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オーストラリア

市場トレンド

モバイル放送・メディア

モバイル

テルストラのLTEネットワークの人口カバレッジが99%に到達

オーストラリアでは、テルストラ、オプタス及びVHA(ボーダフォン・ハチソン・オーストラリア)の移動体設備事業者3社が2013年6月までに都市部でのLTEサービスを開始している。

また、LTE-Aサービスも2014年9月からオプタスがシドニー等5都市で、10月からVHAがアデレード及びメルボルンで、11月からテルストラが主要都市及び地方市区の計14か所で開始している。

なお、2017年8月、テルストラは自社の4Gネットワークが約7,000の基地局により、140万平方kmの面積をカバーし、その人口カバレッジが99%に達したことを発表している。

(2017年8月)

放送・メディア

通信メディア庁が地域コンテンツの利用動向を調査、住民の86%が地域ニュースは重要であると認識

通信・放送分野の規制機関であるオーストラリア通信メディア庁(ACMA)が地域コンテンツの利用動向に関する調査報告書を公表した。主な調査結果は以下の通りである。

  • 86%が地域ニュースは重要であると認識しており、87%が地域コンテンツの質に全体的に満足している。
  • 地域ニュースの情報源として最も選好されているのがテレビ(34%)、続いて活字メディア(21%)である。また、最も信頼のおける情報源は商業テレビ放送(21%)である。
  • 2013年実施の調査と比較すると、地域ニュースへのアクセス方法としてソーシャルメディア(18%)、ウェブサイト(26%)が占める割合が飛躍的に増加している。
  • シニア世代はテレビ、新聞、ラジオ等の既存メディアを好むのに対して、若い世代はオンライン情報源を好む傾向がある。
(2017年6月)

2013年12月に地上デジタル放送への移行が完了

オーストラリアでは1998年に「テレビ放送サービス(デジタル転換)法」が施行され、2001年1月に地上デジタルテレビ放送が開始、2004年1月には全国域での受信が可能となった。アナログ停波は2010年6月にビクトリア州ミュードラ広域市サンレイシア地区で開始され、2013年12月10日にメルボルン及び中央部及び東部の遠隔地域での停波をもって、地上デジタル放送への移行が完了した。

政府は年金受給者や障がい者、生活保護受給者等のデジタル放送移行を支援する「世帯支援スキーム(Household Assistance Scheme: HAS)」等を通じて、視聴者のデジタル移行を推進してきた。HASは有資格者を対象に、(1)HD対応セットトップボックス、(2)受信設備の設置及び使用方法の説明、(3)12か月の支援サービス保証を提供し、全国域で地上デジタル対応を支援し、十分な成果を上げた。

また、難視聴地域では「視聴者アクセス衛星テレビサービス(Viewer Access Satellite Television:VAST)」が提供され、デジタル放送への移行が支援された。VASTは政府が37億5,400万AUDを出資し、構築した衛星配信プラットフォームであり、公共放送及び民間放送について全国一律の番組を提供し、地域報道についてはABC及びSBSが各州において個別のチャンネルにより提供することが可能である。

(2014年2月)

ブロードバンド・ICT基盤整備

全国ブロードバンド網(NBN)、計画完了時の接続済建造物数は約1,116万件

オーストラリア政府は現在、「2019年までに50~100Mbps級のFTTxサービスを全国展開する」ことを目標とした施策、全国ブロードバンド網(NBN)計画を実施中である。

運営事業者である政府出資事業者nbnは2017年8月末、2018年から2021年までの事業計画を発表し、2020年のNBN構築完了時における接続済建造物数が約1,116万件となることを明らかにした。

2017年7月時点におけるNBNの接続済建造物数は全国で約570万件であったが、nbnは今後、2017年に合計で約280万件、2018年に約300万件、2019年に約250万件、2020年に約40万件というペースでネットワークを構築していく計画であるという。

なお、2019年6月までにNBNの97%が完成する予定であり、2020年の計画完了時点でNBNによるブロードバンドサービスへの加入数は約810万件に達すると見込まれている。

(2017年9月)

競争・消費者委員会、ISPによる通信速度の正確な情報提供に関する指針を公表

競争規制機関であるオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)はISPによる通信速度の正確な情報提供に関する指針を公表した。同指針では、ISPによるブロードバンド速度表示は以下の6つの原則に従うべきとされる。

  • 消費者に対しては、該当のブロードバンド・プランに加入する平均的な消費者が利用可能な、一般的な混雑時の伝送速度も含む正確な情報を提供する。
  • 一般的な混雑時の伝送速度の情報を告知せずに、卸売のネットワーク速度や理論上の伝送速度を広告してはならない。
  • 広告上のアプリケーション機能に関する情報は、正確かつ十分でなければならない。
  • サービス品質に影響を与える要因について、消費者に情報開示しなければならない。
  • サービス品質に関する情報は、標準的な記述方法等により、消費者が比較しやすいように提示しなければならない。
  • ブロードバンド速度を診断するためのシステムを導入しなければならない。
(2017年3月)

