中国

モバイル

通信事業者大手3社、NB-IoTの取組みを本格化

2017年6月に工業・情報化部によって公表されたNB-IoT(NarrowBand-IoT)の推進政策において、NB-IoT網の構築及びIoTの接続数に関する目標が示された。2017年末までに40万の基地局構築で、直轄市、省都等の主要都市をカバーすること。2020年までに同150万で、屋内、交通施設の沿線等を含む全国をカバーすること。また、2017年にNB-IoTに基づくIoTの接続数が2,000万に達し、2020年の接続数が6億に達するとしている。

NB-IoTは、低コスト、低電力、大量接続、広範囲カバーができるというメリットがあり、今後スマート検針やスマート駐車、スマートインテリア、スマートシティ、スマート製造等の分野で普及すると期待されている。

主要通信事業者各社がこれまで、2G及び3G網を用いてIoT事業を進めていたが、2017年以降、NB-IoTへの切替え方針を相次いで表明した。

中国移動は2017年8月に、395億元に達するNB-IoTの集中調達を開始した。具体的には、2017-2018年におけるNB-IoTアンテナの調達量が111万のキャリア・セクター(CS)に相当、900MHz及び900/1800MHz双方に対応するアンテナを調達するとともに、セルラーIoTプロジェクト無線ネットワーク設備とコアネットワーク設備の設計業務及びFS業務を集中調達するほか、ネットワークのサーベイ業務についても調達する予定である。

中国移動の沙躍家副総裁は、モバイル・ワールド・コングレス上海(MWC上海)2017において、本年、346の都市においてIoTを構築し、年末には重点都市で商用化を開始する。またIoTの接続総数を1億から2億に引き上げることを発表した。

一方、中国電信は2016年12月にNB-IoT実験室を開設し、これまでNB-IoT対応の基地局を15万整備した。2017年7月には、NB-IoT用の2,400基地局を正式に稼働させ、800MHz周波数帯を利用して江蘇省にある蘇州市全体をNB-IoTでカバーした。また、同省にある無錫市で1億5,000万元を投資して、華為(Huawei)、ノキアなどのネットワーク通信設備及びシステム構成を導入し、市全体3,661㎢のエリアをカバーした。エレベーター、地下駐車場等の管理に用いられている。

中国聯通もこれまで、上海市にNB-IoT実験室を設置したほか、クアルコム、華為といったメーカーに呼びかけて、IoT端末産業聯盟を構築するなど、NB-IoTへの取組みを強化している。

(2017年8月)

MVNOトライアル加入者数が5,000万突破

中国では、2013年にMVNO制度が導入され、2014年末までに約40社の民間企業がMVNOトライアル免許を取得し、サービスを提供している。2016年中に商用免許の付与が行われると見込まれたが、2017年6月現在、その見通しが依然立ってない状況にある。この間、通信サービスを悪用した詐欺事件が多発し、事業の新規参入にブレーキがかかったと見られる。

そうしたなか、トライアル・サービスの加入者総数は5,000万を突破したと伝えられている。
調査機関の統計によると、MVNOユーザ数は2015年8月に1,000万、2016年1月に2,000万、2016年6月に3,000万、2016年11月に4,000万、2017年6月に5,000万に達した。

ユーザ数の推移のペースを見てみると、緩やかな増加から急増段階に変り、また増加ペースが落ちってきたことが分かる。サービス開始後一年半はMVNO事業者の試行錯誤段階であり、ユーザ数が緩やかに増加した。2015年下半期以降、免許の正式付与のムードが高まり、各社のユーザ獲得の動きも活発化し、ユーザ数の激増につながった。その後、SIMカードの実名制の実施により、ユーザ数の増加ペースが鈍化したと見られる。

サービスを提供する事業者のうち、約三分の一がユーザ数100万を超えており、また、上位3社のユーザ合計が全体の半数を占めている。トップでモバイルゲーム事業者で蝸牛移動(Snail)のユーザ数が唯一、1,000万を超えている。第2位と第3位はそれぞれ、携帯販売専門店の迪信通、付加価値通信事業者の遠特通信である。

(2017年6月)

中国のキャッシュレス化

中国の中央銀行である中国人民銀行が2017年3月に、2016年の中国決済業務統計を発表した。それによれば、年間のキャッシュレス決済の件数は1,251兆1,100億回に、金額は3,687兆2,400億元に達した。特にモバイル決済業務が急成長しており、インターネット決済業務が安定的成長を見せた一方、電話決済業務が下落した。

モバイル決済業務の年間利用回数は、前年比85.82%増の257億1,000万回、金額は、同45.59%増の157兆5,500億元であった。インターネット決済業務の利用回数は、同26.96%増の461億7,800万回、金額は、同3.31%増の2,084兆9,500億元であった。支付宝(Alipay)、微信支付(WeChat Pay)、百度銭包(baifubao)等第三者決済機関の普及に伴い、2016年の非銀行決済機関によるインターネット決済業務は、同99.53%増の1,639億200万回、金額は、同100.65%増の99兆2,700億元に達した。

農村部において、電子銀行のユーザ数は成長しており、モバイル銀行業務の急成長に対し、インターネット決済と電話決済業務は鈍化した。モバイル銀行のユーザ数は、前年比35.14%増の3億7,300万人、モバイル決済業務の利用回数は、同61.51%増の50億8,600万回、金額は、同71.05%増の23兆4,000億元であった。

キャッシュレス化が進む中、モバイル決済最大手の支付宝は2017年3月、「キャッシュレス普及計画」を発表した。5年かけて中国をキャッシュレス社会にする目標を立てている。同社は6月中旬までに全国100以上の都市における100万以上の指定店舗において、支付宝の決済サービスを利用するユーザに対して奨励金を払い、4億5,000万のユーザにキャッシュレスの習慣を付けさせるとしている。

(2017年4月)

主要通信事業者各社、5G商用化スケジュールを明確に

中国移動は5G商用化スケジュールについて、①2017年、4-5都市において都市ごとに5G基地局を7局設置し、システム検証を行うとともに、商用前のプロトタイプを作ること、②2018年、都市数を増やしたうえ、都市ごとに5G基地局を20局設置し、エンドツーエンドの商用化製品及び準商用ネットワークを構築すること、③2019年、試験ネットワークをさらに拡大すること、④2020年、5G基地局が1万局に達し、商用化製品の普及を実現すること、としている。また、周波数帯の選択について、中国移動は6GHz以下のバンドを優先的に選択するとしている。

中国電信の場合は、①2018年までに、場外測定試験等も通じたコア技術の研究を行うこと、②2020年までに、5Gシステム及び5G網構築の実験を行い、商用化に向けての関連技術を確立させること、③2025年までに、ビヤンド5G技術の研究、試験、実用に向けての準備作業に取り掛かること、としている。

また、中国聯通の5G商用化に向けてのスケジュールでは、①2016年内に5G Open Labの構築を完成させ、5G関連業務のデモや技術性能試験を行うこと、②2017年、5Gモバイル、ネットワーク、伝送及びセキュリティ関連技術の研究を完了すること、③2018年、実験室レベルでの検証を終了し、中国聯通による5G網の構築プランを完成させること、④2019年、屋外ネットワーク構築の検証を完了すること、⑤2020年、商用を開始すること、となっている。

(2016年12月)

中国の配車市場で新たな競争局面

配車アプリ最大手の滴滴出行(Didi)は8月1日、Uberと戦略的合意書を締結し、Uber中国のブランド、サービス、データなどの全資産を買収して中国本土で運営すると発表した。

滴滴出行とUberは互いに株式を持ち合い、Uberは滴滴出行の17.7%、Uber中国の他の中国株主は滴滴出行の2.3%の株式を持つことになる。また、Uberのトラビス・カラニック最高経営責任者(CEO)は滴滴出行役員に就任し、他方、滴滴出行の程維CEOはUber役員に就任する。

米国やカナダ、その他約100か国では利益を計上しているUberだが、中国では滴滴出行と熾烈な争いを繰り広げ、料金値下げで競い合ってきた。このような状況もあり、UberのカラニックCEOが取締役会の圧力を受け、Uber中国の売却を求められたとされる。

中国市場において、Uberは60の都市で操業し、月間1億5,000万回以上の配車を行っている一方、滴滴出行はおよそ87%の市場シェアを占めている。滴滴出行は、今回の買収と合わせてUberに10億ドル出資することにも同意。今回の買収を同社の国外進出の準備と見る向きもある。

滴滴出行は昨年、アリババ・グループとテンセントが出資するそれぞれ別の会社が統合して誕生。これまでUberのライバルであるLyftにも1億ドルを出資するとともに、LyftやインドのOla、東南アジアの新興であるGrabなど他の配車サービスと提携も結んでいる。また滴滴出行には、アップルも10億ドルを出資している。

なお、今回の買収は商務部による審査が必要となっており、手続きが終われば、現在の4大陣営(滴滴出行、Uber中国、神州専車、及び易到用車)による競争がまた新たな局面を迎える。

(2016年8月)

工業・情報化部、FDD-LTE事業を正式に許可

工業・情報化部は2015年2月27日、中国電信と中国聯通に対してFDD-LTE事業の経営許可を付与した。

同部は、中国移動を含む通信事業者3社のうち、中国電信と中国聯通だけにFDD-LTE免許を付与した理由について、2014年から2社にそれぞれ56都市でのFDD-LTE/TD-LTE混合網の試験を実施させ、その実行の可能性を検証してきた結果を見てのことと説明している。試験を通じて、2社はネットワーク・カバーや相互通信、干渉解消等においてノウハウを積み上げてきており、融合網の商用化条件が整ったからと判断された。

また、工業・情報化部は融合網構築の意義について、FDD-LTE/TD-LTE技術の優位性を総合的に生かし、FDD/TDDの周波数資源を十分に活用するとともに、1つのコア・ネットワークとFDD-LTE/TD-LTEという2つの無線アクセス方式を含むLTE網は、各地域における実際のニーズや周波数状況を踏まえたLTE基地局の技術方式の柔軟な選択により、深く広いネットワーク・カバーを実現し、ネットワークの全体的な容量を最大限引き出すものであるとした。

FDD-LTE免許を取得した中国聯通は、モバイルブロードバンド戦略を進め、カバレッジの拡大と通信スピードの高速化により競争力を高めていくと表明したのに対して、中国電信は、ユーザーに対する質・量ともに充実したサービスを保証し、混合網の優位性に基づく発展を実現していくと表明している。中国電信は、2014年9月にノキア・ネットワークスと共同で、商用チップセットを搭載した端末間では世界初となるFDD/TDD間のCA(キャリア・アグリゲーション)を実現した。

ちなみに、2013年末に通信事業者3社がTDD方式のLTE 経営許可を得てから、相次いでサービスを開始したが、TD-LTE への移行に不向きの3Gを運営する中国電信と中国聯通に比べて、TDD方式の3Gを運営してきた中国移動のほうが優位で、積極的にサービスを進めてきた。その結果、2014年末現在、9,746万に達するLTE加入者のうち、中国移動が約92%を占め、独り勝ちの状態となっている。このような背景状況もあり、FDD-LTEの事業許可による3社間のLTEサービス競争が本格化し、最終的には通信料金の引下げや接続速度の上昇等につながることも期待されている。

(2015年3月)

中国におけるPHSの加入者数が700万に減少

中国におけるPHSサービスは固定電話サービスとして位置付けられており、1998年にサービスが開始した。端末や料金の安さで人気を博し、ユーザ数はピーク時の2006年10月に9,341万に達した。その後、携帯電話の普及につれ、利便性および料金面での優位性が下がり、利用者数は年々減少し続けてきた。

PHSサービスの周波数帯(1900-1920MHz)は、当初から中国独自の3G方式のTD-SCDMAに割当てられた経緯もあり、2009年2月に工業・情報化部は、同周波数帯を2011年末に回収すると発表した。これに伴い、ユーザの他のサービスへの移行に対する通信事業者の対応が求められていたが、統一した移行政策が打ち出されたことはなかった。

ただし、地域間の進行度合いや通信事業者による対応にばらつきがあったものの、一般的には、新規ユーザの受付の終了、PHS基地局(アンテナ)の撤去、優遇措置をつけての移行促進キャンペーンといった取組みが実施されてきた。

そうしたなかで、2014年5月、中国聯通山東省支社は同20日をもってPHSサービスを停止すると明らかにした。サービスの停止に向け、同社は、既存ユーザに対して2G携帯電話及び固定電話への番号ポータビリティ・サービスを提供するとしている。つまり、PHSユーザが5月20日以降、元のPHS番号によるGSM携帯の発信・着信ができるほか、元のPHS番号を固定電話番号に転用することもできる。

今回の中国聯通の動きの背景には、メーカーによるサービスのサポートがなくなったことが理由に挙げられる。今後は、回収される周波数に対する中国移動を含む3社間の駆け引きの激しさが増すと予想される。

ちなみに、工業・情報化部の統計によると、2014年2月現在、PHSユーザ数は前年同期比40%減の706万2,000である。

(2014年5月)

