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2012.10.15

  • 英国

【英国】Everything Everywhere(EE)が10月30日にLTE開始予定。他社も2013年春から開始へ

 DCMS(文化・メディア・スポーツ省)は10月2日、主要モバイルキャリア4社の間で4G(LTE)サービスの今後の展開案について合意が得られた旨を発表した。合意内容は、LTEサービス向け周波数帯(800Hzと2.6GHz)の利用可能期日を最大5か月早め、2013年春から利用できるようにするというもの。これにより、同周波数帯オークションは今年末までに開始、入札は2013年の早い段階で実施され、2013年前半には主要モバイルキャリア4社によるLTEサービスの提供が開始されることになる。

 この背景には、Ofcomが今年8月、LTEサービス向け周波数帯のオークションに先駆け、Everything Everywhere(オレンジUKとT-MobileUKの統合会社)の手持ち2G向け周波数1800MHz帯のLTEサービス転用を許可した事情がある。結果としてEverything Everywhereが他社に先行してLTEサービスを提供できることになったが、競合モバイルキャリアは同決定に対し法的訴訟も辞さないとする態度を示し、実際に訴訟に至ればLTEサービス展開が大幅に遅れる可能性が危惧されたため、政府が仲介に乗り出していたものである。OfcomもDCMSの発表と同日、合意内容の実現に向けた準備を進めている旨の発表を行った。同周波数帯は、アナログTV放送のデジタルに移行に伴う周波数再編後に利用可能になるため、Ofcomは出来るだけ早期の利用が可能となるよう、TV放送事業者をはじめ、TVデジタル化推進機関「デジタルUK」や、放送インフラを提供するArqivaとの協議を進めてきていた。

 今回合意されたLTEサービス展開案は、英経済にとり総額30億ポンド(約3,780億円)の価値があり、スマートフォンやタブレットで利用できるインターネットスピードは既存スピード比で最大10倍となる。英政府は8億3,000万ポンドを投資し、2015年までに欧州で最良の超高速ブロードバンドネットワークの構築と、モバイルカバーエリアの拡充を計画しており、LTEサービスの提供は同計画の主要なサービスの一つとなる。なお、EverythingEverywhereは10月3日、英国で初となるLTEサービスを10月30日から提供開始すると発表した。同サービスは、新しいブランド「EE」の名のもとに提供されるもので、LTEのほかに、光ファイバによる固定ブロードバンドサービスも提供される。