その他

ブラジル

2014年FIFAワールドカップまでにLTEを商用化

規制監督機関Anatelは2011年8月、2014年に同国で開催される予定のFIFAワールドカップまでに、 12の開催都市で、4G(LTE)の商用サービスを開始したい意向を明らかにした。 このためAnatelはそれまでに4G用の周波数割当を計画。 その第1弾として2.5GHz帯の周波数ライセンスのオークションを2012年4月に実施する予定だ。 また、その際のエリアカバレッジは、大会開催都市の80%になるとしている。

既にVivo、Oi、Claro、TIMといった大手携帯電話事業者は、2011年夏頃にLTEの実証実験を計画している。 Anatelによると、2011年9月現在、同国の携帯電話加入者数は2億2,740万人、そのうち3G加入者数は3,450万人なる。

2010年11月には、パウロ・ベルナルド通信相が、全国で遅れが生じている地上波放送のデジタル化について、 2016年6月の完全地デジ化という目標に変更はないことを改めて強調。 また、700~800MHz帯を、LTEを含むモバイル・ブロードバンドへ割り当てる計画があることも明らかにした。 ブラジル政府は、2014年のFIFAワールドカップと2016年の夏季オリンピック(リオ・デ・ジャネイロ)の2大イベントにより同国の経済成長が加速することに期待している。

ブラジルは、2006年6月に日本の地上デジタル放送方式であるISDB-Tを拡張した日伯方式「ISDB-TB」を採用することを決定。 2007年12月にサンパウロで本放送が開始され、2016年6月のアナログ停波を予定している。 Anatelによると、2011年10月現在、全国の地上デジタル放送の人口と世帯普及率はそれぞれ45.9%と45.5%となっている。

2011年11月現在、日本とブラジル以外でISDB-T採用を決定した国は11か国。 ペルー(2009年4月採用、2010年3月放送開始)、アルゼンチン(2009年8月採用、2010年4月放送開始)、チリ(2009年9月採用)、 ベネズエラ(2009年10月採用)、エクアドル(2010年3月採用)、コスタリカ(2010年5月採用)、パラグアイ(2010年6月採用)、 フィリピン(2010年6月採用)、ボリビア(2010年7月採用)、ウルグアイ(2010年12月採用)、モルディブ(2011年10月採用)での採用が決定している。

EU

携帯ローミング料金のさらなる引き下げで欧州連合理事会と欧州議会が合意

EUでは高額な携帯ローミング料金が欧州委員会ならびに携帯電話利用者によって問題視されてきた。 この問題を受け、欧州委員会は2007年から域内の携帯ローミング料金に上限を設定する規制を施行し(2009年改正)、段階的に料金の引き下げを実施してきた。 ただし、欧州委員会や携帯電話利用者は依然として料金が高額であると不満を抱いている。 また、現行の規制は2012年6月末が有効期限であることから早急に新たな規制を設ける必要性が指摘されてきた。

2012年3月28日、欧州連合理事会と欧州議会は、携帯ローミング料金のさらなる引下げを行う規制案の採択に向けて合意した。 規制案は、欧州域内移動時のモバイル通信サービスの利用に際して、ユーザーに過剰な料金負担が発生しないことを目的としている。 規制案の正式な採択・発効は、2012年5月に開催される欧州議会本会議での承認、ならびに議会承認後の欧州連合理事会による承認が必要となる。 新しい規則は2012年7月1日に発効し、料金は毎年段階的に引き下げられる。 有効期限は2022年6月30日までとなる。

新規則では、競争の導入と消費者の選択肢の増加を進める構造的措置を導入することで携帯ローミング料金の高額化を抑制していく。 2014年7月1日以降、利用者は海外において、自国で契約しているものとは別のローミング・サービスを契約することが可能になる。 また、公衆モバイル通信網への卸売りによるアクセスについても条件設定を行う。 加えて、競争事業者がローミング・サービス市場に参入できるよう、卸売料金の上限と小売り料金の間に妥当なマージンを設定する。 そのほか、料金の透明性向上や料金に関する情報提供の改善についても規定が設けられる。

