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ブロードバンド

イギリス

英国のブロードバンドサービス市場の概要

英国のブロードバンド市場は、2008年頃まで堅調な拡大傾向を続けていた。しかし、2009年以降、英国経済の停滞と市場自体の飽和傾向が重なり、伸びが鈍化する傾向にある。

英国のブロードバンド市場における接続技術別のシェアは、2011年3月末時点で、DSLが76.65%、ケーブルが22.13%、WiMAXが0.16%、その他(光ファイバや衛星ブロードバンド)が1.06%となっている。

ブロードバンド市場プレイヤーは、2011年3月末の加入者シェア順に、(1)BTグループ、(2)Virgin Media、(3)TalkTalk (Tiscali UKを含む)、(4)BSkyB(EasynetとUK Onlineを含む)、(5)Orange UK(2010年7月にT-Mobile UKと合併してEverything Everywhereとなる)、(6)O2 UKとなっている。

Ofcomが2012年2月に実施したブロードバンドスピード調査 によると、一般世帯のブロードバンド下りスピードは7.6Mbpsで、2010年10-11月比で約22%速くなっている。消費者がより速い商品に乗換える傾向があり、2011年11月時点で英一般世帯ブロードバンド接続の約58%が下り最大スピード10Mbpsまたはそれ以上の商品を購入している。

イタリア

固定ブロードバンドからモバイル・ブロードバンドへの転換が増加

イタリアの携帯電話普及率は2004年に100%を超え、2010年末には約135%に達している。 加入者数は2011年もなお増加を続け、1月から9月の間に9,060万から9,160万となった。 加入者の約8割がプリペイド契約を利用しているが、サービス内容はポストペイドとほぼ変わりがない。 3Gサービスの加入者は2010年末ではEU加盟国最多で3,430万、全加入者の約41%である。 放送電波受信によるモバイルテレビサービスも他のEU諸国に先駆けて2006年に導入されている。

移動体通信では欧州最大の市場といえるイタリアであるが、固定サービスに対する一般の関心は比較的薄い。 EU統計局によれば、ブロードバンドの世帯普及率は2011年現在52%で、EU平均の68%を下回る。 この数年間固定電話回線は緩やかな減少傾向にあり、2010年9月~2011年9月の間に2,150万から2,110万となったが、 2011年6月にはADSL回線も減少に転じ、3か月間で約15万減って1,304万となった。 イタリアではケーブルによるインターネット接続サービスはほとんど行われておらず、ADSL以外にはFTTxやWiMAXが合計で30数万の加入者を得ていたが、こちらも29万強になっている。

モバイル・ブロードバンドについては、2011年半ばの普及率は42%で、EU諸国の中では中位に属している。 2011年後半の顕著な動きは、PC向けの3G接続カード利用の大幅な伸びで、2011年6月から9月の3か月で16.3%増加して521万から607万になった。 この動きは固定ブロードバンドの退潮傾向と同調しており、インターネット利用ネットワークの中心が移動へとシフトしていく兆しではないかと考えられる。

(注)文中の統計値で、特に注記のないものについては、伊通信事業者規制機関AGCOMによる。

ドイツ

800MHz帯LTEサービスはルーラル地域から開始

(1)ボーダフォン
ボーダフォン・ドイツは2010年9月に国内で初めてLTE商用サービスを開始した。 同社は2010年4月の周波数オークションで800MHz帯の無線免許を取得し、免許条件に応じて、固定ブロードバンドの未整備地域から優先的にLTEネットワークを構築している。

その後、デュッセルドルフなどの都市部でもLTEネットワークの構築を進めている。 これは、自社のDSL顧客のうち、数百万人をLTEに移行させる構想に従ったもので、同社によると、現在ドイツテレコムに対し多額の固定回線使用料を支払っており、 その使用料を回避すれば自社ネットワークへの投資ができると見通している。 また、LTEベースのTVサービスの提供も計画しているという。 2011年9月現在、同社のLTEカバレッジは国内の500万世帯で利用可能となっており、5万2,000人がLTEサービスに加入している。

