ベトナム

モバイル

4G携帯電話免許を3社に交付

ベトナム情報通信省は、2016年10月28日にVNPT傘下のVinaPhone、10月31日にMobifone 、11月4日に加入数第一位のViettel Mobileに4G携帯電話の事業免許を交付した。

これまで、ベトナム政府は時期尚早として、4G免許交付に時間をかけてきた。その間に各社それぞれのサービス提供準備が、進められてきた。

VinaPhoneは、2017年1月までにHCMCとハノイ及び10の省で4Gサービスを開始するとしている。Viettelは、2015月にブンタウで開始したトライアルをHCMCとハノイに拡大しており、さらにはラオスと東チモールにおいても4G携帯電話サービスを提供している。Viettelは、2017年の上半期に4G網の全国展開を予定している。

Mobifoneについては、免許当日に、1月にサービス提供の詳細を発表するとしたが、サービス展開の告知は競争戦略上、他二社に追随し、早めざるをえないだろう。

政府は、Global Telecommunications Corporation (Gtel)に対しても、免許する予定である。また、もう一社トライアル免許を受けているFPTについては、2016年11月時点で交付時期は未定とされている。

(2016年11月)

4Gトライアルの進展

ベトナムでは、2016年秋から2017にかけて4G携帯電話事業免許が交付される予定だが、7月1日に加入数第二位のMobiFoneがハノイ、ダナン、HCMCでのトライアル提供を開始したと公表した。

トライアル免許を受けているのは、MobiFone以外では、最大手Viettel、VNPT傘下のVinaPhone、および純粋民間資本のFPTの3社である。

Viettelは、昨年12月にブンタウで開始したトライアルをHCMCとハノイに拡大し、VinaPhoneは、1月にHCMCで開始したトライアルをハノイに拡大している。FPTについては、まだ本格的なトライアルの開始が告知されていない。4社の中では、FPTの移動体通信事業の経験が浅いために、この遅れは気がかりな点である。

世界的にLTEによるネットワーク構築が開始された時点では、ベトナム政府は時期尚早として免許交付に時間をかけてきた経緯もあり、満を持して各社が主要都市において高速の無線ネットワークを投入してくる予定である。一方、料金を考えると都市部においては、高速のWifiサービスとの顧客獲得競争になる。

(2016年8月)

予想に反して加入者増の2015年の携帯各社

ベトナムでは、2013年末に前年比で携帯電話加入者数の大きな落ち込みを経験し、専門家は市場が成熟した状態になったとみていた。

しかし、2015年末の3大事業者の加入者数の推移をみると、最大のViettelが前年比680万増で5,640万加入、VNPTグループから離れたMobiFoneが1,500万増の3,620万加入、VNPTグループの電話事業会社VNPT-VinaPhoneが330万増の2,970万加入となっている。

予想に反する加入増については、様々な要因が取りざたされているが、そのひとつとして、新たに供給されたプリフィクス番号088、089の使用開始もあげられている。というのは、ベトナム人は数字の縁起を担ぐ人が多く、番号の使用開始から年末までで約1,500万加入が新番号下で生じたとされている。

いずれにせよ、普及率が150パーセントを超えており、1人当たり3番号までという縛りもかかっているために、今後は他事業者から加入者をいかにして引き抜くかという競争になってくる。その際には、料金は既に十分低廉化してしまっているので、魅力あるアプリケーションの投入、サービスの向上、周辺サービスとの連携等が勝負の分かれ目となってくる。

(2016年3月)

ブロードバンド

FTTHサービスへの加入状況

ベトナムでは、電気通信事業者はNGNへの移行を早くから企図し、2000年代後半から、ビジネス利用に加え、インターネットを経由した映像配信やゲームの普及を通じてFTTHへの移行を促進しようとしていた。しかし、固定系のブロードバンド接続は、ADSLの利用が中心である。2013年の調査では、ハノイとホー・チ・ミン市においても、FTTHを利用している事業所は7パーセント程度にとどまっている。

普及のための最大の障害は、高止まりしている料金にあるとされている。インカムベント事業者VNPT系列のデータ通信会社のVDC社の場合、月額の定価は下り5Mbpsで49万9,000ドンで、ADSLの月額の定価15万ドンの約3倍となる。また、競争が働いているADSLサービスの場合、様々なプロモーションがあり、たとえば、2年間の契約をすれば、月額が5万ドンといったパッケージもある。また、「ハイエンド商品」しかないようなサービス・パッケージの構成も、普及を妨げる要因の一つとしてあげられている。