中国移動、TD-LTE網の構築を本格化へ。年内に100の重点都市におけるインフラの整備および100万台端末の調達を目標に

2013年11月末現在、中国ではLTEの免許がまだ正式に付与されていないが、中国政府が積極的に推進しているTDD(Time Division Duplex)方式のLTE(以下、TD-LTE)に関する取組みが中国移動によって本格化しつつある。

中国移動によるTD-LTE網の構築開始は2010年12月に遡り、2011年9月時点で、既に上海、杭州、深セン、広州、南京、アモイの6都市で計850の基地局が構築されていた。そのほか、北京市でも計80基の基地局によるデモ用のTD-LTE網が構築された。さらに2012年以降は、ネットワークの構築が15都市に拡大され、このうち、特に広州と深センでの基地局数が多く、カバー範囲も広いという。また、各地における異なる環境下(高層ビル、繁華街、地下鉄、高速道路沿線など)でのインフラの整備を通じて、様々な場面での利用状況が確認され、正式な商用化に向けての準備が着実に進められていると見られる。

2013年4月下旬に行われた端末の調達では、およそ16万台規模の内訳として、室内据付型設備(CPE)が10万台程度、モバイルWi-Fiルーターが3万台程度、携帯電話が1万台ほどとされている。携帯電話端末の少なさから現段階の中国移動にとってのアキレス腱は携帯電話端末の開発の遅れであると分かる。中国移動は端末メーカーに対して、5方式(TD-LTE/FDD-LTE/W-CDMA/TD-SCDMA/GSM)10バンドに対応できる端末を求めている。これに応えられるのは、今のところ、華為やZTE、サムスン、ソニーモバイルといった大手数社に限られている。

他方、中国移動は北京、上海、広州、杭州など13の都市において、相次いで友好ユーザを募集開始し、10月末時点では各地の友好ユーザ数は10万突破したとされる。このうち、杭州では500人ほどの携帯電話ユーザの募集も含まれており、端末の通信速度は下りで33-53Mbpsに達しているという。

2013年におけるTD-LTEへの投資規模は417億元に計画されており、20万7,000の基地局の構築によって100の重点都市を含む326都市がカバーされ、既存の3G(TD-SCDMA方式)のほぼ半分に相当する。また、各種端末の集中調達目標は100万台以上と伝えられている。

以上から、中国移動によるTD-LTEへの取組みはもはや免許の付与と関係なく着実に進んでいることがはっきり見て取れる。

(2013年11月)

低価格端末を中心に普及が進むスマートフォン

中国では、第三世代(3G)移動体通信サービスの急速な成長に伴い、スマートフォンの普及も広がりを見せている。 通信キャリア3社によるスマートフォン利用状況を見ると、中国聯通の3G(W-CDMA)端末に占めるAndroid端末の割合は、2010年上半期3%から2011年同期35%に上昇している(網易科技データ)。 中国移動のスマートフォンの比率は、2011年6月現在で3G(TD-SCDMAS)加入者の15%、中国電信では2011年1-6月間の3G端末(CDMA2000)の約50%である。 特に都市部での普及が著しく、2011年11月に発表された米グーグル社とIPSOS Research社の共同調査の結果では、中国の都市部でのスマートフォン普及率は35%で、シンガポール(62%)、オーストラリア(37%)に次ぐものであることが報告されている。

端末の製造では、工業・情報化部(MIIT)傘下にある電信研究院の報告によれば、国内におけるスマートフォン端末の製造台数は、2011年1~9月期で、携帯端末全体の22%に相当する7,000万台で、同期に市場投入されたスマートフォン端末の機種は340機種、そのうち80%がAndroid OSを搭載した端末と報告されている。

端末価格を1,000元程度の低価格帯に設定した「1,000元端末」が利用者の裾野を広げる牽引となっている。 例えば、中国電信では、1,000元端末が、スマートフォン全体の60-70%を占め、中国移動では、1,000元端末の機種が100機種を超えるなど、通信キャリアも加入者を囲い込む有効な手段として1,000元端末の販売強化に注力している。 低価格でありながらも、スペックについてはミドルレンジの機能を装備した機種もあり、例えば、通信機器ベンダー大手の中興通訊(ZTE)が、中国聯通を通じて販売しているフラッグシップモデル「Blade」は、端末価格が1,499元(高額料金プランで価格割引)で、 Android2.2を搭載、CPUはMSN7227 600MHz、通信方式GSM/3G対応、Wi-Fi(802.11 b/g)、Bluetooth、A-GPS等をサポートしており、ZTEは、2010年9月から1年間の1日平均販売台数は1万7,000台に上ったと発表している(ZTE 2011年9月23日プレス発表)。

また、各通信キャリアは、独自のOS開発を進め、端末の差別化を図っている。 中国移動は、独自OSを搭載した端末として、Androidを自社端末用にカスタマイズしたプラットフォーム「OMS」(Open Mobile System)を搭載したスマートフォン「OPhone」を2009年に市場投入し、中国聯通は、Linux2.6に基づいて開発した「沃(Wo)Phone OS」を搭載した「沃Phone」を2011年7月に発表している。 同社は、沃Phone端末の価格を1,000~2,000元に設定し、沃Phoneユーザーに対して、料金の50%以上の補助を行うとしている。 また、中国電信はLenovo(レノボ)と共同でAndroid2.0をベースにした「楽(Le)Phone」を販売している。 キャリア以外の企業による独自OSの開発も進められており、検索サービス最大手「百度」(Baidu)が2011年9月に独自のモバイルOS「百度易」(Baidu Yi)を発表している。 また、電子商取引大手のアリババ社が、Androidベースで独自のモバイルOSを2011年中に発表する予定である。

アプリケーション・ストアについても、各通信キャリアが自社のアプリケーション・ストアを立ち上げ、キラーアプリケーション開発と提供を通じて、加入者の取込みとデータ通信のサービス収入の増大を図っている。 各社アプリケーション・ストアの概況は次の通りである(2010年10月現在)。

通信キャリアのアプリケーション・ストアの概況
キャリア 概況
中国移動 2009年8月にMobile Market(MM)を開設。3万件のアプリケーションを提供している。
中国聯通 沃商店(Wo Store)を2010年10月に試商用サービスを開始、11月に正式開設。2,154件のアプリケーションを提供。天語、レノボ、モトローラ、ノキア、サムスン電子、ソニー、ZTE、ドゥーポッド(多普達)、クールパッド(酷派)、HTC、華為の11メーカーの端末がサポートしている。
中国聯通 天翼空間(estore)を2010年3月に開設。4,000のアプリケーションを提供し、ダウンロード数は累計320万件超。
出所:enfodesk資料を基に作成

クラウド、ビッグデータ、コネクティッド

中国のIoT(物聯網)、世界最大の市場に成長とGSMAが予測

今後の「モノのインターネット」(IoT)市場の成長に関して、国際GSM協会(GSMA)は、2015年7月、中国市場が世界最大の規模になるとの報告を発表した。GSMA報告書「How China is Scaling the IoT」によれば、中国のセルラー網を使ったM2M接続デバイス数は、2014年で7,400万。2020年までには3億3,600万まで拡大(年平均成長率29%増)し、他国を凌駕するとの予測が報告されている。

各国IoT接続デバイス数
各国IoT接続デバイス数
出所:GSMA Intelligence
http://www.gsma.com/newsroom/wp-content/uploads/16531-China-IoT-Report-LR.pdf(別ウィンドウで開きます)

背景としては、(1)政府の強力な支援、(2)中所得層の拡大によるコネクテッド・カー、ウェアラブルへの需要増、(3)通信キャリア、機器ベンダーなどによる自社サービス・製品の開発、などが挙げられている。これらの動向はおおむね以下の通りである。

(1)IoTへの政府支援
  • 2010年10月「戦略的新興産業」の一つにIoTを位置づける国務院決定の発表後、工業・情報化部(MIIT)が2012年に発表した5か年計画で、IoT市場規模を1兆元(1,630万ドル)に成長させることを明言。
  • 具体的な政府施策として、IoT関連のソフト・ハードの開発面で、税制措置と、2013年MIITと財政部共同のIoT特別基金の設置(2014年100億元(16億US$)拠出)などがある。
  • 今後の予定として、中国政府が2013年9月に発表した「IoT発展に関するアクションプラン」に従い、2015年中に、政府トップレベルでの計画策定、標準化、技術研究開発、アプリケーション普及、ビジネスモデル開発、安全性、政府支援、法制度整備、人材育成などに取り組むこととされており、2015年以降の急速な成長が予想される。
  • そのほか、中央政府が202都市をスマートシティとして選定しており、これら都市において、運輸、電力、公共安全、環境の分野でセンサーネットワークが構築されると見込まれる。
(2)コネクテッド・カー、ウェアラブル・サービスの成長
  • コネクテッド・カー分野
    中国の経済成長に伴う中所得層の拡大を背景に、自動車需要が増大しており、これに伴いコネクテッド・カーサービスの成長が見込まれている。国内乗用車の保有台数は2013年で1億台以上、2014年販売台数が1,970万台。IoTに対応可能な組み込みSIMの装備率は現行8%。2018年は30%へ増加する見込みである。中国では、自動車とインターネットの融合をIoV(Internet of Vehicle)を独自のサービス名称を使っており、次世代サービスの開発に意欲を示している。自動車メーカもIT企業との提携を進めている。
    • 4大自動車メーカの一つ上海汽車(SAIC)はアリババと、東風汽車集団と重慶長安汽車は華為と、北京汽車-楽視網(ネット動画)とパートナー関係を結んでいる。
    • BMW、Audiは、百度(Baidu)とパートナー関係を結んでいる。
  • ウェアラブル
    ウェアラブルを使用した子供追跡サービス(サービスブランド50以上)、フィットネスサービスへの需要が高まって、特にリストバンドの普及が急速に拡大している。
    例えば、小米(Xiaomi)の低価格フィットネスバンド「Mi Band」(79元(13US$))は、2014年国内売上が100万台以上を記録している。同バンドは世界でも2014年に600万台以上販売されるなど世界的な売れ行きとなっている。

これらのサービスのほか、エネルギー、コンシューマ・サービス(情報家電、スマートホーム、ホームセキュリティ)、小売(POS)、農業などが今後の成長分野として期待されている。

(3)通信キャリア・ベンダーの動向
  • 通信キャリア
    • 中国移動(China Mobile):2007年からM2Mサービスを開始。現在のIoT端末が4,000万、今後5年間で60%増加の見込み。重点ビジネスはIoV分野で、2015年中に50万ユーザー獲得目標。車両への情報サービスでドイツテレコムと合弁会社設立。
    • 中国電信(China Telecom):IoV(トヨタと提携)、スマートホーム(Yue me(悦me))に注力。
    • 中国聯通(China Unicom):スマートホーム分野に注力。
  • ベンダー
    • ハイアール、華為、レノボ、ハイセンス、TCL等が情報家電、スマートホーム製品開発を推進。
    • 小米が低価格モジュール(22元(3.5US$)を開発。これまでモジュールの高価格がIoT普及の障害の要因の一つとされてきたが、低価格のデバイスが市場投入されることでIoTサービス普及に進展するものと見られている。
(2015年8月)

次世代ICT

百度、自動運転車ソフトウェアプラットフォーム「Apollo 1.5」をリリースし、巨大なエコシステムの確立を目指す

百度(Baidu)は2017年9月、自動運転ソフトウェアプラットフォーム「Apollo 1.5」を正式にリリースした。「Apollo 1.5」には、障害物センシング、動作決定、クラウドによるシミュレーション、高精細地図、エンドツーエンドのディープラーニングという5つのコア機能が含まれている。

担当技術者の説明によると、障害物センシング、動作決定の機能に基づいて、自動運転車は昼夜を問わず、障害物を正確に識別し目的地までの経路予測ができる。また、「Apollo 1.5」は業界唯一のオープンかつ高精細地図を内蔵したシミュレーションプラットフォームとして、大量の中国交通データを保有しており、クラウドコンピューティングにより1日あたり100万kmの走行シミュレーション能力があるとのことである。

百度は自動運転事業を推進する目的で、100億元規模のApolloファンドを設立し、今後3年間で100以上の関連プロジェクトに投資するとしている。

このように、百度は、自動運転に関する主導権の掌握も視野に、先行投資を積極的に行い、複数社参加のオープンソースのエコシステムの確立を目指している。現時点では、自動運転車に欠かせないライダー・センサーの生産で最大手の米Velodyne社や、ソフトウェア専門のROS社、Neousys Technologyなど70社が既に百度とパートナー関係を構築すると表明している。

(2017年10月)

中国の人工知能(AI)分野における官民の取組み

中国は2012年から人工知能(AI)分野における新規取得の特許件数が米国を超え、AI企業の資金調達規模が米国に次ぐ2位となっている。また、米国ホワイトハウスのレポートによると、2014年以降はディープラーニング分野の論文発表数及び被引用数において、中国が米国を上回っている。

近年、中国政府によるAI分野への投入も拡大している。科学技術部は、AIの基礎研究と技術革新をフォローし、「863計画」や科学技術支援計画、国家重点研究開発計画といった技術開発計画の実施を通じて、AIの技術と産業発展を推進している。

