ベルリン − ドイツの8000万人の携帯電話の契約者は、新しくてすばらしい未来の門出にいるかもしれない。しかし、これがどれくらい早く発展するかは、高速データ・サービスの価格を非常に高いままにしておこうとする企業連合と携帯電話テレビの全国サービスを許可することに時間を空費している官僚次第であろう。
「UMTSを成功物語に変えるようなこれだと言うキラーアプリケーションは無いでしょう」と携帯電話の専門家で、ドイツ通信業界団体の「Bitkom」(写真1参照)のマンフレッド・ブロイル氏は予測する。「これだと言うキラーアプリケーションは無くても、つまり、いろいろなシナリオと、その利用者のための、さまざまなアプリケーションがあるでしょう」。
UMTSは欧州の「第3世代」(3G)移動体通信システムで、その免許は7年前の競売でドイツの4つの事業者が993億マルクもかけて落札したことで話題になった。そのネットワークは3年前に開始されたが、1992年にドイツに初めて大量の移動電話をもたらし、現在も使われている2Gネットワークよりも、8倍も速くデータを送信するものの、期待に応えていない。
シーメンスの電気通信専門家クラウス・ディーター・コート博士も同じ意見だ。「キラーアプリケーションはありません。利用者にとって、多くの選択肢があるでしょう。その中で、どれが勝ち、どれがそうでないかは市場が教えてくれるでしょう」。
だがブロイル氏は、ドイツでのUMTSの将来について楽観的な見通しを持っている。「2005年のドイツには、230万人のUMTSの利用者がいました。実際に確認された数字はまだありませんが、2006年末には約650万人になっているだろうと予想されています。これは、UMTSが非常に順調であること、特にデータ通信は大変急速に伸びていることを示しております。世界的に見ると、2006年末に9900万人の利用者がいました。その内訳は、49%は西欧、47%がアジア・太平洋地域、2%が東欧、その他が2%となっています」と彼は語った。
消費者団体「Stiftung Warentest」の有力な携帯電話の専門家の1人、トマス・グルント氏は「料金が高過ぎます」と言う。「それに個人ユーザのためのサービスアプリケーションが少な過ぎます」。
批判者たちは、こうした状況を「事業者が、免許取得に大枚をはたきすぎた」と述べている。そのため事業者は、「プレミアムサービス」と称し、メガバイトの非常に高額な価格で提供するサービスを通じて、消費者からできるだけ早く投資費用を回収しようとしているという。
そして、利用者のほとんどが、いまだに会社のイントラネットやインターネットに接続するためにUMTSを利用しているビジネスマンである。
そんな利用者の1人が、公共放送MDRプロデューサー、ティム・ハーデン氏である。彼はアプリケーションの餌食になるのが心配で、接続するとできるだけ早く切断する。そんな彼が「データ送信の質はすばらしい」と語った。「携帯電話は、データをインターネットで送るためのモデムとして使っています。また、メールのほかに、私のテレビレポートをインターネットですぐにチェックするために使っています。でも、深く調査するためにはに使用しません。高すぎるのです。月極めの利用限度を超えた場合、何メガバイトを使ったのか判断するのはとても難しい」。
ある調査によると、携帯電話でメールを送受信することに関して、ドイツはまだ石器時代にいるという。M:Metricsによると、仕事のため携帯電話でメールを送っているのは、現在、加入者の3%以下でしかない。 |