7,500万人をカバーする程度に過ぎない。スプリント広報によると、年末までには2億人をカバーできるようになるという。
一方、メトロPCSの合併を完了したばかりのT-モバイルもインフラ投資を拡大。7地区でのLTEネットワーク運用を開始しており、こちらも年内に2億人をカバーできるようになることを目指している。AT&TのLTEネットワークは既に291地区で運用開始され、2億人以上をカバー。2014年末には3億人をカバーできる見込みだという。