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注目のICTトピック

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    FCC、固定ブロードバンドの基準速度を100/20Mbpsに引き上げ

    2024年3月14日、FCCは、高速固定ブロードバンドの基準となる速度を下り100Mbps、上り20Mbpsへと引き上げることを決定した。2015年に設定されたそれまでの基準は25/3Mbpsであり、今回4倍に引き上げられたこととなる。 

    FCCは、1996年電気通信法第706条により、高度電気通信能力が合理的かつ時宜を得た様式ですべての米国民に配備されているかを毎年査定する報告を作成し、議会に提出することが義務付けられており、この決定もその中で講じられた措置となる。FCCは、報告作成の検討において、配備に加えて、ブロードバンドの手頃な料金、普及、可用性、同等のアクセスについても考慮している。 

    FCCは、高度電気通信能力の固定速度基準の引上げを決定するに際して、特に「高度」な能力に着目し、FCCを含む複数の連邦政府機関及び州が運営するブロードバンド向け補助金プログラム(国家電気通信情報庁(NTIA)が運営する総額400億ドル超のブロードバンド公平性・アクセス・配備(BEAD)プログラムや、FCCのユニバーサルサービス基金(USF)プログラム等)で使われる基準や、議会によるアクション、消費者利用パターン、そして、市場でインターネット接続事業者(ISP)が販売する実際に利用可能な商品といった、ブロードバンドのニーズや実際の使い方、配備も検討した。FCCは、この固定速度基準引上げ決定は、関係者から寄せられたコメントや消費者からも圧倒的な支持を得ているとしている。 

    今回の報告は、高度電気通信能力は、かかる能力へのアクセスを持たない米国民、ルーラル地域に居住する米国民、部族居留地の居住者の合計で見ると、また、配備におけるこれらの格差が十分迅速には埋まっていないという事実に鑑みて、合理的かつ時宜を得た様式で配備されていないと結論付けている。 

    今回の報告は、FCCのより広範な取組みとなる、ブロードバンドデータ収集(Broadband Data Collection:BDC)において、事業者から提出された配備データに基づく初めてのものとなる。 

    2022年12月末時点の主なデータは次のとおり。 

    • 100/20Mbpsの固定地上ブロードバンドサービス(衛星除く)は、およそ2,400万の米国民に物理的に配備されていない(28%近くのルーラル地域の米国民、23%以上の部族居留地居住者を含む) 

    • 35/3Mbpsの移動5G-NRカバレッジは、およそ9%の米国民には物理的に配備されていない(36%近くのルーラル地域の米国民、20%以上の部族居留地居住者を含む) 

    • 4,500万の米国民は、100/20Mbpsの固定サービスと35/3Mbpsの移動5G-NRサービスの両方へのアクセスを有していない 

    • 生徒及び職員1,000名当たり1Gbpsという新たな学校・教室向けの短期のベンチマークについては、74%の学区が達成 

    さらに、今回の報告は、よりよい、より高速な、よりロバストな米国消費者のための通信システムに向けて努力するという関係者共通の目標として、1Gbps/500Mbpsというブロードバンド速度の長期目標も掲げている。 

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    • ドイツドイツ
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    連邦議会、オンラインアクセス法を改正

    ドイツ連邦議会は、2月23日、オンラインアクセス法の改正法案(OZG 2.0)を可決した。この法案は、行政のさらなるデジタル化のための枠組みと、ユーザーフレンドリーで完全にデジタル化された手続きのための基盤となる。また、これにより行政の標準化が進み、オンライン行政サービスが幅広くなり、エンドツーエンドのデジタル化が原則となる。さらに、連邦、州、自治体に対し、継続的なデジタル化への取組みが義務付けられる。

    具体的には、BundID(連邦ID)とデジタルメールボックスを基礎に、市民にデジタル行政を利用する権利と個人データが行政にどのように使われたかを確認できる権利を確認するとともに、行政手続きのデジタル化や申請者の同意を前提に再入力不要を前提とする。