携帯ローミング料金 小売上限価格(付加価値税別)
現行 2012年7月1日
以降
2013年7月1日
以降
2014年7月1日
以降
データ(1MBあたり) 設定なし 0.7ユーロ 0.45ユーロ 0.2ユーロ
通話料金(1分あたり) 0.35ユーロ 0.29ユーロ 0.24ユーロ 0.19ユーロ
着信料金(1分あたり) 0.11ユーロ 0.08ユーロ 0.07ユーロ 0.05ユーロ
SMS(1通あたり) 0.11ユーロ 0.09ユーロ 0.08ユーロ 0.06ユーロ
携帯ローミング料金 卸売上限価格(付加価値税別)
現行 2012年7月1日
以降
2013年7月1日
以降
2014年7月1日
以降
データ(1MBあたり) 0.5ユーロ 0.25ユーロ 0.15ユーロ 0.05ユーロ
通話料金(1分あたり) 0.18ユーロ 0.14ユーロ 0.1ユーロ 0.05ユーロ
SMS(1通あたり) 0.04ユーロ 0.03ユーロ 0.02ユーロ 0.02ユーロ
出所:欧州議会プレスリリース(2012年3月28日)

フランス

新たな国家デジタル経済計画「フランス・デジタル2012-2020」

仏経済・財政・産業省は2011年11月30日、新たな国家デジタル経済計画「フランス・デジタル2012-2020」を発表した。 これは2008年に発表され、全国民のブロードバンド接続等を目標とした「フランス・デジタル2012」の継続発展を目指し、5つの主目標の下で57の具体的目標が提示されている。

  • デジタル化による仏経済の競争力強化: デジタル関連産業の中小企業育成、クラウド・コンピューティング発展支援、デジタル技術導入による企業一般のサービス改善等
  • すべての国民のデジタル網へのアクセス: FTTH普及促進、LTEカバレッジ拡大、地上デジタル伝送方式の移行(DVB-TからDVB-T2へ)、本国と海外県・領土間のデジタル・ディバイド解消等
  • デジタル・コンテンツの生産・提供の活発化: 音楽ファイルやビデオにおける不正コピーの流通の阻止、付加価値税の調整、文化財デジタル化、ビデオゲーム産業支援等
  • デジタル・サービス、デジタル利用の多様化: すべての国民の適正価格でのデジタル・コンテンツへのアクセス、デジタル手段を通じた政治参加、グリーンICT推進、電子政府サービスの充実等
  • デジタル経済のガバナンス刷新: 行政サービスのデジタル化に応じた政府組織の改変、国内外の諸機関との連携等
57の具体的目標のうち、特に重要視されている項目は以下の5つである。
  • 中小企業を含む100%の企業がデジタル・サービスを利用
  • 超高速ブロードバンドへの接続人口を2020年には70%、2025年には100%
  • モバイル超高速ブロードバンド・サービスに対し、2020年までに450MHz分の周波数を新たに割当て
  • すべての地上デジタルチャンネルをHDTVにし、少なくとも1つの3Dチャンネルを創設
  • 各種行政手続きのうち、利用頻度の高いものは2013年まで、それ以外も2020年までにはすべてデジタル化
なお、2008年の「フランス・デジタル2012」の電気通信分野の主目標と2011年後半での達成状況は以下のとおりである。
  • 2010年までに国民のすべてが月額35ユーロ以下の料金でブロードバンドに接続可能とするため、2009年前半に地域ごとの「ブロードバンド・ユニバーサル・アクセス」事業者の入札を実施する。
    地域ごとの事業者選定は行われていないが、ADSLの人口カバレッジは100%に近づいている。ADSL経由のトリプルプレイ(ブロードバンド接続、IP電話、IPTVのセット契約)の月額料金は平均30ユーロ。
  • 2012年までにFTTH加入世帯を400万に引き上げる。
    2011年9月末でもFTTx加入世帯数は60万程度で、ブロードバンド加入全体の2%程度に留まった。
  • 2008年10月末に、地上放送におけるアナログ停波計画を完成する。
    2011年11月末、予定どおり全国でアナログ停波が実現した。
  • 放送デジタル化による余剰周波数の割当手続きを2009年に開始する。
    800MHz帯の空き周波数の一部をLTEサービスに割当てるための入札申請手続きが2011年6月に開始された。

インド

最高裁判所、2Gサービス用周波数免許の不正交付問題を巡り、2008年以降に交付された122の免許全ての取消しと入札のやり直しを命令

インド最高裁判所は2012年2月2日、2008年以降に政府が交付した2Gサービス用周波数の割当事業免許全てに関し、公共の利益の観点から認可を取り消す判決を下した。

同2G免許は、2008年以降にラジャ通信IT大臣が認可したもので、手続きの際に不当に安価な金額あるいは不適切な行為があったとされているもの。 これによりラジャ大臣は辞任、収賄容疑で逮捕・刑事訴追され、現在公判中となっている。

これらの2G免許は、交付されたものの実際にサービスが開始されないため、電気通信局(DOT)が通信事業者に対して罰金の支払いを命じ、 それに対して通信事業者が電気通信紛争処理上訴裁判所(TDSAT)に異議を申し立てる等の問題も発生していた。