2011年1月には、独エネルギー大手RWEとブロードバンド網整備に向けて協力することで合意。 RWEが持つガス・電力インフラ網を使って光ファイバー回線を敷設するもので、ブロードバンド空白地帯の解消に役立てる。 ボーダフォンは、RWEと共同で敷設した有線インフラに接続して基地局を設置することでLTEサービスを提供することが可能になる。 一方、RWEはスマートグリッドの通信ネットワークにボーダフォンの技術を活用できるメリットがある。 さらに、2011年7月には、光インフラ事業者euNetworksと提携し、ベルリン、フランクフルト、ハンブルク、ミュンヘンにおいて、euNetworksの光ケーブル回線をバックホールとして利用することに合意した。

(2)ドイツテレコム
LTE網の展開ではライバルのボーダフォンに独走を許しているドイツテレコムは、2011年7月、ケルンでLTEの商用サービスを開始した。 年内にベルリン、フランクフルト、ハンブルク、ミュンヘンなど100都市にサービスを拡大する計画である。 同社によると、500万ユーロを投資して、ケルン市内に100カ所の基地局を設置し、全長約120キロメートルにおよぶ光ケーブルを敷設。 ケルンのLTEネットワーク構築には1.8GHz帯が使用された。月額料金は最初の3カ月限定で74.95ユーロ。 なお、秋からサービスが始まるそのほかの都市では月額89.95ユーロとなる。

(3)E-Plus
国内携帯電話サービス第3位のE-Plusは2011年2月14日、3月末までにTD-LTEネットワークの実証試験を実施すると発表した。 この実証試験ではチャイナ・モバイルから技術ノウハウの提供を受け、無線基地局の設置はZTEに委託する。 また、LTE-FDDとTD-LTEの共存の可能性、TD-LTE用に最適な周波数帯の選定について検討する。

その後、E-Plusは、2011年3月14日に、LTEの実証試験を開始し、1.8GHz、2.1GHz、2.6GHzの3つの周波数帯について試験を行った。LTEサービスの開始時期については今のところ未定。 同社はLTEの本格導入に先駆けHSPA+ネットワ竏茶N構築を優先的に推進するとしている。

(4)テレフォニカ
国内携帯電話サービス第4位のテレフォニカO2は2011年10月にルーラル地域向けに800MHz帯を使用したLTEの商用サービスを開始した。 当面はブロードバンドゼロ地帯でDSLの代替サービスとして提供する予定で、ゼロ地帯の解消について連邦ネットワーク庁が求める条件をクリアした後、都市圏にサービスエリアを拡大する。

「O2 LTE for home」は、政府の国家ブロードバンド計画の一環として、ルーラル地域向けに価格を抑えたLTEのデータ通信プラン。最初の1年間は月額14.90ユーロ、それ以降は月額39.90ユーロとなる。 通信速度は最大7.2Mbpsだが、上限データ通信量の10GBを超えた場合、384kbpsに落とされる。

同社は2012年半ばまでにベルリン、ハンブルク、ミュンヘンにLTEネットワークを拡大し、同年第3四半期にはさらに10都市を追加すると見通している。またネットワーク構築コストを削減するために、 LTE用バックホール回線の共用について、他社と交渉中であることを明らかにした。

(5)800MHz帯の免許条件
連邦ネットワーク庁は、800MHz帯の免許条件として、ネットワーク事業者(免許人)に対してまずブロードバンドサービスの提供がほとんどされていない農村地域から優先的にLTE網を構築することを義務付けた。 2016年1月1日までにこれら農村地域での人口カバー率を90%に引き上げなければならない。 この際のLTE網の構築は人口5,000人以下の市町村から開始し、人口に合わせて段階的に実施される。 5,000人以下(第1ステージ)、5,000人~2万人以下(第2ステージ)、2万人~5万人以下(第3ステージ)、5万人以上の市町村(第4ステージ)と、順次エリアを拡大し、各ステージにおいて人口カバー率90%を達成した場合、次のステージに移ることができる。 なお、ネットワーク事業者はLTE網の構築で協業したり、周波数リースなどの2次取引が認められている。