    なお、現在は手書きの署名が必要な手続きも残っているものの、将来的にはデジタル完結を目指す。

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    • スペインスペイン
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    スペイン政府、オレンジとマスモビルの事業統合を承認

    スペイン政府は2024年3月、国内サービスシェア2位のオレンジスペインと同4位マスモビルの事業統合を承認した。この事業統合により、固定ブロードバンド730万加入、モバイルサービス3,000万加入、TVサービス220万加入を擁するスペイン国内最大の通信事業者が誕生する[1]。両事業者は、2022年7月に各50%を出資する合弁会社を設立することで合意。その後、欧州委員会が市場競争の阻害の可能性を指摘し、2023年4月より調査を実施していたが、2024年2月に欧州委員会が本事業統合を承認し、これを受けてスペイン政府による事業統合の承認に至った。
     
    当初、欧州委員会は、競争事業者の減少や市場シェアの増加による新通信事業者の市場支配力の強化に対し懸念を示していたが、2023年12月に、ルーマニアを拠点に欧州で通信事業を展開するDigiコミュニケーション社の現地MVNO子会社Digiスペインが、事業統合後に余剰となるマスモビルの周波数帯域を買収する協定を締結したことを発表[2]。これによりDigiスペインは1800MHz帯(10MHz幅×2)、2100MHz帯(10MHz幅×2)、3500MHz帯(20MHz幅)をマスモビルから取得したほか、マスモビル及びオレンジとローミング協定も締結し、移動体通信市場への新規参入の条件を整えたため、欧州委員会は、市場競争が阻害される懸念の払しょくが見込まれると判断し、事業統合を認めた[3]
     
    オレンジスペインによれば、2024年第1四半期末までに、事業統合に関するすべての手続きを完了する予定。事業統合後は、年間4億5,000万ユーロの相乗効果が期待できるとして、5G及び光ファイバー網に集中的に投資を進める意向を示している。

     

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    4月の総選挙目前に端末割引拡大を急ぐ政府

    高止まりするスマホ端末料金引き下げのため、この10年間端末補助金競争を規制してきた端末流通法の廃止方針を今年初めに政府が発表するや否や、ケータイショップでは既に端末割引競争が始まった。現在の国会は野党多数のねじれ国会で与党案が通りづらく、さらに4月の国会議員選挙で国会勢力図が変わる可能性もあり、端末流通法廃止がスムーズに進むのかは見越せない。一刻も早く端末割引拡大に向けたマーケティング競争を促進するため、国会審議を経ずに制度改正が実行できる、下位法令の施行令と告示が3月に相次いで改正された。

    3月から即施行された制度改正最大の目玉として、MNPを利用した際の新たな端末割引として、最大50万ウォン(約5万5,000円)までの転換支援金が導入された。転換支援金は3月中旬から適用が開始されたが、端末機種や加入プランごとに割引適用額は異なり、現時点では新割引導入メリットの実感は薄い。総選挙を控え、政府は端末価格引き下げの成果を強調するべく、通信キャリア3社に割引幅拡大の「お願い」をしている状況。しかし、キャリア側ではマーケティング費用を簡単に拡大することには難色を示している。

    なお、今回の制度改正についてMVNO業界は懸念を表明しており、政府は今後MVNO業界と密接にコミュニケーションをとりながら、MVNO保護対策をまとめる予定としている。今回は特に総選挙を目前に控えていることもあり、政府が端末補助金割引拡大を急いだことは、どうしても政界の事情優先が垣間見えてしまう。

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    「世界の半導体製造地」を目指すベトナム、2024年より半導体国家戦略を実行 

    米中摩擦と台湾有事への懸念から、半導体サプライチェーンの中心地が徐々に東南アジアへとシフトしつつある。これまではシンガポールやマレーシアが同地域におけるハブとして知られていたが、新星として注目を集めるのは、半導体産業を国家基幹産業に位置付けたベトナムである。 
     
    ベトナム政府は2023年末に同国初となる「半導体国家戦略」を起草。ベトナムを2030年までに世界的な半導体製造地にするという目標の下、2024年より具体的な施策を開始する予定である。既存プロジェクトも含め、同国の半導体分野における主な施策の内容や目標は以下のように整理される。 

