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世界の携帯電話事情 vol.2
ソマ・バス ソマ・バス
社会・政治と開発問題に特別の関心があるベテラン・ジャーナリスト。現在はヒンデュー紙メトロプラス版の週刊付録の担当。デリー政府からの「最優秀記者賞」、インド医師会(デリー)からの「最優秀医療記者賞」、全国メディア財団(デリー)から「最優秀ヒューマン・インタレスト記事賞」などの賞を受賞。2001年にフルブライト奨学金、1999年にドイツのフリードリヒ財団のフェローシップなどを受ける。2005年にアジア・メディアフォーラムのために、「津波から6ヶ月:生活の再建」という記事を連載した。
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インド:活況を呈する携帯電話事業

タミルナド、インド − 携帯電話は数年前には金持ちだけが使う道具であったものが、今では、あらゆる階層の人々にとってどこにもある道具になっている。現在、社会のすべての階層で、上流あるいは中流、低所得層でも、都市でも農村のインドでも、携帯電話のない生活は想像できない。

南インドのシバガンガイと呼ばれている小さな地区に住むオートリキシャ(自動人力車)の運転手であるマライチャミは、オートリキシャ乗場で客待ちをしている時に新聞を熱心に眺める。彼は英語は読めないが、カラーの全面広告は彼の注意をひきつけた。そこには人気映画スターが最新の携帯電話を見せびらかしていた。

彼がその携帯電話端末の機能をじっくり見ていると、彼のノキア1100が人気映画音楽の着メロを鳴らした。それはお得意客のひとりからの電話で、マライチャミに鉄道の駅まで急いで行き、親類を拾ってくるよう求めた。彼は急いで名前を書いた旗を用意し、リキシャをスタートさせ、走り去った。

彼の父親もリキシャの運転手であった。父親がいつも走っている客を捕まえるために競争していたことをマライチャミは思い起こす。「父は乗客を捕まえるために時間、エネルギーと燃料を無駄にしていました。でも、現在ではこの小さな素晴らしい道具のおかげで、それを節約することができます。それに、自由な時間に役に立つことをすることもできます」と彼は自慢の所有物を見せながら言う。彼はそれを2年前に3800ルピー(86米ドル)で買った。

月に3000ルピー(68ドル)の稼ぎしかない者にとって、それは高い買い物かもしれない。だが、彼はその買い物に満足している。なぜなら、1500ルピー(34ドル)を一度払うと、一生プリペイド・サービスを受けられるからだ。半年ごとに彼は50ルピー(1ドル)を支払い、チャージする。そして彼はそれを着信だけに使う。彼はめったに他のサービスを使わない。電話の発信が必要な時には、電話を1回鳴らして切り、折り返しの電話を待つ。

近くの州都ハイデラバードに住むファティマとハジラ・ベービは共働きの家庭でフルタイムのメイドをしている。彼らの女主人は彼らに1500ルピーから2000ルピー(34ドルから45ドル)する携帯電話を買い与えた。それは雇い主が監督するうえでのニーズにあっている。彼らも「鳴らして待つ」やり方をする。

ハジラは「家から何時間も離れているので、わたしの子供や夫と連絡がつくので大変便利です」と言う。

彼女は公共交通機関を使い、家に帰るのは午後9時過ぎになるので、バスが家に近づくと家の電話の音を1回鳴らして切る。すると夫がバスの停留所まで自転車で迎えに行く。「このやり方は安全です」と彼女は微笑む。

一方、学位をもつラジャは、タミルナドのマドュライでミネラル・ウォーターの販売をしている。彼にとって5年前に3000ルピー(68ドル)で買ったサムスンはありがたいものである。顧客が飲料水の配達をして欲しい時には、SMSか電話をする。

「2000ルピー(45ドル)で年間のプリペイドカードを買い、ほとんど通話とSMSを送るのに使います」と彼は言う。彼の仕事は需要次第なのでフルタイムで働く必要はない。そのため彼は通信教育を受ける自由な時間がある。

寺院の町マドュライで、スリャ・パンディは新鮮な牛乳で客を起こし、朝の静けさを破る。午前4時半から午前6時の間に、彼は戸口に立つ。彼がふたつの大きなアルミニウムのミルク缶を後ろの荷台に結んで道を自転車で行く光景が見られる。

彼は野菜栽培の農家でもあるので、よく首と肩の間に携帯電話をぶら下げている。地元の野菜市場の価格の帳簿をつける必要があるのだ。

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