シンガポール

シンガポールにおける固定ブロードバンド市場の動向

シンガポールでは2006年6月に発表した10か年情報通信マスタープラン「インテリジェント・ネイション2015」(Intelligent Nation 2015:iN2015)が終盤に差し掛かっている。 この約6年の間、国内のブロードバンド環境は大きく改善され、加入者は飛躍的に増大している。 IDA(情報通信開発庁)の統計によれば、2011年3月におけるxDSL及びケーブルモデム加入者数は約124万5,000であり、2007年3月からの5年間の加入者平均成長率は約12.4%に及んでいる。

固定ブロードバンド市場では、固定無線を中心に小規模事業者が全体の約45%の市場シェアを占めているが、有線のブロードバンド市場においては設備事業者のシングテル(24.6%)、 スターハブ(19.9%)及びM1(3.2%)、小売事業者のPacNet(4.2%)、QMax(3.1%)、が主要事業者となっている。 なお、これら主要事業者に限ればシングテルとスターハブが約8割強のシェアを有しており、有線ブロードバンド市場は事実上の複占市場となっている(TeleGeography資料より)。

これまでの有線ブロードバンド市場は、二大事業者が旧国営電気通信事業者のシングテルとケーブルテレビ配信の独占事業者であったスターハブであったため、 接続方式別の市場シェアはxDSLが約45.3%、ケーブルモデムが約54.7%(2011年3月末時点)とほぼ互角であった。 しかし、iN2015の一環として構築が進む「次世代全国ブロードバンド網(The Next Gen National Broadband Network: NGNBN)」はオープンアクセスの卸売FTTHサービスとして提供されるため、 今後の市場は、新規参入事業者も含めた、より競争的な環境へと移行することが予測されている。

NGNBNは2011年11月末時点で約83%の全国カバレッジで稼動しており、2012年中にこれを95%にまで拡大する予定である。また、NGNBNへの加入者は2012年1月に総計10万に達し、 世帯普及率にして約10%に及んでいる。NGNBNへの加入は2011年12月には月当たり約3,000件であったのに対し、2012年12月には月当たり約1万3,000件にまで増加しており、 設備運用事業者であるOpenNetは2013年初頭には総加入者数を全世帯の約25%にまで拡大させたい意向である。

台湾

事業者間の競争激化によりブロードバンド・サービスの発展が加速

台湾行政院は2010年12月、「デジタル融合発展方案(2010~2015年)」を承認した。 同方案では、2015年までの固定ブロードバンド・サービスに関する数値目標として、100Mbpsの固定ブロードバンド・サービス利用世帯を80%に、また、FTTx世帯数を600万(後に750万に引き上げ)にするとしている。 これに対応して、2011年以降、通信事業者及びCATV事業者が相次いでブロードバンドの高速化に取組んだ。

通信事業者最大手の中華電信は2011年6月、通信放送委員会(NCC)の実施許可を得てブロードバンド・サービスの高速化・値下げを行った。 その結果、20Mbps以上の光ファイバ・ブロードバンド・コース料金は最大で3割以上の値下げとなり、50Mbpsコースは月額999NT$、100Mbpsコースは月額1,399NT$で利用できるようになった。 また、同社は、今後3年間に1,000億NT$を投資し、ブロードバンドの更なる高速化を図るとしている。

これに対抗して、CATV事業者最大手の凱擘(Kbro)は2011年12月、月額889NT$で利用できる60Mbpsブロードバンド・サービスの開始に踏み切った。 背景には、中華電信の値下げで、ADSLユーザだけではなく、ケーブル・モデム利用者からの切り替えも少なからずあったからである。

凱擘は60Mbpsブロードバンド・サービスのカバー範囲は営業エリアの92.5%に達しているとしており、中華電信の更なるサービスの高速化に備え、2012年には、100Mbpsの光ファイバ・ブロードバンド・サービスも打ち出す予定であるとしている。

また、CATV事業者2番手の台湾大寛頻も同時期に、同じく月額889NT$で60Mbpsコースのサービスを打ち出した。

ちなみに、2011年10月末現在、固定ブロードバンド・サービス加入者数の合計は546万となっており、このうち、ケーブル・モデムは101万で、初めて100万を突破した。 その他の方式として、ADSLは213万、専用線は2万強で、FTTxは225万である。

中国

固定ブロードバンドの高速化が加速

工業・情報化部のデータによれば、2011年末における中国の固定ブロードバンド加入世帯数は1億5,600万に達した。このうち、約84%が2Mbps以上のサービスを利用しているという。