    <エコシステム形成> 
    *2023年10月に「半導体イノベーション・ネットワーク」を正式発足した。同ネットワークは半導体産業の主要プレイヤーで構成され、信頼できる半導体エコシステムの形成に取り組む。 
    *2023年11月に国家イノベーションセンターを開設した。米半導体設計大手のシノプシス及びケイデンスと協力し、同センター内に半導体設計センターも開設した。 
    *2025年末までにハノイ市、ホーチミン市、ダナン市にそれぞれ半導体設計研究センターを開設する。 

    <人材育成> 
    *2030年までに半導体設計エンジニアを5万人育成する。 
    *ダナン市に半導体とAIに特化した研究・教育センターを設立する。 
    *主要大学に半導体専攻学科を新設し、2024~2025年度から学生を募集する。 

    <企業誘致・育成> 
    *特定の基準を満たす国内外の半導体企業に税制優遇措置や資金援助措置を講じる。 
    *国内半導体産業のための基金を創設する。 
    *国営通信事業者4社が半導体研究開発で主導的な役割を果たす。 

    なお、複数の国がベトナムに注目しているが、特に動きが顕著なのは米国である。バイデン大統領がベトナムを訪問した2023年9月には、両国の2国間関係をベトナム外交上最高位の「包括的戦略パートナーシップ」に格上げし、半導体サプライチェーンの強靭化に向けて協力関係を深めていく方針が発表された。具体的には、米半導体企業が人材育成や拠点設立を通してベトナム半導体産業の支援を図るとした。既にアムコー・テクノロジーやマーベル・テクノロジーがベトナムに生産・研究開発拠点を設けており、NVIDIAも拠点開発を検討しているところである。 

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    オンライン安全のための産業コードに「検索コード」が追加

    ネット安全(eSafety)コミッショナーは、3月12日付けで検索エンジンを対象とした産業コードが発効したことを発表した。

    この通称「検索コード(search code)」の発効により、グーグルやBingなどの検索エンジンには、児童性的虐待に関連するコンテンツが検索結果に表示されるリスクを排除し、また有害コンテンツのディープフェイク生成などにAIが悪用されないようにするための措置を取ることが義務付けられる。

    検索コードは、オンライン業界における複数の分野をカバーする内容となっており、既に導入されているソーシャルメディア、アプリストア、ISP、ホスティングプロバイダ、端末製造者及び供給者の五つの分野の産業コードと共に運用されることとなる。

    eSafetyは、同コードについて、策定期間中に検索エンジンへ生成AIが組み込まれるなど、急速な技術の進化に対応するため、業界団体や関連企業と緊密に協力した成果であることを強調、加えて、大手検索エンジンが同コードを遵守しない場合、重大な罰則を科すことも可能であるとした。

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国別・地域別トピック

国別・地域別トピック

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    欧州委員会が欧州デジタルインフラ政策の方向性案を提示

    欧州委員会は2月21日、欧州デジタルインフラ政策の今後の方向性案をまとめた白書を公表した。白書は、2024年6月30日まで意見を募集し、その結果を踏まえて今後のデジタルインフラ政策が決定される。

    白書では、将来のデジタルインフラの展開に関して、欧州が現在直面している課題を分析し、投資の誘引、イノベーションの促進、セキュリティの向上、デジタル単一市場の実現に向けた実施事項の方向性案を提示。具体的には、以下の三つの柱に基づく政策シナリオを提示している。

    1. 「3Cネットワーク」の構築:欧州のイノベーターコミュニティを育成し、統合されたコネクティビティとコラボレーティブ・コンピューティング・インフラを発展させることを目指し、通信事業者のクラウド・エッジ向けのエンドツーエンドの統合インフラ・プラットフォームを立上げるために3C(コネクテッド・コラボレーティブ・コンピューティング)ネットワークを創る。