政府は、特に脳型知能(Brain-inspired intelligence)、スマート情報処理、スマート・ヒューマン・マシン・インタラクション等の研究開発を重点的に支援しており、9つのプロジェクトに合計で3億9,000万元を拠出した。また、スマート交通、スマートグリッドなどのAI技術産業応用分野において、政府は17のプロジェクトに計8億1,000万元を投じた。

企業の中では、IT企業の科大訊飛に加え、ICT事業者の百度(Baidu)やテンセント(Tencent)、ライドシェアリング最大手の滴滴出行(DiDi)など各社も相次いでAI研究施設を設け、いち早くこの分野への関わりを強めている。

百度は近年、売上高の約15%を技術の研究開発に投入しており、2013年以降、ビッグデータラボ、ディープラーニングラボ、シリコンバレー人工知能ラボを設置した。また、2016年9月、AI、仮想現実(AR)、拡張現実(VR)といった次世代科学技術プロジェクトを専門としたベンチャーキャピタル(Baidu Venture)を設立した。1期目の資本金は2億ドルにのぼる。百度の李彦宏董事長が新会社の董事長を兼任することで、重要プロジェクトの評価に直接関わる。新設のベンチャーキャピタルは、既存の百度投資チームから独立し、新しい評価メカニズムによるより効率的な投資を目指す。

李董事長は予てから、インターネットの次はAIであると指摘しており、2016年9月の百度世界大会では自社プロジェクト「Baidu Brain」を発表し、音声・画像・自然言語処理等の最新成果を披露している。

(2017年3月)

5Gに関する取組みが本格化

中国における5G技術の研究開発試験は、工業・情報化部の主導で発足されたIMT-2020(5G)推進グループが主として進められている。2016年1月に明らかにされた5G推進の全体計画では、(1)2015-2018年の技術研究及び試験、(2)2018-2020年の製品開発及び試験という2段階に分けられている。また、(1)において中国情報通信研究院がけん引役になり、通信事業者やベンダー、研究機関が共同で参画し、(2)において通信事業者がけん引役になり、ベンダーと研究機関が参画する形で進めていくとされる。

上記(1)は、更に3つの部分に細分化されている。それぞれ、コア技術の検証(2015年9月-2016年9月、プロトタイプに基づいた技術を個別に検証)、技術案の検証(2016年6月-2017年9月、1つの設備に基づいて複数の技術を同時に検証)、システム検証(2017年6月-2018年10月、5Gのネットワーク構築技術を検証し、典型的サービスをデモ)となっている。

関連した企業の取組みとして、特に注目が集まっているのは通信事業者の中国移動とベンダーの華為技術(Huawei)である。中国移動はこれまで、韓国KT、日本のNTTドコモとサービスの実現に向けての共同取組みを行っている。2015年末には傘下の研究所を通じてエリクソンと了解覚書を交わし、今後、共同研究開発プロジェクトを推進していくとしている。

また、華為技術の5G商用化に向けてのスケジュールによれば、2018年末時点で5G標準を制定し、2018年に率先してパートナーと協力して5G商用ネットワークのトライアルを実施する。その後、2019年にネットワーク関連設備を整備するとともに、同ネットワークのトライアルを行い、2020年に正式に商用化するとしている。その一環で、同社はNTTドコモと協力して、四川省成都市における世界初の屋外トライアルフィールドにおいて5Gエアインターフェースとネットワーク構築の検証を実施し、ボーダフォンと協力了解覚書を締結するなど、5G技術の確立に向け全力投球している。

(2016年1月)

ブロードバンド

中国-ASEAN情報港の構築に向け、株式会社を設立

中国-ASEAN情報港(China-ASEAN Information Harbor)の建設を担う中国-ASEAN情報港株式会社(通称「中国東信」)が広西省チワン族自治区南寧市で設立された。これは、中国国家戦略である「一帯一路」を実現するための一環でもあり、同社の設立で中国とASEAN諸国の通信分野における発展・協力の強化が期待される。

中国-ASEAN情報港は2014年に開催された「第1回中国-ASEANサイバー空間フォーラム」にて提起された構想で、インフラの場の構築、技術協力の場の構築、経済サービスの場の構築、情報共有の場の構築、文化交流の場の構築、という5つの内容が含まれている。

2016年4月に国務院に許可された「中国-ASEAN情報港建設方案」は、情報港の建設を中国の第13次5か年規画(2016-2020年)の重点プロジェクトと指定した。中国とASEAN諸国の共同建設により相互接続及び情報協力の強化を目指すとしている。

中国東信には、中国聯通をはじめとする6社が計1億元を出資しており、中国聯通広西支社の魯東亮総経理が中国東信トップの董事長に就任している。中国東信は、通信インフラ構築のほか、ネットアプリの開発、情報コンテンツの運営、スマート製造、ビッグデータの活用にも取り組むとしている。その上、関連企業に向けての融資や越境電子商取引などの手段を通じての各国間のエコシステムの推進も見込まれている。

これらの動きにあわせて、広西自治区政府は2段階に分けての取組み方針を示した。2015年から2017年までに、インフラ構築を中心にASEAN諸国間との交流を深めていく。2018年から2020年までに、各国間の協力メカニズムを構築し、前述した5つのプラットフォームの完成を目指す。

(2016年7月)

通信事業者三社、ブロードバンドの高速化を図り、FTTH網の構築に取組む

通信事業者三社は、ユーザの固定ブロードバンドに対する堅調なニーズに応えるために、光ファイバ網の整備に積極的な姿勢を示している。

中国電信は念願のモバイル通信サービスの運営権を手に入れたが、現時点での事業ウェイト的には依然固定通信が大きい。中でも特に固定ブロードバンドが大きな稼ぎ頭となっている。今後の目標について、中国電信は2011年2月に「ブロードバンド中国・光ネットワーク都市」プロジェクトを発表した。それによれば、今後3年間で中国南部の都市においてFTTHの接続サービスを提供し、3~5年以内にブロードバンド接続速度を現在の10倍以上に向上させるとしている。

その一環として、広州、深センといった主要都市においては、2013年8月以降、既存の光ファイバ・ユーザであれば、コールセンター、ホームページ、営業所などでの手続きを経て100Mbpsのブロードバンド・サービスを利用可能になるとしている。

中国聯通の場合は、2012年におけるブロードバンドの年間売上高は393億7,000万元に達し、固定通信事業分野の総売上高の47%を占めている。また、同年末時点におけるブロードバンド加入者数は前年同期比で822万増の6,387万に達し、このうちの63.8%は4Mbpsに達する接続速度のサービスを利用し、同比22.5ポイント高いという。中国聯通は2013年においても、さらに通信速度の高度化を目指し、同6月末におけるブロードバンドのポート数は前年同期比で19.9%増加しており、FTTH/Bの割合が63%に上昇した。

中国移動は、かつての鉄道通信を主事業とした旧レールコムを吸収したが、固定通信インフラが不十分のため、家庭向け固定通信サービスは現時点では思うように展開されていない。それを補うために、2010年以降、大々的な光ファイバ・ブロードバンド網構築計画を打ち出し、ブロードバンド分野での新規参入者として、中国電信と中国聯通に攻勢をかけている。たとえば、2013年以降、同社は北京において年間238元で10Mbpsのブロードバンドを利用できるような料金プランを打ち出すなど、コスト・パフォーマンスを重視したサービスに注力している。

(注)Fiber to the Home:一般家庭への通信回線を光ファイバ化し、電話、インターネット接続、デジタルテレビ視聴等のサービスを提供する。 光ファイバケーブルの終端の場所によりFTTB(Fiber to the Building)、FTTCab(Fiber to the Curb)等の方式もあり、FTTxと総称される。

(2013年8月)

通信事業者三社によるTD-LTE方式サービスが開始

中国政府が懸命に推し進めてきたTD-LTE方式の商用サービスが通信事業者三社によって開始された。このうち、中国移動は既に大規模なトライアルサービスを行っていたため、免許付与されてわずか1週間後の2013年12月10日に商用サービスを正式に開始すると発表、2014年内に300以上の都市で5,000万を超える加入者の獲得を目標に掲げている。

中国電信は、2014年2月14日よりサービスを開始した。当面は100ほどの主要都市でサービスを提供するとしており、将来的には、FDD-LTEと合わせて、2方式による4Gのサービスを提供する方針である。

また、中国聯通も、3月18日より25都市、年内に300都市でサービス提供を開始することにしている。同社は、現在運営中のW-CDMA方式を最大限に活かし、今後FDD-LTEへの移行を優先するため、大規模なTD-LTE網を構築しないと明言している。そのため、2014年に行われる800億元規模の投資のほとんどは3G網の改善及びFDD-LTE基地局の構築に用いられるとされる。

端末に関しては、TD-LTE方式対応のiPhone端末が2014年1月17日より中国移動のユーザに向けて発売されているほか、中国移動は自社ブランドの4G携帯電話であるM811を発表した。同機種は、5インチのディスプレイ、クアルコムMSM8926クアッドコアのCPU、前方120万及び後方800万画素の二つのカメラ、2500mAhのバッテリー、1GBのRAMを搭載し、2G(GSM)、3G(TD-SCDMA/W-CDMA)、4G(TD-LTE/FDD-LTE)の五つの通信モードに対応している。4月以降に発売される予定で、値段は1,000元前後と見込まれている。

また、中国聯通はカスタマイズしたソニーXperia Z1(L39u)を発表しており、同機種は2G(GSM GPRS/EDGE)、3G(W-CDMA HSPA+)、4G(TD-LTE/FDD-LTE)の五つの通信モードに対応するタイプである。

これらのほかにも、近いうちにサムスンやHTC、LG、華為技術(Huawei)、中興通訊(ZTE)、TCLといった端末大手から順次発売されると見られる。

以上のように、中国政府が長年にかけて育成してきたTD-LTE方式のサービスの商用化が本格始動し、端末メーカーを巻込んでの激しい競争が間もなく幕開けとなる。

(2014年3月)

移動体サービス加入が1億人を突破、LTEもサービス準備が進展中

中国の情報通信分野の主管庁「工業・情報化部」(MIIT)が発表した通信統計によれば、2011年9月末現在、国内携帯電話加入者数は約9億5000万、普及率71.1%となり、 うち第三世代(3G)移動体サービス加入者は約1億200万と、1億の大台を突破した。

移動体全体に3Gが占める割合は約10.8%と、成長の途上にあるが、同年1-9月期における加入数増分5,500万は、3G加入者全体の約54%を占めるなど、2011年に入り3G市場は急増傾向にある。 また、同期の新規加入者数との比較でも、同分野全体の新規増分9,800万に対し3Gの増分は約56%を占めている。

MIITの電信研究院による分析では、3Gサービスの急速な成長の主な要因にスマートフォンの普及が挙げられている。 2011年1-9月期に中国国内におけるスマートフォン端末の生産台数は、前年比倍増の7,000万台で、携帯端末全体の22%を占めている、と報告されている。 OSとして、Android、Windows Phone、Symbian、OPhone(中国移動の独自OS)がサポートされているが、そのうち、Android OS対応のスマートフォンが全体の80%を占めている。 3Gサービス市場が潜在性を有してることに加え、中興通訊(ZTE)や華為技術(Huawei)を始めとする国内有力ベンダが1,000元端末と呼ばれる低価格帯のスマートフォン端末を投入しているところから、 スマートフォンを牽引力として、3G加入者の増加傾向は今後も続くものと見られている。

通信技術では、時分割(TD)方式による中国の独自技術の開発が進められている。 中国移動(チャイナモバイル)が、TD-SCDMA方式による3Gサービスを提供しているほか、4GのLTEに関しても、TD-LTE方式による商用サービスを2012年中に提供することを目指して、上海、杭州、南京、広州、深セン、アモイ、北京などの主要都市で試験網を構築中である。 中国移動を中心に、システムベンダーからは、華為、ZTE、大唐、ノキア・シーメンス、上海ベル、モトローラ、エリクソン、普天、烽火、新郵通の10社が、チップメーカーからは、海思半導体有限公司(HiSilicon Technologies)、創毅視訊 (Innofidei)、クアルコム、Altair、Sequans、中興微電子の6社が参加している。

試験網の構築計画は、2つの段階で進められる。第1段階は、基地局1,210局を構築、周波数は2.3GHz帯及び2.6GHz帯を利用して、TD-LTEのシングルモード・システムの運用を検証するというもので、中国移動が、2011年9月末に、TD-LTEの試験網の第1段階が終了したことを発表している。 第2段階では基地局を3,400局以上に増設し、TD-SCDMAを含むマルチモードのシステム運用を検証する予定。

中国における移動体通信加入者の状況
キャリア 加入者数(万) 1-9月期増数(万)
移動体全体 うち3G 移動体全体 うち3G
チャイナ・ユニコム(中国聯通) 18,903 3,023 2,161 1,617
チャイナ・テレコム(中国電信) 11,695 2,843 2,643 1,614
チャイナ・モバイル(中国移動) 63,352 4,316 4,950 2,246
93,950 10,182 9,754 5,477
出所:各社サイトより作成

固定ブロードバンドの高速化が加速

工業・情報化部のデータによれば、2011年末における中国の固定ブロードバンド加入世帯数は1億5,600万に達した。このうち、約84%が2Mbps以上のサービスを利用しているという。

