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「日本版金融ビックバンが金融市場に与える影響」
RITE00-J07
【発 行】 平成12年7月
【執筆担当者】 木山喜博 (国際通信経済研究所 第二研究部 )
目 次
第1章 日本版金融ビッグバンの目的
1−1 橋本総理の指示
1−2 改革指示の意味
1−3 金融制度調査会答申
1−3−1 我が国金融をとりまく環境
1−3−2 利用者の重視
第2章 諸外国の金融自由化
2−1 諸外国の金融自由化の経緯
2−1−1 米国
2−1−2 英国
2−1−3 ドイツ
2−1−4 フランス
2−1−5 ニュー・ジーランド
2−2 世界的金融自由化の推進要因
2−2−1 金融の国際化、グローバル化の進展
2−2−2 競争原理導入による経済の活性化、金融効率化の世界的展開
2−2−3 金融技術のイノベーションの展開
2−2−4 金融における利用者重視の高まり
2−3 諸外国における個人金融資産運用
2−3−1 個人金融資産運用の多様化
2−3−2 不動産集団投資スキームの概要
2−3−3 米国「REIT」
2−3−4 豪州「上場プロパティトラスト」
2−3−5 ドイツ「オープンエンド型不動産ファンド」
2−3−6 オランダ「上場不動産投資法人」
2−3−7 ファイナンシャル・プランナー機能発揮も重要
第3章 日本版ビッグバンの経緯
3−1 商品・業務・組織形態の自由化・多様化
3−1−1 持株会社制度の活用
3−1−1−1 持株会社の解禁
3−1−1−2 金融システム改革における銀行の持株会社活用の意義・役割
3−1−2 ABS(資産担保証券)など債権等の流動化
3−1−3 デリバティブの取扱い
3−1−4 証券投資信託の販売
3−1−5 保険商品の販売
3−1−6 業態別子会社の業務範囲、弊害防止措置の見直し等
3−1−7 普通銀行における長短分離制度に係る業務上の規制の撤廃
3−1−8 外国為替専門銀行制度
3−1−9 地域金融機関の役割
3−1−10 電子マネー・電子決済
3−1−11 ノンバンクの資金調達の多様化
3−2 市場・取引のインフラ及びルールの整備
3−2−1 金融先物取引のあり方
3−2−2 短期金融市場の整備
3−2−3 会計制度の整備
3−2−4 金融機関等の利用者の保護
3−3 金融システムの健全性の確保
3−3−1 早期是正措置の導入
3−3−2 決済リスク削減策の強化
第4章 郵便貯金・簡易保険への影響
4−1 郵便貯金の事業経営に関する将来ビジョン
4−1−1 金融ビッグバンが個人金融市場に与える影響
4−1−1−1 預貯金に対する選好の強さ
4−1−1−2 証券市場の厚みが増大
4−1−1−3 少子高齢化の進展と貯蓄
4−1−1−4 勤労世代の金融資産選択の多様化
4−1−1−5 小口個人は金融ビッグバンのメリットを享受できるか。
4−1−2 個人金融市場における郵便貯金の機能・役割
4−1−2−1 郵便貯金の特性
4−1−2−2 金融サービスにおける小口個人の利益確保の方法
4−1−2−3 貯蓄サービスの在り方
4−1−2−4 社会経済環境の変化に応じた個人貸付サービス、コンサルティングサービスの提供
4−1−2—5 多様な政策課題への対応
4−1−3 郵便貯金と金融ネットワークサービスの在り方
4−1−3−1 ATM・CDネットワークサービス
4−1−3−2 デビットカードサービス
4−1−3−3 インターネットバンキングサービス
4−1−3−4 金融ネットワークのオープン化
4−1−4 郵便貯金における事業規律(ガバナンス)の在り方
4−1−4−1 郵便貯金の事業規律の特徴
4−1−4−2 郵便貯金における事業規律を確保するための方策
4−1−4−3 郵便貯金のALMの在り方
4−1−5 むすび
4−2 郵貯・簡保資金運用研究会
4−2−1 財政投融資の改革と郵便貯金資金の全額自主運用の意義
4−2−1−1 事業経営上の意義
4−2−1−2 財政投融資の改革との関係
4−2−1−3 財政投融資の改革と簡易生命保険の資金運用のあり方
4−2−2 郵便貯金事業・簡易生命保険事業の目的と資金運用
