2012.02.13
【韓国】KT、サムスン電子スマートTVのインターネット接続制限断行
通信最大手キャリアKTは2月10日からスマートTVに対してインターネット接続制限をすることを前日に発表し、10日午前9時からサムスン電子のスマートTVのネット接続遮断に踏み切った。韓国では昨年からネットワーク中立性問題が本格化しているが、通信キャリアがトラフィック負荷を理由にスマートTVのネット接続制限に踏み切るのは今回が初めて。KTは、「スマートTVメーカーはインターネット網を無断利用すると同時に、開通・アフターサービスの責任まで通信キャリアに転嫁」していると批判し、「スマートTVメーカーの無断利用が続けば合理的なネットワーク管理が困難になり、多数のネット利用者保護のために」今回の措置に踏み切ったとしている。スマートTV利用者は、通信キャリアのインターネットを通じてサービスを利用している。
KTによると、スマートTVの動画はIPTVの5-15倍、リアルタイム放送は数100倍以上のトラフィック増につながるという。KT、SKブロードバンド、LG U+は昨年6月以降、サムスン電子やLG電子、アップル、ソニーといったTVメーカーに対し、ネットワーク利用対価を求め、ネットワーク接続制限をする可能性も示唆してきた。国内のスマートTV累積販売台数は100万台で、このうち実際にスマートTVサービスを利用しているのは10万台と推定されている。サムスン電子とLG電子は今年のTV販売台数の半数をスマートTVが占めると見込んでいる。現時点ではKTの単独措置であるものの、他の通信キャリアが同調することになれば事態はさらに深刻化する。KTの措置に対し、放送通信委員会とサムスン電子はそれぞれ、厳重な制裁と仮処分申請で対抗すべく準備を進めている。