クラウド、ビッグデータ、電子政府

官民協働の「IoTアライアンス・オーストラリア」が設立

オーストラリアではIoT普及による社会的・経済的機会を確実に捉えるべく、政府と関連産業の協働により、独立非営利団体「IoTアライアンス・オーストラリア(The Internet of Things Alliance Australia: IoTAA)」が設立された。

IoTAAは2015年序盤に通信業界団体である通信アライアンス(Communications Alliance)が、IoTに関連した規制や協働の枠組みを検討するため設立した「IoTシンクタンク」を発展させた組織である。

IoTAAには政府、産業界、学術界等から200人以上の専門家、100以上の団体が参加しており、周波数の可用性拡大、ネットワーク・レジリエンス、データ共有及びプライバシー等の課題を今後検討していく。

なお、IoTAAの事務局はシドニー工科大学(University of Technology, Sydney : UTS)に設置される。

(2016年8月)

スマート社会

スマート家電の保有数増加には高速ブロードバンドの普及が不可欠

全国ブロードバンド網(NBN)の運営事業者であるnbnは2016年10月、オーストラリア国内の一般世帯におけるスマート家電保有台数は今後4年間で11台から29台へ161%増加し、NBNの普及がその主要因となるとの予測を発表した。

nbnの調査によれば、センサーライトやスマートヒーター、自動スプリンクラー等、白物家電がインターネットに接続されることについて、調査回答者の47%が「節約になる」、同57%が「環境に優しくなる」と認識しているという。

また、消費者による費用節約とライフスタイルの改善への意識は高く、スマート家電製品に対する国内需要は、今後数年間増加すると見込まれている。調査では、一般家庭に間もなく、アプリによって遠隔操作が可能なスマートエネルギーセンサー、自動ガーデニング・システム、ロボット家電等が普及すると予測されている。

(2016年11月)

政府とテルストラ、「国民がん検診記録」イニシアティブで協力

最大事業者テルストラは5月、保健省から「国民がん検診記録システム(National Cancer Screening Register)」の提供および運用について5年契約を受注したことを発表した。

オーストラリア市民1,100万人以上に対して提供される同システムは、患者1人ずつの検診結果を記録し、単一データベースとして管理する。人々はオンラインで各自の検診記録へ自由にアクセス可能となり、検診の予定管理、転居や転院によって生じる情報の重複や喪失を防ぐこともできる。一方の医師や医療専門家も、患者からの同意が得られれば、どこからでもデスクトップ経由で患者のデータを取得することができる。

テルストラは今後、市民、医療関係者、連邦政府及び地方自治体との協力体制の下、現行の大腸がん登録システムや各州の記録システムと新システムを統合し、複数の政府機関や民間の医療機関と接続することによって、システムをさらに拡充していく計画である。

(2016年6月)

セキュリティ、プライバシー

「子どものネット安全コミッショナー」、成人も含む全国民に政策権限を拡大

オーストラリアでは2015年7月に、ネットいじめ対策法である「2015年子どものオンライン安全促進法(Enhancing Online Safety for Children Act 2015)」が施行され、ネットいじめの要因となるテキストや画像を迅速に削除する告発システムを構築されている。

2017年6月、同法の改正法案が成立し、従来、子どもを対象としていた同法の各規定が成人も含む全国民に適用されることとなった。同時に、同法に依拠する政策権限を所掌してきた「子供のネット安全コミッショナー(children's e-safety commissioner)」が、「ネット安全コミッショナー(e-safety commissioner)」に改称されることとなった。

同コミッショナーの所掌する政策内容は、ソーシャル・メディアに対する規制や、「いじめ」や「同意のない個人画像の共有」等の違法コンテンツを投稿したエンドユーザに対する削除告知等、原則、変更はない。ただし、違法コンテンツの苦情受付ポータルの構築や高齢者に向けたネットスキルの改善プログラムの実施等が新たな政策として追加された

(2017年7月)

新たなサイバーセキュリティ戦略が発表

オーストラリア政府は2016年4月20日、新たなサイバーセキュリティ戦略を発表した。ターンブル首相は、オープンかつ安全なインターネット環境は国家の繁栄のために不可欠であるが、セキュリティ上の脅威が増大していることも懸念されるため、同戦略を通じて市民自身による自己防衛力の強化、サイバー攻撃に対するレジリエンスの向上を図っていく方針を示した。

