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世界の携帯電話事情vol.1
チズオ・オサバ
リオデジャネイロ在住のジャーナリスト。インタープレス・サービスの記者。
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ブラジル:利用者の大多数は貧しい人々 チズオ・オサバ

リオデジャネイロ ー ブラジルの携帯電話は、他の世界と同様に、オーディオやコンピュータなどの機能を急速に取り込みつつある。また、携帯電話は今まで通信手段に無縁な人々でも利用できるようにしたことで、異例の激しさで社会的役割を演じている。

 今や数千万人のブラジル人が自分の電話を持つことが可能になっている。ブラジルの人口は1億8700万人だが、既に9700万の携帯電話が登録されている。

 国家通信庁によると、1999年以来、毎月平均50万づつ増えており、2006年9月末に9587万904の登録があった。携帯電話の利用者の大多数は貧しい人たちである。80.7%はプリペイドを使用している。携帯電話の事業者の月当りの売上が携帯電話1台当り27.50レアル(12.50ドル)にとどまっているのは、それが理由である。これは米国のCingularの4分の1である。

 14歳の時からマニキュア師をしているマリルース・バロス・マデイラ(33)は、4年前に携帯電話を使い始めて以来、収入が倍になった。彼女はそれまで、サービスを提供するために戸別訪問していた。客を得るためには、偶然の出会い、あるいは第三者の紹介による戸別訪問が基本だった。今では、彼女はいつでも連絡がつくため、客層も広がった。彼女はリオデジャネイロ郊外の貧しい地区に住む。彼女の携帯電話は、そこでは開くことができなかったビューティー・パーラーの代わりをしている。現在、彼女は月に約200ドルをかせぐ。

 「携帯電話はわたしにとって、すべてです。目覚まし、カレンダー、時計です。お客さんといつ約束があるかを知らせてくれます」とマリルースは言う。彼女は既に5台の携帯電話を購入している。1台は盗まれ、もう2台はなくした。残っている2台のうち、1台は自分が使い、もう1台は12歳の娘に渡している。このようにして、娘と11歳の息子とは連絡がつくようにしている。料金を抑えるために、彼女はプリペイドの携帯電話しか使わない。月に最小限の20レアル(9.20ドル)使い、それがなくなると、電話はかけない。

 マリルースには固定電話を引く考えはない。なぜなら、移動しながら電話をかけることが必要であり、固定電話は「なにより高いからである」。

 事業者は固定電話の市内電話について、かけようがかけまいが、月に最低20ドルを課す(市内通話の一定利用料を含む)。1分あたりの料金は固定電話のほうが携帯電話より安いが、ブラジルの固定電話の数が2006年以来、3900万から4000万の間にとどまっているのは、こうした理由がある。貧しい人たちは携帯電話のほうを好む。最初に60ドルかかるが、月ごとに分割して支払うことができる。

 昨日の携帯の世帯普及率は59.9%だった一方、固定電話は48.1%だけであった。ふたつのサービスの二分極化を克服するために、ふたつの事業者が今年、家では固定電話、外では携帯電話として機能する電話を提供し始めた。

 先ほどのマリルース・マデイラは数百万人のブラジル人の一例である。その数百万人はブラジルの労働者の半分以上に該当し、その多くはブルーカラーである。行商人や家政婦、個人営業者、タクシー乗り場で客待ちをする必要がなくなったタクシードライバーにとって、携帯電話を持つことは収入が増えることお、生活の質が向上することを意味する。費用はきわめて低い。なぜなら、彼らはたいて電話を受けるために使い、電話をかけることはほとんどしないからだ。

 ホームレスでさえ、携帯電話によって社会とのつながりを最低限に保つことができるようになった。

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