FTTH普及促進のために、2014年2月にVIETTEL社が下り12Mbpsで月額35万ドンという料金プロモーションを開始しており、他社も追随する予定とされている。一方では、携帯電話の高速化が順調に進めば、FTTHの普及についてはさらに厳しい状況が予想される。

(2014年3月)

事業者のM&A・国際展開

VNPT及びMobiFoneの株式上場に向けた準備が本格化

Viet Nam Post and Telecommunicationsグループ(VNPT)は、1995年に会社化されて以来、時間をかけて、株式会社への移行を進めて来た。報道によると、VNPT会長は、2019年内に上場すべく、それまでに必要な手続きをすべて完了させる計画であることを発表した。

上場に必要なVNPT内の再編計画について、監督官庁である情報通信省が了承したとされている。

これまでVNPTは、2002年の郵電分離や2015年のグループ内の事業会社の大再編(1)、傘下に2社あった移動体系事業会社のうちMobiFoneを2014年に別会社とするなどの大きな変化を経験している。

スピンアウトした形のMobiFone社については、以前より、電気通信分野の旧国営企業で最初に株式を公開するだろうと言われてきた。また、スピンアウトの大きな理由の一つが、上場にあるとされている。MobiFoneについては、2018年の上場が噂されている。

(1) 事業会社をサービス系のVNPT-Vinaphone、インフラ系のVNPT-Net、放送や付加価値サービス系のVNPT-Mediaの3社に再編した。

(2017年12月)

放送・メディア

地上波アナログ放送停波の進行状況

ベトナムでは、地上波デジタル放送の開始とユニバーサルなサービス提供などのその後の視聴環境の整備を経て、アナログ地上波放送の停波が順次進行している。

最初にデジタル放送が開始されたハノイ、ハイフォン、ダナン、HCMC、カントーの5大都市では、ダナンでパイロット・プロジェクトとして2015年12月末に先行して停波し、2016年8月15日に他の4都市で停波した。また、2016年12月30日には第二段階でデジタル放送が開始された省のうちバク・ニン、ハイ・ズオンなどの8省で停波が完了している。

2017年に入って、7月1日停波予定だった、タイグエンやフートーなどの15省における停波が8月15日に延期されたものの、計画はここまで順調に進行してきていると見られる。

情報通信省では低所得世帯にデジタルTVチューナを配布する等、ユニバーサル・サービス展開にも配慮しつつ、この計画を進めてきている。今後予想される条件の厳しい地域での計画推進により、Digital Dividendを確実なものとしたいとしている。

(2017年8月)

地上波放送デジタル化ロードマップ進展状況

DVB-T標準を採用したベトナムでは、2020年の地上波放送の完全デジタル化に向けて、移行作業が進行しつつある。2012年9月にハノイとホー・チ・ミン(HCMC)でのデジタル放送が開始され、2013年6月には情報通信省が、地方政府等に第一段階のプロジェクトの進捗状況の報告を求めた。

地域によって四段階に分けられた行程は、以下の通りである。
第一段階(2015年まで) : 主要都市(ハノイ、ハイフォン、HCMC、カントー、ダナン)での移行
第二段階(2016年まで) : クアンニン、タイグエン、ヴィンロン等26省での移行
第三段階(2018年まで) : 18省での移行
第四段階(2020年まで) : 北部山岳や中部高原等に位置する、条件の厳しい15省での移行

2010年時点の統計では、330万世帯がケーブルを通じて、260万世帯が衛星直接の放送を視聴しており、地上波アナログ放送の視聴家庭数は850万世帯だった。この850万世帯は、ルーラル地域、中でも山岳地域に集中している。

山岳地域の一人当たり所得が、40-50万ドンであるのに対して、デジタル放送の受信機が14-20万ドンであるために、完全移行のためには、貧困層に対しては公的な補助が不可欠である。そのため、公共利用電気通信サービス基金(ベトナム版ユニバーサル・サービス提供基金)の利用が検討されている。また、迅速かつ効率的なプロジェクトの実施のために、山岳地域では衛星を利用することについての検討も開始された。

(2013年7月)

ブロードバンド・ICT基盤整備

インカムベント情報通信企業グループVNPTの再編

ベトナム政府は、4月7日に「首相通知第142号(142/TB-VPCP/2014)」を発出し、インカムベントの電気通信事業グループ、ベトナム郵便電気通信(VNPT)の再編を指示し、6月10日の「首相決定第888号(888/QD-TTg/2014)」により再編案を承認した。再編に関しては、情報通信省、財務省、計画省とVNPTが中心となった「情報通信分野の国営企業再編委員会」が立案を行った。