サイバーセキュリティ戦略では、サイバーセキュリティの向上を図るために2億3,000万AUDを割り当て、100以上の関連業務の創出を目指す。また、政府、研究者、企業と連携を強化し、セキュリティリスクの検出、阻止、反応といった各種対応の改善を図る。その他、サイバーセキュリティ政策を統括する役職の設置や、サイバーセキュリティの専門家を養成するセンターを創設する計画も戦略の中に盛り込まれている。

(2016年5月)

放送・メディア

メディア改革関連法案、連邦議会において可決

連邦議会は、最近30年間で最大規模となるメディア改革関連諸法案を可決した。近年、国内放送事業者はオンライン環境の進展により、財務的に苦境に陥っており、法案には、放送免許料の廃止、電波利用料の縮減、テレビ及びラジオ放送事業者に対する年間9,000万AUDの財務支援措置が含まれている。

また、法案には、国内メディア産業の国際競争力を確保するためにメディア所有規制を撤廃すること、メディアの多様性を確保するために放送事業者免許に複数の管理者を認めること、地方において有料放送事業者を強化するために、anti-siphoning制度と呼ばれる、政府が市民に対して無料で放送されるべきコンテンツとして定めるリストを作成し、有力事業者による独占を防止する規制を導入することも含まれている。

(2017年10月)

電波関連

通信メディア庁(ACMA)、700 MHz帯の第2次オークションを実施

オーストラリア通信メディア庁(Australian Communications and Media Authority:ACMA)は、2017年4月に、700 MHz帯の周波数オークションを実施し、TPGインターネット(TPG Internet)社とボーダフォン・ハチソン・オーストラリア(VHA)社が落札した。免許期間は2018年4月1日~2029年12月31日である。

700 MHz帯に関しては、アナログテレビ用周波数の停波に伴う再割当てのためのオークションが、2013年4月~5月に45 MHz幅×2(703-748/758-803 MHz)を対象に実施されている。2.5 GHz帯の70 MHz幅×2のオークションとあわせて実施されたもので、2.5 GHz帯はオプタス(Optus Mobile)、テルストラ(Telstra)、TPGインターネットが全ての帯域を落札したが、700 MHz帯では15 MHz幅×2が売れ残る結果となった(表1参照)。今回のオークションは、その際に売れ残った700 MHz帯の15 MHz幅×2を対象とするもので、チャンネル幅を10 MHz幅×2(738-748 MHz/793-803 MHz)と5 MHz幅×2(733 -738 MHz/788 -793 MHz)の2つのブロックに分けて実施された。この結果、10 MHz幅×2はTPGインターネットが12億6,016万1,000オーストラリア・ドル(AUD)で落札し、5 MHz幅×2はVHAが2億8,590万7,000 AUDで落札した(表2参照)。

表1 700MHz帯/2.5GHz帯オークション結果(2013年5月終了)
落札者 700MHz帯 2.5GHz帯 落札額(AUD)
Optus Mobile 10 MHz×2 20 MHz×2 649,134,167
Telstra 20 MHz×2 40 MHz×2 1,302,019,234
TPG Internet 10 MHz×2 13,500,000
売却された周波数 30 MHz×2 70 MHz×2 1,964,653,401
売れ残った周波数 15 MHz×2
表2 700MHz帯オークション結果(2017年4月終了)
落札者 チャンネル幅 帯域 落札額(AUD)
TPG Internet 10 MHz×2 738-748 MHz/793-803 MHz 1,260,161,000
VHA 5 MHz×2 733-738 MHz/788-793 MHz 285,907,000
合 計 15MHz×2 1,546,068,000

両社の落札総額は約15億4,600万AUDであり、ACMAが設定した入札最低価格による落札総額8億5,700万AUDを大幅に超える結果となった。入札最低価格は、人口1人当たりの1 MHz単価(MHz/pop)を1.25 AUDと設定し(注)、これを基準に算出されているが、VHA、TPGそれぞれの落札額をMHz/pop換算すると、VHAは最低価格と同じ1.25 AUDであったが、TPGインターネットは最低価格を大幅に上回る2.75 AUDで落札しており、後者の落札額の大きさがオークション収入の増額に直接反映される形になった。
(注)2013年のオークション時の単価(MHz/pop)は1.36 AUDであったが、ACMAは、落札時から免許期限までの期間が短くなることを勘案し、今回のオークションでの単価を減額調整したとしている。

なお、TPGインターネットは、固定通信サービス及びMVNOサービスを提供しているTPGテレコム(TPG Telecom)傘下の会社で、移動体通信キャリア(MNO)としては、2013年の2.5 GHz帯オークションで初めて周波数の割当てを受けた新規事業者である。2.5 GHz帯、700 MHz帯のほか、2016年2月のオークションで1800 MHz帯の割当ても受けており、今後3年間で6億AUDを投入し、全国の80%をカバーするモバイル・ブロードバンド網を構築する計画である。

(2017年5月)