2010年以降、固定通信分野大手の中国電信と中国聯通が相次いでブロードバンドの高速化に力を入れ始めた。 背景には、同年1月に国務院(内閣相当)が「三網融合」を加速させるための「工程表」 を公表したことで、 トリプルプレイを巡る通信と放送事業者間の競争が激化するとの見方が強まったからである。 固定通信事業者らは既存ネットワークの高速化を通じて、トリプルプレイ・サービスの本格展開に向けて布陣しようとしている。

2011年2月に、中国電信は「ブロードバンド中国・光ネットワーク都市」プロジェクトをスタートさせた。 2013年までに同社の主戦場である南方21の省・市・自治区にある都市において、最高で100Mbpsに達するサービスをはじめ、 平均では20Mbpsを上回るサービスを順次導入するとしている。2011年末現在、同地域において既に70%の世帯に20Mbpsのサービスを提供可能となった。 また、これまで同社の勢力が比較的弱い北方の各省・市・自治区においてもサービスを強化していく方針を打ち出した。 例えば、内モンゴルにおいて、2011年末現在、既に20~100Mbpsのサービスを提供できるようになっており、2015年までには、300万世帯加入の獲得を目指す。

一方、中国聯通の場合、2011年6月末時点におけるブロードバンド加入者数は5,232万で、このうちの35%は4Mbpsに達する接続速度のサービスを利用しているという。 同社は2012年に入り、ブロードバンドの更なる高速化を全国で展開すると発表した。 計画では、今後3年間、一部の重点都市では、100Mbpsに達するサービス、またその他の都市部では、10~20Mbpsのサービスを順次普及させていく。 その一環として、2012年2月から、北京での無料高速化が開始した。具体的には、512Kbpsを1Mbpsに、1Mbpsを2Mbpsに、2Mbpsを10Mbpsにそれぞれ、無料でアップグレードする。

(注)「三網融合」は、電話網、放送網(CATV)、インターネット網の三つのネットワークを統合することで、トリプルプレイ・サービスの提供を目指しているが、 制度上の統合が最大のネックとなっている。国務院は、2010年1月に、「三網融合」を加速させる「工程表」を決定した。 それによれば、まず、2010年から2012年は、放送と電気通信サービスの双方でテストを行ない、融合が円滑に展開できる政策システム及び体制メカニズムを模索する。 そして、2013年から2015年は、テストの経験を総括した上で、融合を全面的に実現するのに適応したメカニズムと体制を確立させるとしている。

事業者のM&A・国際展開

「一帯一路」構想に呼応する中国移動と中国電信の取組みについて

中国移動は、「一帯一路」に関連したインフラ構築の取組みとして、これまで、単独または協力の形で、東北アジア、中央アジア、南アジア、東南アジアの方面に8本の越境陸上光ケーブル、また、アジア太平洋、欧州等方面に5本の国際海底ケーブルを構築した。このほか、「一帯一路」沿線国に29のPOP(Point Of Presence)を構築し、国内において5つの国際通信業務関門局を整備した。現在、「一帯一路」沿線の21か国・地域において39のTD-LTE商用網の構築も進められている。

通信サービス料金の引下げについて、中国移動は2014年以降、8回に渡って国際通信ローミング料金を引き下げてきた。2017年5月1日に「一帯一路一元」ローミング料金を打ち出し、沿線64の国・地域の国際ローミングの音声通話料金を1分間0.99元に引き下げた。

今後の計画では、中国移動は4つの面で「一帯一路」に取り組んでいくとしている。具体的には、①通信インフラ能力の更なる向上、②通信業務協力の強化に加え、料金低減を引き続き推進し、中欧、アジア太平洋、メコン川流域等におけるマルチルートの通信業務を実現すること、③新技術や新業態における協力方式をさらに開拓し、GTI(Global TD-LTE Initiative)の影響力を生かし、TD-LTEネットワークの国際カバーを拡大すること、④投資により新しい市場へ進出するチャンスを模索する。

一方、中国電信は今後3-5年かけて、「一帯一路」沿線主要地域における情報高速道路を構築するため、10億ドルの自己資金を投資する計画を発表した。これによって、2025年までに電気通信産業チェーンに100-200億ドルのビジネスチャンスをもたらすとしている。

中国電信の計画は、「一帯一路」構想に記載されている11の戦略経路、3つの地域経路のうち、12の経路に関わる。その中で重点的に進められている4つのプロジェクトは、それぞれ、①中国・ラオス・タイ陸上ケーブル経路、②中国・パキスタン情報コリドー、③シルクロード光ケーブル、④中国・ミャンマー・バングラデシュ・インド経路である。

(2017年5月)

中国移動、パキスタン事業を更に拡大へ

中国移動は2007年2月にパキスタンの携帯電話事業者パクテルを完全子会社化し、社名をCMPak(China Mobile Pakistan)に変更している。2008年以降はZONGというブランド名でサービスを展開し、2014年には3Gと4Gライセンスをオークションで落札した。これまでの投資額は累積で30億US$に達した。

2016年末現在の市場シェアは、買収当初の3.5%から19.7%に拡大した。当初の2G(GSM)に加え、3G(W-CDMA)及び4G(TD-LTE)も提供されており、4Gネットワークのカバー範囲は300以上の都市に及ぶ。

更に、2017年初めにCMPakはパキスタンにおける移動通信市場の競争促進に向けて、年内に2億US$を投資、3Gと4Gの基地局数を1万500局まで拡大する計画を明らかにした。

パキスタン電気通信庁(PTA)によると、2016年末時点のパキスタンの携帯電話ユーザ数は1億3,649万である。このうち、CMPakのユーザ数は2,693万で、ロシアのVimpleCom傘下のMobilink及び テレノール・パキスタンに次ぎ市場シェア第3位である。

(2017年2月)

中国本土と台湾、電子商取引分野での連携を強化へ

中国電子商取引研究センターが発表した「2012年上半期のネット小売業観測報告」によれば、2012年上半期において、中国本土のネット小売業(B2C、C2C等)の売上高は5,119億元に達し、前年同期比で46.6%増加した。

ネット小売業の企業数は2万4,620社で同比20.1%増加し、C2Cタイプの個人出店数は1,725万で同比19.0%増加した。また、電子商取引の利用者数は2億1,400万人となり、同比23.7%増加した。

B2C市場について、市場シェアのトップ3はそれぞれ、天猫商城(Tmall)(47.6%)、京東商城(20.5%)、及びテンセントB2C(3.8%)であり、以下4~10位は蘇寧易購、アマゾン中国、凡客誠品、庫巴網、当当網、易迅網、新蛋中国である。

また、C2C市場について、シェアの最も高いプラットフォームは淘宝網(Taobao)(94.5%)であり、以下2位と3位はそれぞれ、拍拍網(Paipai)(5.3%)、易趣網(0.2%)となっている。

同市場の潜在性を見据えて、台湾経済部は台湾系の企業による同分野への進出を後押しするために、資訊工業策進会(資策会)に業務委託し、海峡両岸の企業間の連携が実現しやすいための環境整備に着手し始めた。資策会の調査では、中国本土への進出に意欲を示している企業の割合が73%と高い水準であるにもかかわらず、実際に取り組んでいる企業割合は20%にとどまっているという。背景にはビジネス情報の不足が指摘されている。

状況を改善する取組みの一環として、2012年8月31日に、台北市で開催された双方の関係者による大型シンポジウムでは、「ビジネス情報の交流」、「プラットフォームの連携」、「物流の効率化」及び「コミュニティのイノベーション」という四つのテーマに関する討論が行われた。

双方は、今後、情報交流の場を増やし、台湾系企業はビジネス機会に、中国本土の企業は経営、品質管理等に関するノウハウの習得につなげる可能性を高めていこうとしている。

(2012年9月)

中国電信、中国初となる海外市場でのMVNOサービス提供事業者に

中国電信は、2012年5月22日より、英国にてモバイル通信サービスを正式に提供開始した。サービス名は「CTExcelbiz」で、これより、中国電信は、中国初の海外市場でMVNOサービスを提供する通信事業者となる。

サービスの提供には、英通信事業者最大手Everything Everywhere(オレンジとT-Mobileが合併)のネットワークを利用しており、また、MVNA (mobile virtual network aggregator)事業者であるTransatelからの協力も得ている。

サービスは、プリペイド方式で、通話やメールといった基本サービスの他、交通・観光情報の検索、娯楽・エンターテイメントなどのデータ通信サービスも利用可能で、主に居住、留学、旅行、ビジネスなどの目的で英国に滞在する中国人をターゲットするとしている。

特に今年夏に開催されるロンドンオリンピックには、およそ17万の中国人が渡英すると見られ、その他の英国に滞在する中国人は27万近くいるとのデータもある。 ただし、これまで安価な国際通信サービスが既に提供されており、「CTExcelbiz」がどこまで浸透できるかが試される。

中国電信欧州支社の欧岩総経理によると、これまで同社は法人向けサービスのみを提供していたが、今回の個人消費者向けサービスの提供を皮切りに、今後、欧州他の市場でも同様のサービスを展開していく計画がある。

(2012年6月)

中国電信と米AT&T、戦略的提携協議を締結し、業務提携範囲を拡大へ

中国電信と米AT&Tは2011年11月、戦略的提携協議を締結し、今後、両社は両国間のデータ通信ネットワークを相互接続させ、ユーザにより質の良いWi-Fiローミングサービスを提供することで合意達成した。

両社間の事業協力の始まりは2000年まで遡る。 当時、両社及び上海市情報投資会社と共同で上海信天通信有限公司を設立し、AT&Tは中国においてVPNを含む通信サービスを提供するようになった。

2002年に、中国電信は米国に設置された事務所を子会社に昇格させ、米国通信市場の開拓も視野に入れながら、国際専用線、IDC、VPNなどを中心としたサービスを現地顧客に提供し続けた。 2010年までの同子会社の売上高は年率40%のペースで順調に伸びてきている。

今回の協議では、両社はインフラ及び資源の共同利用を通じて、コストを削減し、ユーザのサービス利用環境を改善し、各種アプリをはじめ、HDテレビ会議やクラウドコンピューティング・サービスといった市場の共同開拓も目指す。

協議に関する具体的な内容は次のとおりである。
  • 中国電信と米AT&Tは、米国における両社のデータ通信ネットワークの相互接続を行い、海外進出した中国企業に対して一体化した情報サービスを提供する。
  • 中国電信との提携を通じて、米AT&Tはネットワーク・技術・コスト等の面を見直し、多国籍企業に対してより質の高いサービスを提供する。
  • 両国外の市場を共同開拓する。
  • 双方の顧客により良いWi-Fiローミングサービスを提供する。
  • 企業間業務プロセスを簡素化し、効率化を図る。

放送・メディア

三網融合に向け一歩前進。北京市でIPTVサービスが正式にスタート

中国聯通北京支社(北京聯通)は北京市でのIPTVサービスを正式に提供開始したと明らかにした。ブランド名は「Wo家庭TV版」である。

同IPTVサービスは、ブロードバンド接続サービスとセットで提供されており、2種類の料金プランが用意されている。具体的には、(1)月間利用料198元で10Mbpsのブロードバンドと10MbpsのIPTV専用帯域のセット、(2)月間利用料218元で20Mbpsのブロードバンドと10MbpsのIPTV専用帯域のセット、また、いずれのプランにも300分間の市内通話が含まれている。

IPTVサービスは中国における三網融合(電話網、放送網(CATV)、インターネット網の三つのネットワークの融合)サービスの代表格で、その発展促進に向け、政府はこれまで複数回にわたり関連政策を打ち出してきた。

中でも、政府は2010年7月に北京市を含む12の都市を指定し、テストケースとして、IPTVの先行提供を許可した。にもかかわらず、通信側と放送側のそれぞれの既得権益に固執し、実質的な進展はあまり見られなかった。それを受け政府は、2011年末に関係者らに対して、放送側の保有する配信プラットフォームと通信側の有する伝送インフラとの接続を速めるようにと指示した。2012年2月には上海メディアグループ傘下の百視通と中国中央テレビ局(CCTV)傘下の中国網絡テレビ局(CNTV)が共同でIPTV配信プラットフォームを構築するようになり、同プラットフォームは中国唯一のIPTV配信プラットフォームとなっている。

一連の動きを受け、北京市では2012年7月になって、通信側の北京聯通と放送側のCNTVおよび北京市テレビ局(BTV)の3社でIPTV事業提携契約書を締結し、2013年3月にようやくサービスの提供に漕ぎ付くことができた。

(2013年3月)

中国電信、電子書籍事業部門をスピンオフして子会社設立へ

3G端末の普及が進むにつれ、中国のデジタル出版産業の市場規模における携帯端末向けコンテンツの割合が高まってきている。成長分野を取り込もうとして、中国電信は2012年11月22日に電子書籍事業部門をスピンオフして子会社を設立することに動き出した。同事業部は2010年の5月に杭州市にて設立され、9月8日よりサービス提供を開始した。

利用者数は、2010年末の250万から2011年末の3,600万に、さらに2012年9月現在では8,000万を突破して、増加のペースが速まっている。ただし、有料コンテンツを利用しているユーザーは1割ほどにとどまっており、今後、魅力的な有料コンテンツを増やし、その利用を促していけるかどうかは事業の成敗を握るカギとなろう。