現時点で確定しているのは、携帯電話事業会社のVMS(サービス・ブランド名モビフォン)が、VNPTグループを外れて情報通信省直轄の事業体となる。VNPTの残りの部分は、電気通信サービスを提供するVNPTビナフォン社(仮称)、インフラを管理する各子会社がVNPTネット社(仮称)、VATサービスやコンテンツ、ソフトウェア開発がVNPTメディア社(仮称)及び、固定系の上記以外のサービスや機器製造部門がVNPTテクノロジー社(仮称)の傘下で再編される。

郵電技術研究所もグループを離れて情報通信省直轄となる。委員会は、VMSの株式上場計画を2014年中に実施するよう求められている。

再編を巡っては、稼ぎ頭であるVMSの分離によって、VNPTビナフォン傘下に残るGPC(現サービス・ブランド名ビナフォン)との2つの携帯電話会社の関係が競争的なものとなるのか、協調的なものとなるのか、最大事業者Viettelとの競争がどうなるのかといったことが注目されている。

その他、VNPT職員に対する福祉レベルを下げることなく、VNPT傘下の病院や養老院、情報通信関連の教育・訓練部門を、地方政府の傘下に移行させる。また、電気通信事業に直接関係ない分野の子会社の保有を制限される。

(2014年7月)

モバイル

3G携帯電話通信料金のリバランスとインフラ拡充

ベトナム情報通信省は、2013年11月第2週に3G経由のインターネット接続料金を適正化するよう、シェアの約9割を占めるViettel、VMS(MobiFone)及びGPC(VinaPhone)の3大携帯通信事業者に、料金のリバランスを指示すると共に、引き上げの必要性についてコメントした。

既にこれらの事業者は、10月16日に3G関連の通信パッケージ料金の値上げを行っており、加入者は、料金の上昇とサービスの質に対して不服を唱えていた。これに対して、情報通信省は、各事業者が加入者を獲得するためにコストを割ってこれまでサービスを提供してきているため、産業の健全な育成のために、料金の引き上げが妥当だと判断したとコメントした。事業者からの報告では、1MBあたりのコストが付加価値税を含んで184ベトナムドンであるのに対し、現在、100ベトナムドン前後の料金設定となっている。

一方、情報通信省は、サービスの質について加入者が不満を抱いていることは十分認識しており、質を確保するために、事業者に投資を促す方針であることも明らかにしている。

なお、ベトナムでは、3G携帯電話は1,890万加入(情報通信省の試算)であり、全加入の10~15パーセント(筆者推計)である。また、2013年11月時点でLTEに対する周波数の割り当ては行われておらず、政府は技術革新の行方を見定めてから、どうするかを決定する方針とされている。

(2013年11月)

放送・メディア

インターネット・サービス及びコンテンツに関する規制

ベトナム政府は、2013年7月13日、「インターネット・サービス及びコンテンツの管理、提供及び利用に関する首相令(72/2013/ND-CP)」を公布した。全6章46条で構成されるこの政令は、9月1日に発効する。

この政令によって規定された主な項目は、インターネット接続の提供、インターネット上のサービス提供のあり方や情報の取り扱い、インターネット情報管理原則、ソーシャル・ネットワークやニュースブログでの情報提供、オンラインゲーム等である。例えば、電子新聞、電子雑誌、電子書籍、電子広告といったオンライン情報の管理、提供及び利用の方法は報道、出版、広告の関連法の定めを満たす必要がある(第21条)。また、反政府的な言説や社会不安をもたらすような情報に関しては、厳しく取り締まる(第5条)。

これまで免許が見送られてきたオンラインゲームの提供について、一定の要件を満たせば可能になり(第4章)、海賊版の規制も厳格になる等、インターネット関連産業の育成に関連した規定も明文化された。

この政令が注目を集めている点の一つに、越境提供される情報に対するベトナム法の適用が規定されていることがある(第22条)。情報通信省も、この点に関しては、チャレンジであることを表明しており、実際上、どのように規制するかついては、今後、関連規則やガイドラインが用意される。

なお、この政令に関しては、Facebook、GoogleやYahoo等が設立したアジア・インターネット・連合(Asia Internet Coalition)が、厳しい規制によってベトナムにおけるインターネット産業のエコシステムの成長が妨げられるという理由から、8月5日に反対声明を発表している。在ハノイ米国大使館も、情報の授受という人権を侵害する恐れがあるとして、8月6日に、反対声明を発表している。批判に対し、ベトナム情報通信省の担当者は、上記の指摘は法令解釈の相違として、この政令は人権を侵すものではなく、インターネット・ビジネスのあり方を明確にし、著作権等ネットワーク上の権利を守るためのものとしている。

(2013年8月)