2010年以降、固定通信分野大手の中国電信と中国聯通が相次いでブロードバンドの高速化に力を入れ始めた。 背景には、同年1月に国務院(内閣相当)が「三網融合」を加速させるための「工程表」 を公表したことで、 トリプルプレイを巡る通信と放送事業者間の競争が激化するとの見方が強まったからである。 固定通信事業者らは既存ネットワークの高速化を通じて、トリプルプレイ・サービスの本格展開に向けて布陣しようとしている。

2011年2月に、中国電信は「ブロードバンド中国・光ネットワーク都市」プロジェクトをスタートさせた。 2013年までに同社の主戦場である南方21の省・市・自治区にある都市において、最高で100Mbpsに達するサービスをはじめ、 平均では20Mbpsを上回るサービスを順次導入するとしている。2011年末現在、同地域において既に70%の世帯に20Mbpsのサービスを提供可能となった。 また、これまで同社の勢力が比較的弱い北方の各省・市・自治区においてもサービスを強化していく方針を打ち出した。 例えば、内モンゴルにおいて、2011年末現在、既に20~100Mbpsのサービスを提供できるようになっており、2015年までには、300万世帯加入の獲得を目指す。

一方、中国聯通の場合、2011年6月末時点におけるブロードバンド加入者数は5,232万で、このうちの35%は4Mbpsに達する接続速度のサービスを利用しているという。 同社は2012年に入り、ブロードバンドの更なる高速化を全国で展開すると発表した。 計画では、今後3年間、一部の重点都市では、100Mbpsに達するサービス、またその他の都市部では、10~20Mbpsのサービスを順次普及させていく。 その一環として、2012年2月から、北京での無料高速化が開始した。具体的には、512Kbpsを1Mbpsに、1Mbpsを2Mbpsに、2Mbpsを10Mbpsにそれぞれ、無料でアップグレードする。

(注)「三網融合」は、電話網、放送網(CATV)、インターネット網の三つのネットワークを統合することで、トリプルプレイ・サービスの提供を目指しているが、 制度上の統合が最大のネックとなっている。国務院は、2010年1月に、「三網融合」を加速させる「工程表」を決定した。 それによれば、まず、2010年から2012年は、放送と電気通信サービスの双方でテストを行ない、融合が円滑に展開できる政策システム及び体制メカニズムを模索する。 そして、2013年から2015年は、テストの経験を総括した上で、融合を全面的に実現するのに適応したメカニズムと体制を確立させるとしている。

パキスタン

有線と無線が競争しながら立ち上がりつつあるブロードバンド市場

パキスタンのブロードバンド市場は成長しつつあるが、2010年度末時点のブロードバンド普及率は0.66%、2011年5月末時点のブロードバンド加入者数は139万とまだ初期段階である。 政府がブロードバンド参入促進のため免許条件を緩くした結果、WiMAXとEV-DO方式利用の無線ブロードバンド事業者の参入が相次ぎ、これらの無線ブロードバンド事業者と有線ブロードバンド事業者間の競争が繰り広げられている。 2011年5月末時点の接続方式別ブロードバンド加入者割合は、DSLが49%、WiMAXが28.5%、EV-DOが21%、HFCが3%である。 FTTHはまだ1%未満である。

ブロードバンド市場の主要事業者はPTCLとWateen、WorldCallがビッグ3であり、2011年6月時点では3社が加入者基準で市場の約7割を占めている。 WiMAXには2007年以降、Wateen Telecom、Wi-Tribe等複数事業者が参入している。

パキスタンのブロードバンド普及水準が加速化するには、ルーラルエリアへのアクセス、低い識字率、国内コンテンツやアプリケーションの不足、といった課題の解決が必要であり、ブロードバンド普及加速化にはまだ時間がかかりそうである。

オーストラリア

オーストラリアにおける固定ブロードバンド市場の動向

オーストラリアの固定ブロードバンド加入者は2006年度の約309万から、2010年度には517万に増加しているが、同期間における平均成長率は約7.3%と堅調な成長に留まっている。 また、普及率についても、広大な国土や人口分布の偏在が大きいこともあって他の先進国に比して停滞気味で、OECDの2011年6月時点の調査によれば約24.0%であり、 加盟国全体の平均25.1%を下回る状況にある。