同社の電子書籍プラットフォームには5万時間に及ぶ音声コンテンツを含む計20万の書籍や、漫画等のアイテムが含まれており、有料コンテンツはこのうちの30%を占めているという。また、有料コンテンツの場合は、紙媒体より10-30%ほど安い値段で提供され、コンテンツプロバイダ数は300社に達しており、中国電信対プロバイダの利益配分率は55:45となっている。

サービスの提供はPC、携帯端末、および専用端末を含むマルチスクリーン向けとなっている。中国電信は複数年にわたり、電子書籍事業に5億元の投資を行い、2014年には黒字化の達成を目指すとしている。ちなみに、2012年の売上高は1億元になると予測されている。

(2012年11月)

ブロードバンド・ICT基盤整備

第13次5か年規画期間(2016-2020)における国家戦略的新興産業発展規画

国務院は2016年12月に「第13次5か年規画期間(2016-2020)における国家戦略的新興産業発展規画」を発表した。新世代情報技術を含むすべての戦略的新興産業の2015年における付加価値がGDPの約8%を占めており、産業革新能力及び収益能力は顕著に向上した。2020年までに同値が15%に達することが目標に掲げられている。

今後の新世代情報技術産業の発展について、下記のとおり、六つの側面からの取組みが求められている。

(一)ネットワーク強国インフラの構築。「ブロードバンド中国」戦略を推進し、高速でモビリティ、安全かつユビキタスの新世代情報インフラの構築を加速させる。高速光ファイバーネットワークの構築を推進。オール光ネットワーク化へまい進、都市部において1,000Mbps以上のアクセスサービスを導入、大中都市の家庭に100Mbps以上の柔軟な選択肢を用意、農村部の光ファイバーカバー率を引き上げ、98%以上の行政村に光ファイバーを導入、半分以上の農村家庭に50Mbps以上の柔軟な選択肢を用意。新世代モバイルブロードバンド網及び次世代放送網の構築を加速させる。

(二)「互聯網+(インターネットプラス)」行動の推進。新世代情報技術と経済社会の各分野の融合発展を促進、「互聯網+」エコシステムを育成。「互聯網+」起業革新、協同製造、現代農業、スマートエネルギー、小口金融、益民サービス、効率物流、電子商取引、利便性のある交通、グリーンエコシステム、人工知能の11重点行動を推進する。

(三)国家ビッグデータ戦略の実施。

(四)情報技術のコア産業の強化。

(五)人工知能の発展促進。

(六)ネットワーク経済の管理方式の整備。電気通信の体制改革を深める。三網融合を全面的に推進、基礎電気通信分野の競争的業務をさらに開放、融合製品及びサービスの市場参入制限を緩和、国有電気通信企業の混合所有制試行を推進する。

(2017年1月)

李克強国務院総理、政府活動報告を行い。ネット金融の制度化、「互聯網+(インターネットプラス)」への取組みを着実に推進へ

李克強国務院総理は2016年3月5日、全国人民代表大会において政府活動報告を行い、情報通信に関する言及が多くあった。

まず、2015年の情報通信分野における成果の達成状況について、重点分野の消費促進プロジェクトを実施し、ネットショッピングや情報消費等が急速に伸びたこと、大衆創業・万民革新の政策を打ち出し、「互聯網+(インターネットプラス)」行動計画が実施され、経済発展の新しい推進力が強化されたこと、工業化と情報化の融合が深まったこと、世界最大のLTE網が構築されたことなどが挙げられている。

また、2016年における重点的な取組み内容について、次の12項目が挙げられている。

  • インターネット金融の発展を制度化すること。
  • 「互聯網+行政サービス」を推進すること。
  • 大衆創業・万民革新、「互聯網+大衆知恵」のシナジー効果を生かし、新型の創業革新体制を構築すること。
  • 「中国製造+互聯網」を推進し、複数の国家級製造業革新プラットフォームを構築し、一連のスマート製造パイロットプロジェクトを実施すること。
  • 複数の光ファイバー化した都市を構築し、5万の行政村に光ファイバーを開通すること。
  • 電力、電気通信、交通等分野への市場参入を大幅に緩和し、民間企業の投資拡大、国有企業改革への参画を奨励すること。
  • ネットワーク情報、スマート家庭等の新興消費を育成すること。
  • 農村部へ電子商取引の普及を推進すること。
  • 農村部に道路、水道、電気、通信網等を開通し、貧困地域の発展能力を強化する。
  • 越境電子商取引の試行を拡大し、企業が輸出製品のために複数の海外倉庫を構築することを支援すること。
  • 国家サイバーセキュリティ保障体系を整備すること。
  • 情報化を活用して社会の治安防犯体系の構築を促進すること。
(2016年3月)

2017年の上場を目指す中国鉄塔会社

2008年9月以降、基礎電気通信業務を提供する通信事業者3社(中国移動、中国聯通、中国電信)による鉄塔・電柱の開放及び共同利用が義務付けられている。その目的は、土地やエネルギー資源の節約、自然環境の保護、及び重複建設を避けると同時に、事業者間の競争を促進することにある。

その後は年ごとに、工業・情報化部は国有資産監督管理委員会と連名で、「電気通信基盤の共同構築・共同利用に関する実施意見」を発表し、その中で、3社の通信基盤の共同構築比率に関するその年の鉄塔や電柱、基地局、伝送路といった項目別の達成目標を数値で示している。

一連の取組みがあったにもかかわらず、2014年の3社による基盤の共有化率は30%にとどまっている。状況を改善するために、2014年7月に新会社「中国通信施設サービス」(2014年9月に「中国鉄塔」に社名変更)が設立された。同社は中国移動、中国聯通、中国電信からそれぞれ、40億元、30億1,000万元、29億9,000万元の出資を受けた上で、既存の鉄塔に関する資産の繰入れや買取りを行うことで、資源の浪費や重複投資を避けて整備・維持コストの削減を図り、LTEの早期普及を目指そうとしている。

中国鉄塔の主な業務内容は、鉄塔の建設・運営・メンテナンスに加え、基地局用局舎、電源、空調設備、及び屋内システムの建設・運営・メンテナンスとなっている。更に2015年10月に同社は通信事業者3社に対し、株式の発行又は現金払いの形で、既存の基地局関連のすべての財産を受入れると同時に、新たな株主として、中国国新ホールディングスからの出資を受入れるとした。

中国鉄塔は2016年1月、通信事業者3社の合計2,034億8,000万元の既存鉄塔関連資産に関する譲渡作業が完了したと発表した。同取引により、中国鉄塔の株式は100億株から1,293億4,000万株に上がり、このうち中国移動は38.0%、中国聯通は28.1%、中国電信は27.9%、中国国新ホールディングスは6.0%の株式を保有する。

中国鉄塔は成立当初、(1)鉄塔の構築能力を整備、(2)通信事業者3社の既存鉄塔資産を買収、(3)上場という3段階の事業計画を策定しており、現在は段階(2)の作業が終わったことになる。同社は2016年に上場に向けての準備作業を進め、2017年の上場を目指すとしている。

(2016年2月)

次世代情報技術産業:2025年までに世界トップクラスの製造水準へ

国務院は2015年5月、「中国製造2025」を公表した。「製造大国」から「製造強国」への転換を目指す。長期的な目標として、1)2025年までに製造強国の仲間入りを果たすこと、2)2035年までに製造業全体の水準を世界「製造強国陣営」レベルにまで引き上げてイノベーション力を大幅に上昇させること、3)2049年までに、総合的な実力で世界の製造強国グループに入ることを挙げている。この目標を実現するため、次世代情報技術産業を含む10の産業を戦略的産業と指定し、重点的に取組む。

「中国製造2025」の実行推進機関として、2015年8月に国家製造強国建設戦略諮問委員会が設立された。同委員会は10月に、「『中国製造2025』重点分野技術ロードマップ(2015年版)」を発表した。同ロードマップは今後、技術の発展状況や市場の変化を考慮し、2年ごとに更新する。次世代情報技術産業の発展の見通しについて、ロードマップでは、次のように示されている。

  • 集積回路及び専用設備関連では、(1)2020年までに、世界先端水準との差が徐々に縮小し、全産業の売上高が年平均20%で増加する。(2)2030年までに、集積回路の産業チェーンの主要部分は世界先端水準に達し、複数の企業が国際上位に入る。
  • 情報通信設備関連では、(1)2020年までに、情報通信設備の産業技術、産業能力が世界強国の仲間入りを果たし、産業体系、革新体系が整備される。(2)2025年までに、情報通信設備産業体系はさらに整備され、産業の総合実力が世界上位に入る。
  • OS及び工業ソフトウェア関連では、(1)2020年までにコア技術でブレークスルーを遂げ、中国の工業ソフトウェア技術標準及び生態体系を形成し、ミドルエンドとローエンドでシェアは30%に達する。(2)2025年までに国産の工業ソフトウェアは市場シェアが50%に達する。重点産業における「互聯網+(インターネットプラス)工業クラウド」の普及率は60%に達する。
  • 知能製造のコア情報設備関連では、(1)2020年までに知能製造のコア情報設備標準体系が整備され、国産の知能製造インフラ、工業制御設備、工業センサー、知能測定器等の国内シェアが40%に達し、売上高100億元以上の企業を5社育成する。(2)2025年までに、国産知能製造のコア情報設備の国内シェアが60%に達し、全体の技術水準が世界先端水準に達する。
(2015年11月)

国務院、全国での三網融合事業の実施を決定

通信と放送の融合を促進するために、国務院は2010年1月に、三網融合を加速させる「工程表」を決定した。まず、2010年から2012年までは、対象を54の都市に限定したうえで、放送と通信サービスの双方でテストを行い、融合が円滑に展開できる政策システム及び体制メカニズムを模索する。そして、2013年から2015年までは、テストの経験を総括した上で、融合を全面的に実現するのに適応したメカニズムと体制を確立させるとした。

このような背景状況もあり、国務院は2015年9月4日に、試行段階が概ね終了したと判断して、「三網融合の拡大方案」を発表し、三網融合の推進範囲を全国に押し広めることを決定した。「三網融合の拡大方案」で示された取組みの目標、内容、および保障措置の概要は以下のとおりである。

目標として、
  • 放送と通信サービスの双方向進出を全国に拡大すること。
  • ネットワーク高度化や技術革新の能力を更に向上させること。
  • 融合サービスやネットワーク産業の発展を加速させること。
  • 科学的な監督・管理体制を作り上げること。
  • セキュリティ能力を著しく向上させること。
  • コンテンツやハード製品、サービスといった情報消費を迅速に成長させること。
が挙げられている。
内容として、
  • 全国で放送と通信サービスの双方向進出を推進すること。
  • ブロードバンドネットワークの構築を加速させること。
  • 情報やコンテンツの安全管理を強化すること。
  • 関連産業の発展を確実に推進すること。
が示されている。

保障措置面では、法令の整備や、関連支援政策を活用して、三網融合のコア技術や製品の研究開発・産業化を支援すること、都市建設の際に通信・放送網用のとう道や局舎、電力施設等のリソースを確保することが挙げられている。

(2015年9月)

民間資本によるブロードバンド・アクセス網市場への参入が開始

ブロードバンド・アクセス網事業を含む基礎通信サービス分野が長年にわたり国有通信事業者に独占されてきたため、民間資本による参入促進は政府にとっての懸案事項であったが、2015年6月末現在、江蘇省南京市における3社(蘇寧(Suning)、網宿科技(ChinaNetCenter)、鵬博士(Dr.Peng))、山東省青島市における1社(山東達通網絡情報有限公司)、及び黒竜江省ハルビン市における6社(蘇寧(Suning)、網宿科技(ChinaNetCenter)、華通誉球通信、黒龍江省新世聯科技、億陽信通、黒龍江省公衆情報産業)が、ブロードバンド・アクセス網市場への参入を許可され、民間資本による同市場への参入が実現した。

参入許可を後押しした政策文書は、2014年11月26日に公表された国務院による公文書(「重点領域の投融資体制の革新社会投資の奨励に関する指導意見」国発(2014)60号)で、民間資本に対するブロードバンド・アクセス網市場の開放及びMVNO試行サービスの更なる促進が明記されている。

これに呼応する形で、工業・情報化部は2014年12月25日に「ブロードバンド・アクセス市場の民間資本への開放に関する通告」を公表し、2015年3月より、16の試行都市(太原、瀋陽、ハルビン、上海、南京、杭州、寧波、アモイ、青島、鄭州、武漢、長沙、広州、深セン、重慶、成都)におけるトライアルの実施を許可した。

また、工業・情報化部による政策発表を受け、ブロードバンド・アクセス網市場への参入意欲を示した民営企業は1,000社を超えていると伝えられている、中には、MVNO企業やコンテンツ・デリバリ・ネットワーク(CDN)事業者、金融会社などが含まれているとされる。