    2. デジタル単一市場の完成:電気通信事業者がデジタル単一市場の全ての恩恵を受けることができるよう、電気通信セクターとクラウドセクターの統合を踏まえた規制枠組みの見直しや、許認可プロセスや周波数割当てプロセス、卸ネットワークへのアクセス政策のEUレベルでの統一を図る。

    3. 欧州のための安全かつ強靭なデジタルインフラ:物理的インフラ(バックボーンインフラ等)の安全性を確保するため、ポスト量子暗号(PQC)や量子鍵分散(QKD)の活用や、海底ケーブルインフラの戦略的強化を進める。

    欧州委員会は併せて、「海底ケーブルインフラの安全性と強靭性に関する勧告」を公表。同勧告は、セキュリティリスクの評価と緩和措置に関するEU域内の調整の向上、ケーブル・セキュリティ・ツールボックスの策定、許認可手続きの合理化等を図ることで、海底ケーブルの安全性と強靭性を強化することを目的としている。

    携帯電話事業者の業界団体であるGSMAは同日、この欧州委員会による白書(特にネットワークへの投資活性化に係る方向性)に対して支持を表明している。

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    内務省による移民GPS監視の試験運用がデータ保護法違反 

    情報保護機関である情報コミッショナーズオフィス(ICO)は、内務省による移民のGPS電子監視の試験運用が英国データ保護法に違反していたとして、施行通知と警告を発出した。同試験運用は、最大600人の移民に足首にタグを付け、GPSで居場所を追跡し、拘禁の代替手段としての電子監視の有効性を評価することを目的としていた。 

    ICOによると、内務省は、同試験運用において、どのようなデータを収集するのか、またその理由について明確な情報を移民に提供していなかった。また、継続的な位置追跡に関するプライバシーリスクを適切に評価せず、正当な理由を欠くとともに、弱い立場にある個人への潜在的な影響を考慮していなかった。 
     
    同試験運用は2023年12月に終了したが、データが削除または匿名化されるまで、収集された個人情報へのアクセスが可能で、内務省や第三者機関による悪用に対する懸念が生じている。 

    ICOは、内務省に対し、収集されたデータに関連する内部方針、アクセスガイダンス、プライバシー情報を更新するよう施行通知によって命じるとともに、今後同様の処理が行われた場合は強制措置をとると警告した。 

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    Ofcom、コミュニティラジオ局の規制緩和に関する公開諮問を開始

    英国の通信庁(Office of Communications:Ofcom)は2024年3月22日、コミュニティラジオ局に対する規制要件の一部を簡素化・合理化することで、サービスが地域コミュニティに社会的利益を提供することに集中できるようにすることを提案した(注1)。 

    FMまたはAM(アナログ)で放送されるコミュニティラジオサービスは、非営利ベースで社会的利益やその他のコミュニティ利益を提供している。 

    各局は、免許に記載されたサービスを提供することが義務付けられており、それは免許の申請手続き中に行った提案に基づいている。コミュニティラジオの免許に記載されているこれらのサービス内容は、「主要コミットメント(Key Commitments)」と呼ばれている。本公開諮問では、アナログコミュニティラジオ局の主要コミットメントを合理化・簡素化する提案について意見を求めている。 

    具体的には、放送局が提供しなければならないサービスが説明されている主要コミットメントについて、より柔軟性を持たせるために、コミュニティラジオ免許を改正することについて諮問している。 

    現在の主要コミットメントの形式は、特定のクオータ(quotas)に重点を置きすぎており、サービスの性質や社会的利益の要件から焦点が離れていると、Ofcomは考えている。また、コミュニティラジオ部門からは、過度に規範的な主要コミットメントによって、サービスの重要な側面からリソースが削がれる可能性が指摘されている。 

    そこでOfcomは、サービスの包括的な性質を保護するために適切なルールが維持されることを保証しつつ、免許人がコミュニティにサービスを提供する最善の方法を柔軟に決定できるようにすることを検討している。そのため、Ofcomは以下の特定のクオータを撤廃することを提案している。 

