「私はときどき試験中に携帯電話の助けを借りることがあります。これはカンニングではありません。ちょっと助けを借りるだけです。」
イタリアではバスの中、スクーターや自動車の運転中でも携帯電話が利用できる。この種のコミュニケーション方法は、人々の考え方や感情表現の仕方にも変化をもたらしているようである。例えば、少女の一団が、彼女たちには休暇シーズンのプレゼントとして一番人気のものであるビデオ対応の最新型携帯電話を見せびらかしながら、バスの中で人目もはばからず歌ったり笑ったりしている。
マサチューセッツ工科大学(MIT)でイタリアにおける携帯利用行動に関する研究所を主宰しているフェデリコ・カサレーニョ氏は、「携帯を利用した若年層の暴力行為は単なる逸脱では片付けられない」と述べている。「学校で教師や友人をだますということはどの時代でもあったことですが、子供たちが携帯を持っていてビデオを作れるということが大きな変化です。このことはより深刻な事態をもたらします。」
学校での携帯電話利用と暴力の関わりというのは全く新しい現象なので、これに関する研究はまだ行われていない。
ジュネーブに本拠を置く国際通信連合(ITU)が2005年11月に実施した調査では、イタリアの人口100人あたり携帯電話台数は109.24で、「欧州では最も普及率が高い」とされている。イタリアの人口は約5,700万人なので、利用者総数は約6,270万人ということになる。ITUでは、2007年内にイタリア人の80%がGPRS/EDGE及び3G対応の機種を手に入れるであろうと見ている。
2004年のITUの調査では、イタリアの児童の50%以上が9歳ないし10歳で携帯電話を持つようになるとしている。
イタリアの独立系社会・市場調査研究機関Euriskoが2003年に実施した調査によれば、高校生の90%が携帯電話を持っている。その86%は授業中にも電源をONにしているという。
「Telephonic Youth(電話依存の若年層)」と題するドミニク・スタンディッシュ氏による記事が、2003年9月9日にTCS Dailyのサイトに掲載された。その中で著者はイタリアの若年層の携帯電話への適応の高さについて、幾つかの理由を挙げている。ラテン文化圏では人々が「非常におしゃべり」で、家族間でもよく話すことを別にしても、プリペイドカードでの支払方式により、学校に通う児童でも簡単に電話が使えるようになったことが大きな原因であるという。
スタンディッシュ氏によれば、「プリペイド方式なら月額基本料金も、契約もクレジットカードも不要...」
MITの前記カサレーニョ氏は、MITで運輸・環境・新技術プロジェクトの責任者でもあるが、携帯電話のような新しい技術は、誰でも、特に学童がコンテンツ作成に携われることを可能にした。こして学童は情報システムに変化をもたらし、新しいコンセプトを生み出す才能を与えられているのだという。
「テクノロジーの利用によってネットワーク、グループ、情動行動、感情移入及び選択を創り出すこともできます。」と彼は述べている。「例えば、ビデオを作り、それをYouTubeに送るということはもうあるまじきことではなく、創造行為の一つです。」
携帯電話利用に限っていえば、問題はどこに正常と異常の線を引くか、利用方法に限度を設けるべきかということである。ギリシャでは、教育省は教室での携帯電話利用を禁止している。イタリアではこれに関しては議論が継続中である。今のところ明確にいえることは、イタリアでは携帯電話利用がそれぞれの世代を構成する者の間で単なるコミュニケーションの手段というレベルを超えていることである。
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| 写真はローマの店で撮られた。機種と価格を示している。 |
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