なお、ブロードバンド・アクセス網市場の開放に先立ち、数十社がMVNO市場に参入しており、既に多くの都市でサービスが提供されている。加入者総数は約600万に達しており、更なる規模拡大が期待されるが、価格競争によるARPUの低さが問題視されている。より高い付加価値の創出に伴うARPU値の向上には各社の創意工夫が問われるが、これは、今後、ブロードバンド・アクセス網市場に参入する各社にとっての課題でもあると言えよう。

(2015年7月)

次世代インターネットの発展促進に関する中国政府の直近の取組み

IPv6に基づく次世代インターネットの発展促進に関連して、2012年3月に国家発展改革委員会(以下、委員会)をはじめとする六つの中央政府部門が連名で第12次5か年規画期間(2011~2015年)における発展目標を公表した。主な数値目標は、東部のMAN(メトロボリタン・エリア・ネットワーク)の全て及び西部のMANの50%がIPv6に対応でき、IPv4及びIPv6業務の相互接続が実現し、全体のインターネット普及率が45%に、またIPv6対応のブロードバンドユーザーが2,500万超に達することとされている。

目標の実現に向け、同委員会は2013年8月に「国家次世代インターネット・モデル都市構築作業の展開に関する通知」を公表した。インフラ水準が既に一定のレベルに達した22の候補都市からモデル都市を選び出し、次世代インターネットの利活用におけるビジネスモデルを育成したうえで、全国範囲に押し広めることとしている。

所管機関の役割としては、委員会が全体を統括し、工業・情報化部が通信事業者とインターネット企業に対するインフラのグレードアップに関する指導・支援、科学技術部が同分野における研究成果の利活用支援、広電総局が工業・情報化部と共同で三網融合の関連業務の普及促進においてそれぞれ責任を負うことになっている。

2013年12月に、委員会は15のモデル都市(北京・上海・南京・蘇州・無錫・杭州・鄭州・武漢・広州・成都・西安・カラマイ・アモイ・青島・深セン)及び一つのモデル都市群(湖南省長沙・株洲・湘潭の3都市の連合)を選定したと発表。

今後これらのモデル都市における主な取組みとして、以下の五つの項目が明記されている。(1)次世代インターネットや移動通信、モバイル・インターネット、物聯網(モノのインターネット)、クラウド・コンピューティング、ビッグデータなどの新興情報技術の融合を推進すること、(2)電子政府や産業情報化、公共サービス等の分野においてIPv6技術を活用し、政府調達を通じて新しいサービスを育成すること、(3)主要3通信事業者や放送事業者の設備更新を奨励するとともに、ウェブサイトのIPv6化を推進すること、(4)サイバー・セキュリティ・システムを強化すること、(5)次世代インターネットの啓発作業を強化すること。

また、前述の各所管機関は、毎年3月20日ごろにこれらのモデル都市(群)の発展状況に対する評価を行い、委員会は、各地の進捗状況に応じて資金面での支援を実施するとしている。

(2014年1月)

工業・情報化部、経済社会の更なる情報化を目指す新たな政策を発表

工業・情報化部は2013年10月、既に公表されている「国民経済・社会発展第12次5ヶ年規画」及び「2006-2020年国家情報化発展戦略」に基づき、直近の中国の情報化水準を踏まえて作成した「情報化発展規画」を公表した。同規画は、主な発展目標、取組み及び保障措置の三つの部分からなっており、近未来の中国における情報化発展のアクションプランとして位置付けられている。

主な発展目標としては、2015年までに、次世代国家情報インフラを概ね整備し、国民経済の情報化水準を引き上げるほか、行政や社会福祉事業の情報化を促進し、情報セキュリティの保護能力を上昇させるとしている。この中で、次世代国家情報インフラの整備関連では、固定ブロードバンド加入世帯数を2億7,000万(うち光ファイバは7,000万以上)とするほか、都市部と農村部の平均接続速度をそれぞれ20Mbpsと4Mbpsに達するとし、一部の発達した都市では100Mbps、一定の条件を満たした農村では光ファイバ接続の実現をそれぞれ目指すとしている。

また、3Gネットワークは都市・農村を概ねカバーし、ユーザー数を4億5,000万以上とするほか、LTEとIPv6の商用化を実現し、インターネット利用者数は8億5,000万に達するとしている。さらに、県レベル以上の都市部では、CATVのデジタル化を完了し、このうち80%では双方向化を実現するとしている。加えて、情報化水準の指標の一つとされている電子商取引については、2015年までに、年間取引総額が18兆元を超え、社会消費財小売の総売上高に占める比率を9%強に引き上げるとしている。

さらに、主な取組みとしては、スマート工業の推進やサービス業の情報化レベルの向上、農業の情報化、電子政府の促進、教育や社会福祉をはじめとする公的事業における情報化の発展促進など11の事業に対する言及があり、「ブロードバンド中国プロジェクト」については、郷・鎮(県以下、行政村以上の行政区画単位)の100%と行政村の95%でブロードバンド接続を目指すという数値目標が明記されている。

保障措置としては、産業政策や財政面でのサポート、法規整備の強化などが挙げられている。

(2013年12月)

普及範囲と通信速度の両面のグレードアップを目指す中国のブロードバンド整備

中国におけるブロードバンド網の整備には固定と移動の両方が含まれており、2012年4月から、工業・情報化部は「ブロードバンド普及・高速化プロジェクト」を実施し、2012年末現在、FTTHの新規世帯敷設数は9,400万に達し、ブロードバンドを新たに敷設した行政村は1万9,000個あり、普及範囲の拡大につながった。また、1億7,500万に及ぶ固定ブロードバンド加入世帯のうち、4Mbps以上のブロードバンド利用者数の割合は全体の63%以上に達しており、前年同期比で23ポイント増加した。各地の新規Wi-Fiホットスポット数は524万に達した。料金について、メガバイト当たり利用料金は前年末に比べて30%以上低下したという。

以上の成果を受け、工業・情報化部は2013年2月に「ブロードバンド中国2013特定アクション」と称した取組みを開始し、引き続きブロードバンドの普及およびスピードアップを図ろうとしている。

2013年の目標について、普及範囲拡大の面では、FTTHの世帯敷設数を3,500万以上に、3G基地局数を18万、Wi-Fiホットスポット数を130万に、それぞれ新規増加させる。さらに、貧困地域にある5,000箇所の小中学校におけるブロードバンドの利用環境の整備・改善のほか、1万8,000の行政村において新たにブロードバンドの敷設に努めるとした。また、スピードアップの面では、4Mbps以上のブロードバンド利用者数の割合が全体の70%以上に達するように、年間で7ポイントの引き上げを目指している。

作業任務では、(1)都市部での光ファイバ発展を加速し、モバイル・ブロードバンドのカバー範囲を拡大する、(2)農村部において固定とモバイルの技術を生かしてカバー範囲を拡大する、(3)ネットワークの品質を強化し、ユーザの利用体験を改善する、(4)農村部の小・中学校においてブロードバンド接続を普及させ、教育の情報化を推進することなどが挙げられている。

サポート措置では、(1)工業・情報化部は、都市ブロードバンド指数の発表を計画しているほか、ブロードバンドの通信速度を分析し、ボトルネックとなる要素を改善する、(2)各地の通信管理局は、通信事業者間の相互接続を推進し、相互接続の品質を引き上げる、(3)各地の工業・情報化部主管部門は、他の関連部門と協力して、光ファイバ敷設で生じる賠償金の減免等の政策を検討することなどが挙げられている。

(2013年6月)

固定・モバイルブロードバンド網における政府の取組み

通信分野を所管する工業・情報化部をはじめ、複数の関係政府機関(日本の省庁相当)が連名で、2010年3月に、光ファイバ・ブロードバンド網、及び3G網の整備を推進する二つの政策を打ち出した(表参照)。 名を連ねたこれらの関連政府機関から分かるように、政府は、固定及びモバイル・インフラの整備がスムーズ、かつ迅速に展開できるように、財政、税務面での支援強化にとどまらず、土地、建物利用の面からも 有利な環境が確保できるように後押ししようとしている。政府がブロードバンドの高速化に関してこれほど具体的な数値目標を打ち出したのは、今回の政策が初めてである。

表 固定・モバイルブロードバンド網の高速化促進策の概要
光ファイバ・ブロードバンド網 3G網
2010年3月17日 発表時期 2010年3月17日
工業・情報化部、国家発展改革委員会、科学技術部、財政部、国土資源部、住宅・都市農村建設部、国家税務総局 関係機関 工業・情報化部、国家発展改革委員会、科学技術部、財政部、国土資源部、環境保護部、住宅・都市農村建設部、国家税務総局
- 同ネットワークの整備推進は、内需拡大、成長確保、及び雇用確保の実現だけではなく、長期的には国全体の競争力向上にも重要な戦略的な意義を持つ。
- 現状では、都市、農村間の発展が不均衡で、利活用が不十分。さらに、収益性の低い農村地区におけるインフラ整備に通信事業者の積極性が欠けている。
問題意識 - 3G網の構築は3Gサービスの発展における重要な段階だけではなく、同サービスの成否にかかわることでもある。
- 現状では、基地局構築用地の選定が困難に直面し、アプリケーションサービスが不足している。
年内に、光ファイバ・ブロードバンドのポート数を8,000万か所以上に増やし、都市部の平均接続速度を8Mbps以上、農村部を2Mbps以上、オフィスビルを100Mbps以上に引き上げる。 今後3年間に1,500億元以上を投じ、新規ユーザ5,000万の獲得を目指す。 目標 年内に、すべての地方都市、大部分の県、郷・鎮、主要高速道路、観光地等をカバーできるように3G網を整備し、投資総額は4,000億元、基地局数は40万以上の達成、1億5,000万の3Gユーザ獲得を目指す。
- 各関係機関を通じて所管分野内での調整を求める。
- 一定の条件を満たした企業に対して税制優遇措置を与える。
- 関連製品・サービスを「国家自主創新製品リスト」と「政府調達用自主創新製品リスト」にリストアップする。
- 既存の「村村通電話」プロジェクトや、その他の農村の情報化推進政策などの進行もあわせて進める。
- 電子政府、医療、都市管理等分野での普及を促進する。
- 研究開発への投入拡大を強化する。
- 事業者間相互接続の関連措置を改善し、インフラの共同建設・利用の改善を図る。
主要措置 - 各関係機関を通じて所管分野内での調整を求める。
- 一定の条件を満たした企業に対して税制優遇措置を与える。
- 認定されたTD-SCDMA製品・サービスを「国家自主創新製品リスト」と「政府調達用自主創新製品リスト」にリストアップする。
- 行政の情報化及びeビジネスにおいてのTD-SCDMAを初めとする3G技術の利用を奨励する。
- 重点プロジェクト、技術改造専用資金等の利用を徹底する。
- 事業者間相互接続の関連措置を改善し、インフラの共同建設・利用の改善を図る。
出所:発表政策を基に作成

特に、光ファイバ・ブロードバンド網整備の目標実現について、工業・情報化部は他の関係機関からの協力を呼びかける一方、 既存の「村村通電話」プロジェクトや、その他の農村の情報化推進政策などの進行もあわせて進めるようにしている。固定ブロードバンド網の整備は都市部に限定されず、 広大な農村地域まで大掛かりに拡大しようとしている狙いが伺える。 一方、3G網については、現時点では比較的経済発展が進んでいる地域に限定し、3方式(TD-SCDMA、W-CDMA、CDMA2000)(注)あるネットワークのうち、 中国政府が威信をかけて育成してきたTD-SCDMA方式を手厚く支援する姿勢は変わらない。

(注)いずれも第3世代携帯電話(3G)方式の一つ。 「符号分割多元接続」(CDMA)と呼ばれる無線通信の技術標準に基づく。TD-SCDMAは中国独自の仕様である。CDMA2000は北米、W-CDMAは日本及び欧州で主に用いられている。

モバイル

携帯電話の国内長距離料金、ローミング料金が撤廃

中国における携帯電話の国内長距離料金、及び契約地以外での利用時のローミング料金が、2017年9月1日より撤廃された。約23年間続いていた同料金体系に終止符が打たれたことに。

中国政府は、近年、通信分野における料金の低廉化や民間資本の参入促進といった一連の政策を通じて、ネット利用環境の改善、情報消費及び雇用促進、更には、経済社会全体の底上げにつなげる方針を進めてきた。その一環で、2017年3月に李克強首相が行った政府活動報告では、携帯電話の国内長距離料金及びローミング料金の撤廃が求められた。

これを受け、中国電信、中国移動、中国聯通の通信事業者三社は相次いで、実現に向けての準備を進め、当初、2017年10月1日からの新料金プランの導入を発表した。

しかしながら、中国電信の楊傑董事長は7月27日、同社が計画より1か月早く、9月1日からこれら2種類の料金を廃止すると発表した。同日、中国移動及び中国聯通も9月1日より、2つの料金を廃止すると公表した。

料金体系の見直しによる減収は、三社が合計で10億元超になると見られる。だが、2017年上半期における三社の売上高が合計で6,454億元に達していることを考えれば、10億元の減収による各社への影響は限定的との見方もある。

(2017年9月)