    *放送する番組の種類(例えば、音楽やスピーチの主な種類)。 
    *毎週放送するオリジナル番組の時間数。 
    *地元で制作された番組の時間数。 

    また、Ofcomは、英語以外の言語で放送する放送局については、当該言語がサービスの性質にあわせて指定されることを保証するための特別な保護措置も提案している。Ofcom提案に対するパブリックコメントの締め切りは、2024年6月13日となっている。 

    (注1) 
    https://www.ofcom.org.uk/consultations-and-statements/category-1/community-radio-future-approach-to-key-commitments 

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  • 仏通信事業者協会(FFT)は、放送番組のインターネット基盤での配信につき、配信コスト負担が国内IPTV事業者に偏っているという調査結果を発表、アプリを通じてWebストリーミングサービスを行うOTT(Google、Apple等)やスマートTVメーカー(Samsung等)、ストリーミングデバイスメーカー(Apple、Amazon等)にも応分の負担を課すべきであると主張した。仏通信事業者は、IPTVサービスでの番組配信につき、番組制作・編集事業者*と協議、デジタル配信技術、アクセシビリティ、未成年者保護等、番組の質を維持するために適切な配信コストを負担している。 

    近年は放送コンテンツのWebストリーミング利用が急増しているが、そこで中心的な役割を果たすOTT事業者等はほぼ国外事業者である。番組制作・編集事業者は、Web市場での支配力が高いOTT事業者とアプリ配信契約を結んでいるが、アプリ配信事業者等は、国内法の適用を受けずに自社のプラットフォームで番組を配信するため、番組の質の担保はインターネット基盤を提供する通信事業者が負う構図になっている。 

    *フランスでは番組制作・編集を行う事業者と住民に番組を配信する事業者が法的に分離されており、前者が「放送」、後者が「通信」の位置づけになっている。 

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    ラ・ポスト、携帯電話事業子会社を売却予定 

    仏郵便事業体ラ・ポストは、傘下の携帯電話事業子会社ラ・ポスト・テレコム(La Poste Telecom)の保有株式をすべて売却すると発表している。2月22日、フランスの複合企業ブイグ(Bouygues)傘下のブイグ・テレコム(Bouygues Telecom)が9億5,000万ユーロで買収する独占契約をラ・ポストと結んだと発表した。 

    ラ・ポストは、2011年に仏大手通信事業者SFR傘下の仮想移動通信事業者(MVNO)デビテル(Debitel)と提携して携帯電話事業会社ラ・ポスト・テレコムを設立した。同社は、ラ・ポストが株式の51%を保有し、49%をSFRが保有している。同社の提供する携帯電話サービスはラ・ポスト・モビル(La Poste Mobile)として、順調に加入者数を伸ばし、現在は230万人の顧客を抱え、接続数で、国内の携帯電話ネットワーク事業者4社に次ぐ5位にランクされている。親会社のラ・ポストは、ラ・ポスト・モビルの成功の要因に、「1万7,000の郵便局ネットワーク」や「ラ・ポストのブランドに対する信頼」をあげた。 

    今回のラ・ポストによる株式売却に際しては、ブイグ・テレコム、フリー(Free)、オレンジ(Orange)が確定的入札書を提出した。ラ・ポスト・モビルの価値は6億~7億5,000万ユーロと評価されていた。 

    ブイグ・テレコムによると、この契約には、ラ・ポスト・グループ、ポスト銀行、ラ・ポスト・テレコムが関与する独占的販売提携契約も含まれているという。また、ラ・ポストは、ラ・ポスト・モビルのブランドは維持されることを望んでいる。 

    残り49%の株式を所有するSFRが、保有株式を100%に引き上げる可能性もあるが、SFRの親会社であるアルティス・フランス(Altice France)の債務状況によっては、保有株式をすべて売却するという可能性もある。 

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    AIGCの導入によるAI・メディアの融合が加速 

    中国移動(北京)はこのほど、中国共産党中央委員会機関誌の人民日報と共同開発した「AIGC(人工知能生成コンテンツ)編集部」ソリューションを運用開始した。ニュースの収集、原稿執筆、編集、発行のほか、高度にスマート化された機能により、シナリオに沿った文章作成や、画像生成、AIペイントといった革新的なサービスを提供することができる。その中でも、シナリオに沿った文章作成機能は、短文やいくつかのキーワードを入力するだけで、一段落の文章へと展開することができ、10種類以上のシナリオのテンプレートに対応し、校正とワンキーのエラー修正機能も備えている。 