DOTはインド電気通信庁(TRAI)に対し、免許の再付与に関して勧告を求め、TRAIは2月3日、オークションによる免許の再交付に関し、事前諮問を開始した。

免許は2月2日から4か月以内は引き続き有効とされるが、それ以降は失効する。

今回取り消される2G免許の中には、Tata Teleservices(TTSL)(NTTドコモが出資)、Idea Cellular、Loop Telecom、Videocon Telecommunications、 Etisalat DB(UAEのEtisalatが出資)、STel Private Limited(STel)(バーレーンのBatelcoが出資)、ユニテック・ワイヤレス(ユニノール)(ノルウェーのテレノールが出資)が取得した免許が含まれている。

政府は、2Gオークションのやり直しを行う方向で準備中だが、追加コストの負担の可能性が出てきたモバイルキャリアの反発は避けられず、利害調整に時間と労力がかかることが予想され、入札実施は延長が避けられないと考えられる。 さらに今後は、将来的な利益が見込めないと判断したキャリア及び外資の撤退、あるいは統合による、市場再編が起こることが避けられない状況となっている。

TRAI、統合免許制度に関するガイドライン草案発表、諮問を開始

TRAIは1月16日、統合免許制度(Unified Licensing Regime)に関するガイドライン草案を発表し、諮問を開始した。

TRAIは、2010年5月11日に「周波数管理と免許付与に関する枠組み」と題する文書を発表し、将来的に免許は周波数とバンドルすべきでないとする内容の勧告を行った。 さらに免許の種類を以下に分類すべきとした。

  • 統合免許(複数のアクセスサービス(UASL/CMTS)、国内長距離(NLD)、国際長距離通信(ILD)、インターネット、インフラ提供サービスの一部(IP-Ⅰ)、全地球移動電話通信サービス(GMPCS)を含む)
  • VSATサービスを含むクラス免許
  • 認可による免許付与
  • 放送免許

さらにTRAIは、2011年11月に電気通信局(DOT)に対して、統合免許の詳細に関しては別途策定しており、適切な諮問プロセスを経てガイドライン草案を策定するとしていた。 今回発表されたのは同ガイドライン草案で、その主な内容は下記のとおり。

統合免許について
  • 免許の種類は、(1)全国、(2)サービスエリア、(3)行政区の3つ。申請者はいずれにも申請可能。(2)あるいは(3)の場合、1件以上申請可能。
  • 免許付与者は、モバイル番号ポータビリティ等の特定サービス免許を付与する権利を持つ。
  • 申請料は下記のとおり。
    • 上記(1)が2億インドルピー、メトロ及びサークル(サービスエリア)Aが2,000万インドルピー。
    • サークルBが1,000万インドルピー。
    • サークルCと(2)が500万インドルピー。
クラス免許について
  • 種類は全国レベルのみ。
  • 免許付与者は電気通信/電気通信関連サービス等の特定サービス免許を付与する権利を持つ。
  • 申請料は300万インドルピー。
両免許共通
  • 非排他的に付与され、免許エリア内の参入者数の制限無し。
  • 申請者のFDIの上限は74%のまま変更無し。
  • 周波数とはバンドルされない。免許取得者は別途周波数獲得の申請を行う。

TRAIは今後、同草案に関する諮問を経て、最終ガイドラインを発表する予定である。

韓国

スマート先進国を目指す韓国の重点育成新サービス戦略

スマートフォン等ネットにつながったデバイスの普及とクラウド化で、時間や場所を選ばずにサービスが利用できるスマート時代が到来した。 韓国では、スマート時代到来を契機に、新規雇用創出と将来的な経済成長を牽引するスマートエコシステム構築と新産業創出を目指す戦略を打ち出している。 放送通信委員会は2011年11月、スマート先進国となるために2013年までに進める政策方向の実行計画と予算を盛り込んだ「放送通信基本計画」をまとめた。 同計画によると、スマートエコシステム構築のために、他産業等の連携と成長性が見込める、クラウドやM2Mなどの次の7つの新サービスを集中育成する方針。

  • クラウド : モバイル、韓流コンテンツ、メディアをクラウドと連携させ、競争力あるビジネスモデルを発掘
  • M2M : 超低電力技術と標準プラットフォーム開発など
  • NFC : 2015年までに国内150万箇所にモバイル決済インフラ構築
  • スマートTV
  • Tコマース : スマートTV等の双方向放送対応TV基盤の電子商取引活性化
  • 位置情報サービス
  • 3D放送 : 試験サービス実施により商用サービス基盤拡大