工業・情報化部、2016年内における携帯電話の実名登録率の100%達成を目標

工業・情報化部は携帯SIMカード販売の実名登録制について、通信事業者各社に対し、2016年内における実名登録率の100%達成を求めている。

工業・情報化部は2016年11月に「通信情報詐欺の更なる防止及び取締り作業に関する実施意見」を発表した。これは、同9月に最高人民法院、最高人民検察院、公安部、工業・情報化部、中国人民銀行、及び中国銀行業監督管理委員会の6部門が連名で公表した、「電気通信・インターネット詐欺の防止と取締りに関する通告」を確実に実施するためのものである。

2016年10月末時点の実名登録の達成率は96%とされており、年内に登録手続きを済ませていない全てのユーザのサービスが停止される。むろん、すべてのMVNOにも同様の対応が求められている。

工業・情報化部は、2010年9月からプリペイド式携帯SIMカードの販売に実名登録制を導入し、既存加入者の3年以内での個人情報の追加登録を求めたが、実施状況が芳しくなかった。また、2013年7月に、状況を改善するために、同部はパブリック・コメントを経て、「電話利用者の真実身分情報登録規定」を正式に発表し、同年9月1日より固定電話及び移動電話の両方で実名登録が開始された。

実名登録制を推進する法的根拠として、2016年11月に「インターネット安全法」(2017年6月1日の施行開始)が成立した。第24条では、ユーザはインターネットアクセス、ドメイン名登録サービス、固定電話と携帯電話のネットワークアクセス等の手続きを行う際、インターネット運営事業者に身元情報を提示しなければならないと明記している。

(2016年11月)

中国政府主導の5Gに関する取組みが活発化

中国では、2020年頃の5Gの商用化開始が業界内の共通認識とされており、その実現に向けての政府主導の取組みが活発化しつつある。

2013年2月に、通信分野を司る工業・情報化部、産業全体の発展促進を担う国家発展・改革委員会、及びハイテク技術の促進を所掌する科学技術部の三者が共同でIMT-2020(5G)推進グループを発足させた。同グループは、5Gを推進するプラットフォームとして、国内の関係機構と共同で国際的な協力を展開し、5Gの国際標準化を推進することを目標としており、これまで数回にわたり、関係者を集めた会議を開いてきた。また、2014年6月に、同グループは韓国との間で「中韓5G協力覚書」を交わし、双方の協力関係も確立させた。

また、国家ハイテク研究発展計画(863計画)においては、5Gに関する研究開発プロジェクトが進められており、既に約3億元の資金が投入され、国内外の企業や研究機関など50社余りによる多数の研究開発が行われているという。重点項目の中には、5G専用の周波数の特定及び関連技術の開発、大容量のモバイルネットワークの構築技術などが含まれている。

これらの動きに関連した企業の取組みとして、特に注目が集まっている企業は華為技術(Huawei)である。同社は5Gの研究開発に2018年までに6億US$に及ぶ投資を行うとしており、2014年11月には、シップ投資基金(UKRPIF)からの助成金及びモバイル関連事業者からの投資を得て英国のサリー大学内に設置された「5Gイノベーションセンター(以下、5GIC)」に関し、世界初の5Gテストベッドを同大学内に構築すると発表した。

テストベッド構築完了は2015年9月に予定されており、3フェーズに分けて実施される。第1フェーズは2015年4月までに開始し、5GICの研究者や参画企業らと超密集ネットワーク向けクラウドベース・ラジオアクセスネットワークの検証実験等を行い、その後SCMA(Sparse Code Multiple Access)を含む5G向けにデザインされた新波形の検証につなげるとともに、将来的な通信標準規格に向けた研究を行うとしている。更にテストベッドが完成後、2018年初頭までにはサリー大学のキャンパス全体を5Gインフラでカバーし、実世界に近い環境下で1万7,000人の大学生及びスタッフに最新技術を提供する予定である。

(2014年11月)

進展なしの移動電話番号ポータビリティ・トライアル

中国では、事業者間競争を促す試みの一環として、2010年11月22日より、天津市と海南省において(ローカル網内)移動電話の番号ポータビリティのトライアルが実施された。当初、2011年5月までのトライアルとされていたが、いったんは2011年の11月まで延長され、その後も終了することなく、事実上の無期限延長となっている。

実施内容では、下記のとおり、事業者間での移行が一部制限されるうえ、天津市と海南省では異なる内容となっている。

天津市では、基本的に双方向の移行である。中国移動の3G(TD-SCDMA方式)加入者は、他のサービスへの移行ができないが、中国聯通、中国電信の加入者及び中国移動の2G加入者は互いに移行できる。

他方、海南省では、基本的に片方向の移行である。中国移動の2G加入者のみが中国電信、中国聯通に移行でき、中国電信、中国聯通の加入者及び中国移動の3G加入者間の移行はできない。

2012年6月30日現在、天津市及び海南省において、ユーザが通信事業者を変更した件数は累積で6万4,654件に達しており、そのうち、通信事業者を2回変更した件数は1,174件であった。

同時点での両地域における加入者総数は2,000万も超えていることから考えてみれば、制度の恩恵を享受できたユーザの少なさは言うまでもない。

業界内では、番号ポータビリティはシステムの構築に巨額なコストがかかる割には競争の促進効果が薄いとの見方が根強く、近いうちには天津市と海南省以外の地域への制度拡大の可能性はないと見られる。

(2012年8月)

クラウド、ビッグデータ、電子政府

北京、上海など5つのクラウドコンピューティング・サービスの試行都市に対して15億元の資金援助

国家発展・改革委員会は2011年10月に、北京、上海、深セン、杭州、無錫の5都市におけるクラウドコンピューティング事業に対して15億元に及ぶ資金援助を行うと明らかにした。 これら5つの都市は2010年10月に、クラウドコンピューティング・サービスのテストを行うモデル都市として指定された。

主な作業内容および狙いとして、以下4点が挙げられている。
  • 国内の情報サービス業者が、政府、企業、個人のニーズに応じて情報サービスを提供し、SaaSなどのクラウドコンピューティング・サービスのモデルを模索する。
  • 企業を主体として、クラウドコンピューティングのコア技術の研究開発と産業化を強化する。
  • 国レベルのクラウドコンピューティング産業聯盟を設立する。
  • 技術標準、サービス標準、セキュリティの管理規定などを策定する。
また、工業・情報化部ソフトサービス業司の謝渡嬰副司長は、中国のクラウドコンピューティング産業はまだ発展の初期段階にあり、今後は発展計画および業界標準等の研究・策定を強化すべきと指摘していた。 クラウドコンピューティング産業について、今後、工業・情報化部は主に以下の5項目を重点とすると明らかにした。
  • 重大プロジェクトを通じて、ネットワークに対応するプロジェクト、高度化IDC等のコア技術の研究開発及び産業化を支援する。
  • クラウドコンピューティングに関するソフト技術を研究開発し、サービスの標準を研究・策定する。
  • 優位性のある企業によるクラウドコンピューティング産業チェーンの構築を加速する。
  • 国家発展・改革委員会と協力して、北京、上海、深セン、杭州、無錫の5都市でSaaS、IaaS等を推進する。
  • クラウドコンピューティング事業者をサポートする。

電子政府事業の促進

電子政府の建設は、国家情報化推進の重点項目として進められてきた。 その中で、1990年代以降、中央政府主導の下、「三金プロジェクト」と呼ばれる、「金橋」(経済情報プロジェクト)、「金関」(税関ネットワーク化プロジェクト)、 及び「金カード」(電子マネープロジェクト)が進められてきた。

2006年3月に国家情報化リーダー・グループが「国家電子政務の総体枠組み」を発表した。 その中で、「第11次5か年規画」期間(2006~2010年)における電子政府の発展目標として、2010年までに、全国レベルで相互接続のできるネットワークを基本的に完成し、 管理体制を一層整備し、50%以上の行政許認可手続をオンラインに切り替え、オンライン・サービスの利用による行政コストの削減を実現し、監督・管理能力や公共サービスの質を高めるとしている。

また、2006年5月、国務院の発表した「2006~2020年国家情報化発展戦略」においても、電子政府の推進が取り上げられた。 中央と地方が協力し、多種の技術手段が互いに結合する電子政府の公共サービスの体系を徐々に構築すること、電子政府の公共サービスが町内、コミュニティとルーラル地域への延伸の推進を重視すること、 サービス内容を徐々に増やし、サービス範囲を拡大させ、サービスの質を高めることによって、サービス型政府の建設を推進するとの方針が示された。

最新の5か年規画に当たる「第12次5か年規画」では、同規画期間中(2011~2015年)において、電子政府建設の更なる発展を推進するとしている。 特に、重点は各部門が独自に構築したネットワーク間の相互接続、及び業務の高度化に置かれる。

スマート社会

農業部、「第13次5か年全国農業農村情報化発展規画」を発表

農業部は2016年9月に「第13次5か年全国農業農村情報化発展規画(2016-2020年)」を発表し、今後5年間における農業・農村の情報化発展の全体目標を明確にした。

2020年までに、「互聯網+(インターネットプラス)現代農業」の建設が著しい効果を成し遂げることや、農業及び農村情報化水準の向上、情報技術の農業生産・経営・管理・サービスとの全面的融合を推進していくことが目標として挙げられた。

同規画は、下記5つの方面における18の項目に及ぶ取組みを明示した。
  • 農業生産への情報技術の活用強化に関連した5つの取組み
  • 農業分野及び農村における電子商取引の発展促進に関連した3つの取組み
  • 農業行政の情報化水準向上に関連した4つの取組み
  • 農業・農村情報サービスの利便性向上と普及に関連した3つの取組み
  • 農業・農村情報化の発展を支えるインフラの強化に関連した3つの取組み
また、目標の達成に向けて提示された8つの重点プロジェクトは、以下のとおりである。
  • 農業設備のスマート化
  • 農業物聯網(モノのインターネット)の地域的試行
  • 農業電子商取引
  • グローバル農業データ調査分析システムの構築
  • 農業行政情報化の推進
  • 農村世帯への情報普及
  • 農業情報化における科学技術の革新能力の向上
  • 農業情報経済試行地域の構築

今後、農業部は、関連部門との積極的な協力を通じ、有力な措置を講じることによって、地方及び企業の積極性・創造性を引出し、プロジェクトの進行上で現れる諸課題を解決しながら、同規画の実施を進めていくとしている。

(2016年9月)

セキュリティ、プライバシー

中国におけるネット利用の実名登録制がスタート

国家インターネット情報弁公室(以下、弁公室)は2015年1月13日に、法令(「電気通信とインターネットユーザの個人情報保護規定」「電話ユーザの身分情報登録規定」)に基づき、24のウェブサイト、9のネット上のコラム、17の微信(WeChat)公式アカウントを閉鎖したと発表。閉鎖の理由として、これらのサービスは、共産党や政府機関、報道機関の名義に成りすまして虚偽の情報を発信したり、賭博・詐欺・わいせつな情報を発信したり、時事ニュースを掲載する資格がないのに掲載したりしていたとした。

また同弁公室は、中国版ツイッターの微博(Weibo)やBBS、ウェブサイトといったネットサービスについて、2015年中に実名登録制を導入する方針も明らかにした。

続く2月4日、同弁公室は「インターネット利用者アカウント名称管理規定」(以下、規定)を公表し、施行開始の3月1日以降、実名での登録が必要とされる。同規定は10条からなっており、国内でアカウントを新規登録・使用・管理する際に適用されることになっている。また、規定では、アカウントとは、法人または個人がブログ、マイクロブログ、チャットソフト、BBS、ニュースサイトのコメント欄など、各種ネット情報サービスの利用時に登録・使用するものを指すと明記されている。

サービスの利用時には、本名とは異なるユーザ名の使用は可能であるが、国益に反したり、他人の法的利益を侵害したり、社会安定を破壊したりするなど9項目に及ぶ違反に該当しないことが前提条件となっている。

また違反が発覚した場合は、サービスの提供者が同アカウントの取消しに加え、主管部門に対する報告の義務も課されており、処罰については、関係部門が法令に基づき行うとされている。

ちなみに、中国インターネット・ネットワーク情報センター(CNNIC)の発表したデータによれば、2014年6月現在、インターネット利用者数は2013年末より1,442万増の6億3,200万に達し、このうち携帯電話経由の利用者数は5億2,700万で、全体の83.4%を占めており、PC経由の80.9%を初めて上回った。

(2015年2月)

インターネット情報サービス市場の秩序作りに向けてのルール整備

工業・情報化部は2011年12月に「インターネット情報サービス市場の秩序作りに関する若干規定」(以下、「規定」と略す)を公布し、2012年3月15日より施行開始した。

背景には、「消費者権益保護法」、「中華人民共和国電信条例」、「インターネット情報サービスの管理方法」といった既存の法・規定において、インターネット情報サービス分野に関するプロバイダーの責務およびユーザの権益保護関連の内容が欠けており、その空白を埋める必要があった。

「規定」において、ユーザの権益保護関連の内容として、ユーザに対してプロバイダーが行ってはならない行為が明文化され、違反した場合は、警告処分に加え、1万元以上3万元以下の罰金を科すと明記された。例えば、正当な理由なく、ユーザのサービス利用を拒否、中断、あるいはユーザの選択を制限するなどの行為は禁止の対象となっている。

