ネットサービス
スペイン
スペインにおける情報社会の進展状況
情報通信技術の発展と、それに伴う社会の変化については、今まで様々な議論が積み重ねられてきた。 社会全体のビジョンとして、日本では、かつての「ニューメディア社会」「マルチメディア社会」、あるいは近年の「ユビキタス社会」などの名称で、様々なビジョンが語られてきた。 欧州においても、日本と同様に、社会の情報化についてのビジョンがしばしば語られてきたが、その時に使われる言葉は、シンプルに「情報社会」(information Society)ということが多い。
スペインの最大手の通信事業者であり、世界でも有数のグローバル・メガキャリアであるテレフォニカは、同社が事業を展開している国々において、経済的、社会的、文化的な発展に寄与する組織として「テレフォニカ財団」を設立している。 2012年1月25日、テレフォニカ財団は、「スペインの情報社会 2011年版」と題する報告書を発表した。 この報告書では、スペイン社会が、2011年の間に、「デジタル・ライフスタイル」の実現に向け大きく前進したことを強調している。 その理由は、単なるエンターテイメントにとどまらないデジタル・コンテンツの発達と、それがもたらす生活様式の変化にあるとしている。
例えば、教育、書籍及び新聞の購読、公的機関の諸手続きといった文化的・生産的活動におけるデジタル化が進行しており、電子書籍を読む人は昨年度比で53.7%増、オンライン新聞を読む人は38.7%増、公的機関での諸手続きをオンラインで行う人は36%増となっている。
また2011年にデジタル・フォーマットが最も発展した分野は、電子書籍、テレビ、携帯電話の三分野だった。電子書籍の売上は昨年度比で45%増、3Dテレビの売上は39%増、スマートフォンは38%増えた。
とりわけスマートフォンについては、英国とならんで欧州における先進国であり、すでに携帯電話の46.3%がスマートフォンである。 スマートフォンはデジタル・コンテンツのリーダーとして重要なデバイスになっており、ウェブブラウジングの14.5%、ゲームプレイの21.9%、電子書籍購読の2.4%がスマートフォン上で行われている。
それ以外には、100万人以上がソーシャル・ネットワークにリアルタイムで接続していること、中小企業と独立請負業者の5.5%がクラウドベースのサービスを利用し、4.4%がM2Mアプリケーションを使用していることなどが挙げられている。
ドイツ
ドイツテレコムのスマートハウス
ドイツテレコムは、スマートハウス向けプラットフォーム「スマート・コネクト」を2012年夏より本格的に市場投入する。 スマートハウスとはICT(情報通信技術)を活用した賢い住宅のこと。 その中核技術となるドイツテレコムのスマート・コネクトは、多様なホームマネージメントシステムを統合し、 カーテンや窓やシャッターやブラインドの開閉、照明のON/OFF、警報システム、家電機器や設備機器等を、 スマートフォンやタブレットを使って遠隔制御するソリューション/サービス。 顧客宅に「スマート・コネクト・ボックス」と呼ばれるデバイスを設置し、家庭で利用しているブロードバンド回線経由でクラウドサービスとの連携も図っている。
電力会社のE.ONとEnBW、家電メーカーのeQ-3とMieleがこのパートナーエコシステムに参加。 E.ONとEnBWは、家庭へエネルギーを効率的に供給することが可能になる。
ドイツテレコムは、電力分野を新たな戦略の柱とする方針を明らかにしており、現在、ドイツ南部の都市フリードリヒスハーフェンにおいてT-City「未来都市」創造プロジェクトを推進中、 その一環としてスマートグリッドの実証実験を実施している。
また、ドイツテレコムはスマートメーターの普及に向けた政策的な支援を政府に要請し、具体的なロードマップの策定と補助制度の創設を提言している。 ドイツでは、エネルギー経済法(EnWG)の改正を受け、2010年1月から新築及び大規模改修する建物にスマートメーターの設置が義務付けられた。 一方、EUでは2020年までに域内全世帯の80%にスマートメーターを設置するという目標を掲げている。
スペインなどは既に目標達成に向けた具体的なロードマップを策定しているが、ドイツにおけるスマートメーター設置は、 一部の都市で実施されている運用試験の段階にとどまっているのが現状で、目標期限までに国内の約4,000万世帯にメーターを設置することは難しいとされている。
ノルウェー
テレノール、ウィキペディアへの無料接続サービスを提供
2012年2月28日、ノルウェーに本拠を置き、欧州・アジア地域で電気通信事業を展開するテレノール・グループは、ウィキメディア財団との提携に基づき、 同財団が提供するオンライン百科事典ウィキペディアをモバイル端末から通信料無料で閲覧できるサービスを提供すると発表した。 現時点の主な対象は、アジア(タイ、マレーシア、パキスタン、インド)や南東欧(モンテネグロ、セルビア)におけるテレノール・グループのモバイル加入者1億3,500万人であるが、順次範囲を拡大していく計画である。
今回のイニシアティブは、世界数十億人にモバイル端末を通じたインターネット・アクセスの基本的機会を提供し、自由で開かれた知識へのアクセス拡大を目指すウィキメディア財団の戦略の一環に位置づけられる。 ウィキメディア財団のグローバル開発担当のNewstead氏「ウィキメディア財団は自由な知識に立ちはだかる障害を取り除いていく。 世界の多くの人はコストとアクセシビリティという二つの大きな障害に直面している」「今回の提携は世界中の人に知識を届ける歩みを進めるもので高く評価したい」と語った。
一方、テレノール・グループはウィキメディア財団との提携を、同社が進めているアジアのルーラル地域における付加価値サービス提供プロジェクトに合致するものとして歓迎している。 同グループのLund副社長は「今回の提携は、アジア地域に点在する未整備コミュニティに生活する数百万の人たちに知識の源を提供することになる」とコメントした。