ネットワーク機器を繋ぐには、ケーブルを用います。LANで利用するケーブルの種類をあげる場合、通常は「構造上の違いによるわけ方」と「LANの規格の違いによるわけ方」が存在します。構造上の違いで分けると、
- 電話線によく似た、ツイストペアケーブル
- テレビのアンテナ線のような、同軸ケーブル
- 胃カメラでも利用されている、光ファイバケーブル
などとなります。また、LANの規格の違いで分けると、
- 10Base5
- 10Base2
- 10Base-T
- 100BaseTX
などとなります。ここでは、構造上の違いによるわけ方で説明を行ない、それぞれがどのLANの規格で利用されているかを説明します。
ツイストペアケーブルの構造
ツイストペアケーブルは、その名のとおり絶縁プラスチックの外皮の内部に、より対線を使用したケーブルです。家庭やオフィスでの電話器の接続ケーブルとしてもお馴染みのものです。ケーブルとケーブルの接続は、電話機と同じようなモジューラジャックを利用します。ただし、日本式の電話線に比べ、ひとまわり大きいRJ-45タイプのモジューラジャックを利用します。
10Base-Tというケーブルが、このツイストペアケーブルを使ったケーブルです。10Base-Tの配線は、集線装置すなわち、HUBを中心にスター型のたこ足配線でケーブルを繋ぎます。
このケーブルの長所は、なんといっても安価で扱いやすいということです。配線の自由度が高いので、オフィスや、家庭などの狭い場所に適しています。また、近年、ギガビット対応の規格も出ており、高速化が行なわれています。
ツイストペアケーブルの最大延長距離は100mです。
10Base-Tケーブル
●UTPとSTP
しかしながら、ツイストペアケーブルは、電磁気の影響を受けやすくノイズにはあまり強いとはいえません。ノイズなどの混入を防ぐために、シールドされたものと、シールドされていないものがあります。前者をSTP、後者をUTPと呼びます。UTPケーブルは、LANでは最も一般的なケーブルです。LANだけでなく、電話など幅広い用途に利用されています。
●カテゴリ
UTPケーブルは、EIA(米国電子工業会)で規格化されています。品質の違いから、カテゴリ1から5までクラス分けされています。カテゴリは、記述によっては「CAT」と記述される場合がありますので憶えておいてください。LANで利用されるものはカテゴリ3以上です。ただし、100Base-TXなどの高速LANでは、カテゴリ5のケーブルが要求されます。
レベル
(カテゴリ) 適用範囲 規定伝送速度の上限 1(CAT1)音声(電話) 20Kbps 2(CAT2)ISDN基本インタフェース
デジタルPBX
低速度デジタル端末(RS232Cなど) 4Mbps以下 3(CAT3)イーサネット(10Base-T)
トークンリング(4Mbps) 16Mbps以下 4(CAT4)トークンリング(16Mbps) 20Mbps以下 5(CAT5)高速LAN(CDDI/100Base-T/ATM) 100Mbps補足になりますが、現在では、カテゴリ5以上の規格として、ギガビット通信用のエンハンスドカテゴリ5(4ペア全二重送受信)、1.2GもしくはATMなどにも対応するカテゴリ6、2ペアで622Mbpsを通信させるカテゴリ7などが規定されています。
LANで利用する10Base-Tケーブルの両端のコネクタ(RJ-45)を見ると、それぞれ8つづつの端子がついています。この端子の数だけ導線が束になって1つのケーブルを構成しています。ストレートケーブルの場合、両端のピンがお互いに対応するように接続されています。それに対してクロスケーブルは、ケーブルの中で一部(下図参照)の導線がクロス(交差)した形で端子に接続されています。当然ながら、ストレートケーブルとクロスケーブルでは用途が違います。ストレートケーブルは、
- コンピュータに取り付けたNICとHUBの通常ポートを接続
- HUBの通常ポートともう一つのHUBのカスケードポートを接続
- ダイアルアップルータの内臓HUBとHUBのカスケードポートを接続
の場合に利用され、クロスケーブルは、
- コンピュータ同士すなわちNIC同士を接続
- HUBの通常ポート同士を接続
- HUBのカスケードポート同士を接続
- ダイアルアップルータの内臓HUBとHUBの通常ポート接続
の場合に利用されます。
ストレートケーブルとクロスケーブルの結線
同軸ケーブルの構造
同軸ケーブルは、線芯をシールドで覆った構造です。比較的ノイズに対して強い特徴があります。見た目にはテレビのアンテナ線(3C2V)とよく似ていますが、これは内部インピーダンスが異なるLAN専用のケーブルです。同軸ケーブルの端と端には、必ずターミネータと呼ばれる終端抵抗を取り付けます。
このケーブルは、配線の自由度に制限があり、またオフィスのレイアウト変更があった場合などは、面倒な作業が発生してしまいます。また、配線の関係上、機械的な強度に弱いことや、1ヶ所でも障害が発生すると全てのラインに影響が及ぶことなどから、取り扱いに注意が必要です。
LANで利用する同軸ケーブルには、細いThinタイプと、太いThickタイプの2種類があります。
●Thinタイプ
10Base2ケーブル
T型コネクタ
Thinタイプの同軸ケーブルは、10Base2とも呼ばれます。また、RG58 A/Uという規格があります。このケーブルは、T字型コネクタを使って直接コンピュータに接続できます。このケーブルの最大延長距離は185mです。
●Thickタイプ
Thickタイプは、10Base5、イエローケーブルとも呼ばれます。直径10mmと太く、曲がりにくく重さもあります。かなり丈夫な作りになっており、屋外でも利用が出来ますし、耐ノイズ特性が高いことから、壁の中を通してフロア間接続の用途や、施設間のバックボーン接続などに適しています。最大延長距離は500mと長く、ブリッジやリピータなどでジョイントして最大2500mまで延長できます。コンピュータとの接続には、トランシーバという機器とトランシーバケーブルを使用します。
光ファイバケーブルの構造
外部皮膜(ジャケット)の内側に、石英ガラス(クラッド)がコアを包む形で内包されています。電気信号から光の点滅に変換された信号は、このコアを通って伝達されます。
光ファイバケーブルは、機能的に最も優れたケーブルです。他のどのケーブルと比較しても高速、大容量であり、電気信号ではなく光を伝達するため電磁気の影響を受けません。しかし、コストが他のケーブルに比べて格段に高く、敷設や設定にも特殊な技術が必要なため、一般ユーザが扱うには難しいでしょう。
●マルチモードファイバとシングルモードファイバ
光ファイバケーブルには、安価なマルチモードファイバとより長距離の伝達が可能なシングルモードファイバがあります。LANではマルチモードファイバを用いるのが一般的です。
●光ファイバが利用されるケース
以下のようなケースの場合は、銅線よりも光ファイバが適しています。
- ノイズの多い環境
- 長距離または屋外
- 高速なLAN(FDDI、ATM)
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