特にプライバシー保護に関して、「規定」では、「ユーザ個人情報とは、ユーザと関連し、単独でまたはその他の情報とあわせてユーザの識別に至る情報である」としたうえで、ユーザの承諾なしでの情報収集や他者への情報提供、必要外の情報収集、および情報の適切な保管などプロバイダーへの責務を明確にし、さらに情報漏洩が生じた場合は直ちに救済措置を講じること、また重大な結果に陥った場合は、至急に監督機関に通知し、監督機関による調査に協力することなどが盛込まれている。

「規定」の法的位置づけは工業・情報化部令であるため、適用できる最も厳しい罰則手段でも最高で3万元までの罰金と定められている。また取り締まる範囲も限られている。このような状況もあり、「規定」の公布はネット情報サービス市場における健全性の確保に一歩前進したと評価できるが、更なる法規整備に向けての取組みが不可欠である。

(2012年10月)

放送・メディア

2020年までの地上デジタルテレビ放送への完全移行を目指す

中国の地上デジタルテレビ放送(地デジ)には独自のDTMB規格(マルチキャリア方式とシングルキャリア方式併用)が採用されている。同規格は、2011年12月に日米欧に次ぐ4番目のデジタルテレビの国際標準となった。

2008年以降、北京、上海など都市でのサービスが開始したが、明確な移行のスケジュールは示されていなかった。そうした中、2012年7月に国務院によって打ち出された政策(国家戦略的新興産業発展の第12次5か年規画)において、2015年までに地デジ放送ネットワークの構築をおおむね完成させるとしたのに続いて、2013年1月、工業・情報化部、広電総局、国家発展・改革委員会、財政部、国家工商行政管理総局、国家質量監督検査検疫総局の6部門は連名で、「地デジ受信機の普及に関する実施意見」を発表した。

今後の目標として、3から5年間かけて地デジ受信機を普及させ、2020年までに全てのテレビを地デジに対応させるとしている。

実施プロセスは2段階に分かれており、まず、2014年1月1日から販売される全ての40インチ以上のテレビを地デジに対応させ、次に2015年1月1日から販売される全てのテレビを地デジに対応させるとしている。

上記の期限までに地デジに対応していなかった在庫品については、地デジ対応のセットトップボックス(STB)の贈呈、また、CATVが開通しておらず、衛星放送対応のSTBを利用している農村部では、そのSTBに地デジ機能を追加することを奨励している。

保障措置では、(1)企業の研究開発を支援しコスト・パフォーマンスを引き上げるとともに、テレビに地デジの標識マークを付けさせる、(2)地デジの普及を加速させるため、企業の拡販を支援し、消費者の購入を奨励する、(3)啓発を強化して、民衆の認知度を向上させる、(4)知的財産権を尊重し、技術革新を促進させることが挙げられている。

組織体制では、(1)国家発展・改革委員会は、テレビの発展計画・支援策を策定する、(2)工業・情報化部は、関係部門と協力して企業の地デジ対応受信機生産を指導し、地デジの標識マークの張付け作業を所管する、(3)広電総局は、地デジ放送網の構築・管理を所管する、(4)財政部は、関係部門と協力して家電企業の技術革新を財・税政策の面で支援するとしている。

(2013年2月)

SARFT、海外テレビドラマ・映画の輸入及び放送管理をいっそう強化へ

放送分野を司る国家ラジオ映画テレビ総局(SARFT)は2012年2月9日、「海外テレビドラマ・映画の輸入及び放送に関する管理を強化する通知」を発表した。 海外テレビドラマ・映画の輸入審査や、輸入後及び放送時間等に関する管理を強化する方針を改めた。

海外テレビドラマ・映画(以下「海外作品」)の輸入に対する審査を強化する。 SARFTは、毎年1月及び7月の1~10日に海外作品の輸入に関する申請を受理する。 高画質の海外作品の輸入を優先し、ドラマは原則50話以内のものとする。

輸入された海外作品の契約延長に対する管理を強化する。 輸入された海外作品について、SARFTによる「テレビドラマ発行許可証」の期限が切れた後、関連契約を延長するためには、省レベルのSARFTの出先機関を通じてSARFTの許可を取得する必要がある。 SARFTは、各四半期の最後の1ヶ月間に関連作品に対して審査を行い、許可証を再発行する。

輸入された海外作品の放送への管理を強化する。 海外作品は、ゴールデンタイム(19:00-22:00)に放送してはならない。 1日に放送する海外作品は、同日に放送するすべてのテレビドラマ・映画作品の4分の1以下にする。 また、海外作品を紹介する番組についても、1回当たり引用できる海外作品は3分間以内、累計で10分間以内に制限する。

なお、上記通知は、公表日から施行され、あわせて、既存の関連規定が廃止されることになる。


第12次五か年規画(2011-2015)期間中、直接放送衛星方式による「ラジオ・テレビ戸戸通プロジェクト」を推進へ

放送を全国に行き届かせるために、国家ラジオ映画テレビ総局(SARFT)は1998年より、「ラジオ・テレビ村村通」プロジェクトを進めてきた。 第11次五か年規画が終了した2010年末時点において、目標とおり、20世帯以上の電気の通った自然村におけるラジオ・テレビの開通が実現された。

これを受け、SARFTは2011年9月に、第12次五か年規画(2011-2015)期間中における同プロジェクトの実施対象を主に20世帯以下の電気の通った自然村にし、 「村村通」から「戸戸通プロジェクト」の推進に切り替えると発表した。そのために導入されたのは、直接放送衛星公衆サービスである。

2011年4月より、寧夏、内モンゴル、河北省の農村部において、直接放送衛星公衆サービスの試行が開始し、40系統以上のラジオ・テレビ番組の視聴の他、 緊急放送の受信、総合情報の取得、電気通信などの利用もできる。 具体的には、テレビ番組の場合は、16系統のCCTV番組、1系統の教育テレビ番組、1系統の省内衛星テレビ、および7系統の少数民族言語の番組の受信が可能で、 またラジオの場合は、計17系統の番組の受信ができる。 さらに、セットトップボックスには移動電話の通信機能が内蔵されており、電話としての利用も可能となっている。

同期間中の目標として、2015年までに、電気の開通している20世帯以下の自然村のすべてをカバーする予定である。 具体的には、2011年内にCATVが開通していない郷・鎮(県以下、行政村以上の行政区画単位)で直接放送衛星の受信設備のサービス拠点を設け1,000万世帯をカバーし、 2012年に累計5,000万世帯、2013年に1億世帯、2014年に1億5,000万世帯、2015年に2億世帯をカバーする。


コンテンツ資源・生産・伝播手段のデジタル化を中心とした2015年までのデジタル・コンテンツ振興策について

中国共産党中央弁公庁、国務院弁公庁は2012年2月に「国家第12次5か年規画期間中における文化改革・発展規画綱要」を発表し、デジタル・コンテンツの振興に関する具体的な措置を示した。

同綱要には2015年までの文化改革・発展に関する10大目標が掲げられている。 例えば、ケーブルテレビ、直接放送衛星、通信網といったコンテンツの伝送手段の世帯普及率を50%に高め、国民のコンテンツに接する権益を保障することや、デジタル・コンテンツのデータ総量を530TBに引き上げることなどが含まれている。

目標の実現に向け、九つの重点プロジェクトが明記されている。コンテンツのデジタル化建設プロジェクトがその一つである。 同プロジェクトは、コンテンツ資源のデジタル化、コンテンツ生産のデジタル化、及びコンテンツ伝播手段のデジタル化の三つの部分に分かれている。

コンテンツ資源のデジタル化は、具体的に、デジタル技術を用いて、共産党の歴史文化資源の修復・整理、放送機関が保有するドキュメンタリーや国産映画の修復・保存、国家知的資源および全国文化遺産のデータベースなどの建設、 デジタル図書館・博物館・美術館、さらに少数民族文化資源のデジタル化などが対象となっている。

コンテンツ生産のデジタル化は、具体的に、デジタル・コンテンツの生産、転換、加工プラットフォームの設立、伝送網の整備をはじめとする携帯など各種端末用のデジタル・コンテンツの提供システムの構築、アニメやネットゲーム、 デジタル書物の発展、3D視覚産業の育成、デジタル印刷の発展などを指す。

コンテンツ伝播手段のデジタル化の内容は、具体的に、ケーブルテレビのデジタル化転換、次世代放送網の建設、地上デジタルテレビやモバイルテレビのカバー範囲の拡大、通信ブロードバンド網の建設、国家デジタル図書館の整備、出版物のデジタル化などとなっている。

電波関連

工業・情報化部が5G向けミリ波帯の分配に関する公開諮問を開始

中国工業・情報化部(Ministry of Industry and Information Technology: MIIT)は2017年6月8日、5G向けミリ波帯の周波数分配に関する公開諮問を開始した(注1)。MIITは、5Gシステム向けの主要なミリ波帯として、24.75-27.5GHz、37-42.5GHz及びその他のミリ波を分配することについてパブリックコメントを求めている。

公開諮問を通じて、当該ミリ波帯の使用状況や将来の利用計画、ミリ波帯の技術的な課題(無線周波数デバイス、チップ、試験、測定等)、実現可能なソリューション、周波数ロードマップ等について、業界からフィードバックを得ることが目的となっている。また、当該帯域の5Gネットワークと、隣接する帯域の他の無線システムとの間の両立性や共用に関する課題を抽出することも求められている。パブリックコメントは2017年8月7日に締め切られる予定となっている。

なお、MIITは、5G向けミリ波帯の分配に関する公開諮問に先立ち、2017年6月5日に、5G周波数として3300-3600 MHz(3300-3400 MHzは屋内利用限定)及び4800-5000 MHzを使用する計画に関する公開諮問を開始しており、パブリックコメントの締切は同年7月7日となっている(注2)。

(2017年6月)

中国政府、5Gの標準獲得に向け早々と取組み開始

中国では、2013年末に4GとされるTD-LTE免許を付与したばかりだが、それより半年以上前に5Gの推進グループを発足させ、5G取組みのスタートを切った。

2013年4月、工業・情報化部、国家発展・改革委員会、科学技術部の共同によるIMT-2020(5G)推進グループが発足し、第1回目の会議を開催した。

4G免許の正式付与よりも半年以上前に5Gへの取組みを開始した背景には、中国独自の知的所有権を多く有する3GのTD-SCDMA方式、4GのTD-LTE方式の続きで、TD規格の5G標準の確立を確かなものにしようとする思惑がある。設立された推進グループは、5Gを推進するプラットフォームとして、国内の関係機構と共同で国際的な協力を展開し、5Gの国際標準化を推進することを目標としている。

推進グループの顧問には、中国工程院(The Chinese Academy of Engineering)院士でデータ通信技術専門家の▲賀銓氏、また座長には工業・情報化部電信研究院院長の曹淑敏氏がそれぞれ就任した。(▲は鳥のへんにおおざと)

推進グループには、技術、市場ニーズ、周波数及び標準化担当の四つのサブグループが含まれており、セルフ・イノベーションを重視しながら、国際的な連携も並行して進めるスタンスで、特に国際機関においてより多くの技術標準を単独で獲得するだけではなく、他国事業者・メーカーとの共同での標準獲得も視野に入れている。そのためには、同グループは発足した直後の6月に、「中韓5G協力覚書」を交わし、韓国との協力関係を確立させた。

これらの動きに関連した企業の取組みとして、華為技術(Huawei)が5Gの研究開発に2018年までに6億US$に及ぶ投資を行うと発表したのに対して、中国移動研究院の黄暁慶院長は、自社の4G商用化が始まる前に既に5Gに関する研究に着手し始めたことを明らかにした。

(2014年2月)

工業・情報化部、電波管理の第12次五か年規画(2011-2015)を発表

工業・情報化部は2011年6月30日に、電波管理に関する第12次5か年規画を発表した。 規画には、第12次5か年規画期間(2011-2015)における目標、任務及び重点プロジェクトについて、下記のように示されている。

【目標】
  • 電波の周波数及び無線局に対する管理能力を高め、重点地域をカバーする電波の監測・記録システムを構築し、全国の周波数及び無線局に関する情報の完成度及び正確さを95%以上にする。
  • 重点とする無線業務の電磁環境適合性を分析するとともに、短波及び衛星に対する監督を強化する。超短波の固定監視局のカバー率を現在の15%から50%に引き上げる。
  • 関連人材を育成し、電波管理従事者の学歴水準を引き上げる。
【主な任務】
  • 電波の周波数割当計画及び衛星軌道の分配を総括的に策定する。
  • 電波管制、特に緊急事態時の電波管制の計画を策定する。
  • 無線局に対する管理を強化する。
  • 周波数割当に関わる協力及び国際的な協力を強化する。
  • 電波管理の基礎研究を強化する。
  • 民用・軍用電波への管理の融合を推進する。
  • 無線産業の持続的な発展を誘導する。
【重点プロジェクト】
  • 電磁環境適合性分析システムの構築
  • 電波管理システムの情報化
  • 短波監視ネットワークの更新
  • 衛星監視ネットワークの更新
  • 無線設備の測定システムの構築
  • 国家電波管理技術の検証プラットフォームの構築
  • 超短波監視ネットワークの構築
  • 衛星による電波監視データの転送ルートの構築