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世界の携帯電話事情vol.1
スチュワート・フィスト
オーストラリア在住の作家、ジャーナリスト、映画制作者
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オーストラリア:CDMA後の次世代に懸念 スチュワート・フィスト

 オーストラリア国内におけるCDMAネットワークを2008年に廃止するというTelstraが先日下した決定は、欧州と米国の間の携帯電話技術に関する長い戦いが終わったことを示している。オーストラリアでは携帯電話利用者は、奥地(Outback)でも通信可能であることを重視している。したがって、今後100万人の携帯電話利用者が上級機種へ切り換えることを余儀なくされるであろう。

 Telstraは次世代携帯電話の技術をGSMを基礎にしたHSDPAに集中することにした。同社はこの技術を通常より低い周波数、最初は850メガヘルツ帯、後に現在までCDMAとGSMに占められている900メガヘルツ帯で行う。Telstraは双方の両周波数帯で非常に多くの周波数を占有している。

 初期のAMPSアナログ・サービスはオーストラリアの地域部で非常に成功していた。それが長距離の伝搬特性を持っていたからである。それ故に都市部で欧州のGSMを採用したのにもかかわらず、Nortelが地方基地局のカバー範囲を倍増する特別なセル技術を開発すると、地域部ではAMPSの代わりに米国のCDMAが採用された。

 オーストラリアは米国と同じ面積に2000万人が住む。人口の大半は、6つの大都市と数十の地域センターに集中している。そこでは、サービス範囲が限られる欧州のGSMによるサービスが提供されている。

 しかしながら、そうした都市部以外では、ネットワークビジネスは異なった問題に直面している。Outbackとして知られる奥地の70%は砂漠か乾燥地帯で、大規模な畜産牧場しか適さない。それらの地域には政府が補助金を出している衛星通信のサービスがある。

 大規模な鉱山やより生産性の高い農業地域でさえも、産業が極めて機械化されているため人口密度は比較的低い。

 過去数年、Telstraは1億豪ドル以上の政府の補助金と特別の奨励制度を受けていた。この施策は地域ビジネスの採算性を維持するために実施されていたものであり、2000年までに、一部民営化されたこの通信事業者は、この地域ビジネスをほぼを独占していた。

 しかし、同社の郊外地域での支配はOptus とVodafoneによって、次第に浸食されていった。それはTelstraの言葉を借りれば、両社は大都市だけで競争力のあるサービスを提供することによって「甘い汁を吸っていた」のである。

 オーストラリアの競争規制のもとでは、TelstraはCDMAへの接続を競合事業者に使わせなければならない。これにより競合事業者はTelstraにカバー範囲で互角となれる上、料金を低く設定できる。

 「これは既に飽和レベルにある市場を分裂させる」と通信アナリストのポール・バディは「それによりTelstraの競争相手は自分自身で不経済な基地局に投資せずに、携帯サービスを提供できるようになったのです」と述べている。

 Telstraは一部政府所有であったが、その地域CDMA網を1xRTT とEV-DOデータ・オーバーレイで拡大した。同社はCDMAとGSMネットワークで伝送するカナダのブラック・ベリーの携帯メールとデータサービスで、大きな成功を治めた。そのサービスは安くはないが、ブラック・ベリーはセールスマンが常に外出しているビジネスで人気がある。

 Telstraはいま完全民営化への苦闘の最中にある。政府は明らかに規制に関して非干渉主義に傾倒している。さらにTelstraの経営陣は、株主の利益に反するような規制には激しく争うことを決めた。部分政府所有のもとでは、経営陣は「笑って耐え」なければないことがよくあったからである。

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