    これまで、人民日報の中国語アプリ、動画アプリ「視界」、SNS微博(Weibo)の法人アカウント、人民網などの新聞社のすべてのメディア・マトリクスで、200人以上が「AIGC編集部」を使ってライブ配信の編集および創作を行い、関連AI機能の利用は800時間近くとなり、AI画像生成は300枚を超えた。また、「AIGC編集部」は人民日報の編集担当と記者向けに、メディアリソースの検索、トピックの提案、インテリジェントな原稿作成と要約、および効率的で正確なコンテンツ・コンプライアンス審査機能を提供することができ、時間と人件費が大幅に削減された。 

    他方、2024年の中国両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)の報道で、テレビ局の上海広播電視台がAIGCアプリケーション統合ツールのScube(智媒魔方)の使用で注目されている。 

    Scubeには、マルチモーダル素材の認識、横画面と縦画面の相互変換、スクリプトの自動生成、多言語の自動翻訳、ビデオの自動編集など、さまざまなAI機能を統合しており、現場でのライブ・コンテンツの整理、ニューメディアへのコンテンツの制作と伝送、ニュースの作成、現場でのライブ・コンテンツの翻訳、指定されたビデオ・クリップの抽出、字幕の作成などのサービスを提供することができる。このアプリの導入で、両会の資料収集・処理時間と制作費が大幅に節約でき、記者によるニュースの深堀や、取材内容の充実に当てる時間と労力の増加につながったと評価されている。 

    また、直近では、AIスタジオを設立したテレビ局も増えており、メディア分野へのAIの試みが活発化しつつある。 

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    2500-2600MHz帯、3700-3800 MHz帯オークションを実施し落札者決定 

    2024年3月9日、加入者数が最大の移動体通信事業者Vittelが2500-2600MHz帯の利用権を落札したことを発表した。利用期間は15年で設定されており、政府が定めた最低落札価格は3,983億ドン(約24億3,500万円、1円=163.6ドン)だった。Viettelの他3社が応札していることが発表されている。 

    また、3月19日にはインカムベント事業者のVNPTグループが3700-3800MHz帯の利用権を落札したことが発表されている。 

    12か月以内にサービスの提供を開始し、3,000基以上の基地局を整備する条件が落札者に課せられている。ViettelもVNPTも試験免許で5Gサービスを提供しているので、正式に商用が開始されることになる。また、年内に国土全部を5GでカバーするとViettelは発表している。 

    昨年実施した周波数オークションは不調に終わったが、最低価格の値下げや100MHz幅を一括提供が功を奏した模様である。さらに3800-3900 MHz帯のオークションが計画されている。 

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    世界の121の通信事業者が5G SAに投資

    GSA(Global mobile Suppliers Association)が2023年10月に発表したレポート(「5G Standalone:Global Status Update」)によると(注1)、世界で55の国・地域の121の通信事業者が公衆5G SAネットワークに投資し(導入計画、テスト、免許取得等を含む)、5G SAに投資している通信事業者の割合は全体の20.9%となっている。公衆5G SAネットワークを開始したのは27か国の少なくとも47事業者で、その他に21の事業者が整備中、49の事業者が計画中となっている。また、5G SAサポートデバイスは2,005台で、うち60%が携帯電話となっている。

                              

    なお、5Gサービスをソフトローンチしたのは114か国の300事業者、5G FWAサービスを開始したのは152の事業者となっている。
     
    世界的に5G SA採用が遅れている理由は高コストで(移行にはハードやソフトへの多額の投資が必要)、他に相互運用性、市場の需要等が挙げられている。また、実証済みのユースケースの出現を待って5G SAに投資したいとする事業者もあると報告されている。
     
    (注1)
    https://gsacom.com/paper/5g-standalone-october-2023-summary/


     

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