4−2−3 資金運用管理の原則
4−2−3−1 金融自由化対策資金の運用原則
4−2−3−2 簡易生命保険資金の運用原則
4−2−3−3 財政投融資の改革後の簡易生命保険資金の運用原則
4−2−3−4 郵便貯金の全額自主運用後の運用原則
4−2−3−5 運用管理の実際−ALMと分散投資−
4−2−3−6 運用対象
4−2−3−7 市場運用の在り方
4−2−4 運用管理体制の在り方
4−2−4−1 基本的な考え方
4−2−4−2 運用責任
4−2−4−3 運用計画策定プロセス等について
第5章 まとめ
資料
参考文献
要 約
金融の自由化は世界的な傾向であり、世界各国では金融機関の整理・統合が進み、失業率は増大している。金融の流れは間接金融から直接金融へと動いている。諸外国でも金融自由化の流れに沿った形で様々な取組みがなされているが、競争の激化による失業者の増大など我が国と同様の問題を抱えている国もある。
そうした中で、我が国の「金融ビッグバン」は何を目的としているのであろうか。もちろん、我が国の金融システムの基盤整備により、東京市場をニューヨーク・ロンドンと並ぶ市場にしようとする試みでもある。しかし、一方で利用者利便の向上ということがこの金融改革の目的でもある。
こうした流れの中で、日本の郵便貯金・簡易保険の果たすべき役割は何かを考察したものである。第1章では、この「日本版金融ビッグバンの目的」を96年11月に橋本総理が行った金融改革の指示と、97年6月に発表された金融制度調査会答申からみていく。橋本首相の指示は、東京市場を、(1) 市場原理が働くフリーな、(2) 透明で信頼できるフェアーな、(3) 国際的で時代を先取りするグローバルな市場に変革するというものである。これにより、2001年までに東京市場をニューヨーク・ロンドン市場と並ぶ国際市場に構造改革し、1,200兆円にも上る個人金融資産を有効に活用することとしている。金融制度調査会答申のなかでも特に、利用者の重視という点に着目した。ここでは、「利用者にできるだけ多様な選択肢が与えられ、競争原理が徹底される中で様々な取引が行われること」、また「都市部のみでなく全国の利用者の利便性を考慮すること」が強調され、利用者の利便性の向上に力点が置かれている。
第2章では、「日本版金融ビッグバン」に先立って行われた諸外国の金融自由化について、その経緯と推進要因をみていく。(1)「諸外国の金融自由化の経緯」では、米国、英国、ドイツ、フランス、ニュー・ジーランドの例からみていく。(2)「世界的金融自由化の推進要因」では、世界的に展開をみせている金融自由化が、なぜ引き起こされたのか、その諸要因について、高瀬恭介氏「金融変革と銀行経営」からa.金融の国際化、グローバル化の進展、b.競争原理導入による経済の活性化、金融効率化の世界的展開、c.金融技術のイノベーションの展開、d.金融における利用者重視の高まりの4点として考察した。また、最近の諸外国における個人金融資産運用について、金融財政事情から(1) 個人金融資産運用の多様化、(2) 不動産集団投資スキームの概要を見る。
第3章では、日本版ビッグバンの経緯として日本版ビッグバンの具体的進め方について、金融制度調査会答申(97年6月)から(1) 商品・業務・組織形態の自由化・多様化、(2) 市場・取引のインフラ及びルールの整備、(3) 金融システムの健全性の確保について見る。
第4章では、「日本版金融ビッグバン」が進展するなかで、公的金融(とりわけ郵便貯金・簡易保険)はどのような影響を受け、どのように行動すべきなのか、「郵便貯金の事業経営に関する将来ビジョン研究会・中間報告」(99年6月)及び「郵貯・簡保資金運用研究会・中間報告」(99年6月)から見る。
第5章では「まとめ」として、日本版金融ビッグバンにおける郵便貯金・簡易保険の役割をまとめた。特に(1) 少子高齢化社会にも対応した活力ある市場を生み出す役割、(2) 競争激化の中での不採算地域も含めた基礎的金融サービスの提供、(3) 小口個人の利用者にとっての利益確保、等の視点からまとめた。
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