2010年度における固定ブロードバンド小売市場のシェアはテルストラが41%、オプタスが16%と二大通信事業者で市場の過半を占めている。 しかし、iiNetやTPGに代表される独立系ISP群の市場シェアが拡大しており、二大通信事業者のシェアは前年度比で約4%縮小し、市場が競争化する傾向にある。 また、2011年度の接続方式別の加入者数は、DSLが約443万であるのに対しケーブルモデムが約88万に留まっており、DSLが圧倒的多数となっている。

DSL市場ではアンバンドリングサービスが増加する傾向にあり、2010年度の約156万加入から2011年度には約172万加入へと約10%の増加となっている。 ただし、他方でテルストラからの卸売サービス(テルストラ自体の小売サービスも含め)が市場全体の約62.3%を占めており、 ケーブルモデム市場が小さいことも含め、依然としてテルストラの市場支配力は非常に大きい。

このような市場環境の中、政府は全国域で光ファイバ網を新規に構築する計画「全国ブロードバンド網(National Broadband Network: NBN)」計画を始動させた。NBNは設備運営事業者NBN Coにより、オープン・アクセスのFTTH卸売サービスとして提供され、 これを使用する小売事業者は同条件の競争環境で事業を行うことになる。また、DSL市場においても、NBN構築にあたりNBN Coに対しテルストラの銅線網の使用権を与えることに関連して、テルストラを小売部門と卸売部門に構造分離することが決定し、 テルストラとその他事業者が小売サービス市場で同条件で競争を行うことが可能になる。したがって、今後、オーストラリアの固定ブロードバンド市場では市場競争が本格化することが予測され、このことが停滞する普及率に関しても好影響を与えることを期待されている。

ニュージーランド

ニュージーランドにおける固定ブロードバンド市場の動向

ニュージーランドの固定ブロードバンド加入者は2006年度の約47万から、2010年度には109万に増加し、同期間における平均成長率は約23.4%となっている。 普及率については、他の先進諸国と比べ停滞の傾向にあり、2010年12月時点でOECD加盟諸国全体の平均普及率である24.9%と同じ普及水準となっている。

2010年度における固定ブロードバンド小売市場のシェアはテレコム・ニュージーランド(テレコム)が44.3%、テルストラクリアが19.9%と二大通信事業者で市場の過半を占めている。 その他の事業者としては独立系ISPであるCallPlus、Orcon、あるいは移動体通信事業者ボーダフォン・ニュージーランドの固定部門がそれぞれ10%前後の市場シェアを有している。

ニュージーランドでは、オークランド(約131万)、ウェリントン(約38万)、クライストチャーチ(約38万)の3大都市を除いて、都市が万単位での人口で全国に分散しているため、新規参入事業者によるネットワーク構築は非常に採算性が低い。 よって、ケーブルモデム接続の市場シェアは1.4%と極端に小さく、通信事業者間の設備競争はほぼ不在で、固定ブロードバンドの接続方式はほぼDSLで占められている。加えて、DSL接続市場ではアンバンドリングによる設備開放が未だ不十分なことから、テレコムの小売・卸売を含めたシェアが約87%と高く、同市場は極めて独占的な市場である。 この結果、固定ブロードバンドの料金水準は高止まる傾向にあり、普及率が停滞する要因となっている。

このような市場環境の中、政府は全国域で光ファイバ網を新規に構築する計画「超高速ブロードバンド(UFB)イニシアティブ」を始動させた。 UFBネットワークは政府の設立する持株会社クラウン・ファイバ・ホールディングス(CFH)の傘下におかれる地域ファイバ事業者(LFC)が、担当地域別に構築する光ファイバ網であり、FTTH市場では、間接的ではあるものの、設備競争が生じることとなる。 また、LFCは卸売サービス事業者としてFTTHをオープンアクセスで小売事業者に提供するため、ISPによるサービス競争の促進も期待される。 したがって、今後、ニュージーランドの固定ブロードバンド市場では市場競争が本格化することが予測され、このことが停滞する普及率に関しても好影響を与えることを期待されている。