2.3.ネットワーク構成機器の選択と接続

現在、ネットワーク構築のために必要な構成機器は、(よほど特殊なものでない限り)近場の家電製品店やパソコン専門店で揃えることができます。しかし、いざ店に行ってみると、LANケーブル一本でも様々な種類があり、どれにしようか迷ってしまった経験がある方もいるのではないでしょうか? 規格や機能、メーカ、予算など選択の際に留意しなければならない点は山ほどあり、それらはネットワーク設計の段階である程度種類を決めておく必要があります。そこで、この章では、ネットワークを構成する機器、ケーブルなどハードウェアについての選択の基準および接続の仕方について解説を行ってゆきます。

2.3.1.ケーブル

2.3.1.1.ケーブルの種類

ネットワーク機器を繋ぐには、ケーブルを用います。LANで利用するケーブルの種類をあげる場合、通常は「構造上の違いによるわけ方」と「LANの規格の違いによるわけ方」が存在します。構造上の違いで分けると、

になります。また、LANの規格(Ethernet)の違いで分けると、

などとなります。ここでは、構造上の違いによるわけ方で説明を行い、それぞれがどのLANの規格で利用されているかを説明します。

ツイストペアケーブル

ツイストペアケーブルは、その名のとおり絶縁プラスチックの外皮の内部に、より対線を使用したケーブルです。電話機とモジュラジャックを接続する電話線もツイストペアケーブルの一種です。LANケーブルの接続には電話回線で使われるRJ-11に比べて、ひとまわり大きいRJ-45のモジュラ式コネクタを利用します。100Base-TXは、このツイストペアケーブルを使ったLANの規格です。100Base-TXの配線は、HUBを中心にスター型でケーブルを繋ぎます。


<ツイストペアケーブルの構造>

このケーブルの長所は、なんといっても安価で扱いやすいということです。配線の自由度が高いので、オフィスや家庭などの狭い場所に適しています。また、近年、ギガビット対応の規格も出ており、高速化が行われています。ツイストペアケーブルの最大延長距離は100mです。

■UTPとSTP

ツイストペアケーブルは、電磁気の影響を受けやすくノイズにはあまり強いとはいえません。そこで、ノイズなどの混入を防ぐためにシールドされた少々高価な「STP(Shielded Twisted Pare)」と、シールドされていない分安価な「UTP(Unshielded Twisted Pare)」を、用途や使用場所によって使い分けます。後者のUTPケーブルは、LANでは最も一般的なケーブルであり、LANだけでなく、電話など幅広い用途に利用されています。

■カテゴリ

UTPケーブルは、EIA(米国電子工業会)で規格化されています。品質の違いから、カテゴリ1から7までクラス分けされています。カテゴリは、「CAT」と記述される場合もあります。現在のLANではカテゴリ5で十分ですが、将来的なギガビットへの移行にも流用できるカテゴリ5e(エンハンスドカテゴリ5)でも良いでしょう。

レベル
(カテゴリ)
適用範囲
規定伝送速度の上限
カテゴリ1(CAT1)
音声(電話)
〜20Kbps
カテゴリ2(CAT2)
ISDN基本インターフェース
デジタルPBX
低速度デジタル端末(RS232Cなど)
〜4Mbps
カテゴリ3(CAT3)
イーサネット(10Base-T)
トークンリング(4Mbps)
〜16Mbps
カテゴリ4(CAT4)
トークンリング(16Mbps)
〜20Mbps
カテゴリ5(CAT5)
高速LAN(CDDI/100Base-T/ATM)
〜100Mbps
カテゴリ5e(CAT5e)
高速LAN(1000Base-TX/ATM)
〜1000Mbps
カテゴリ6(CAT6)
高速LAN(ATM622Mbps・1.2Gbps)
〜1200Mbps
カテゴリ7(CAT7)
(規格策定中)
(規格策定中)
■ストレートケーブル・クロスケーブル

ツイストペアケーブルの両端のコネクタ(RJ-45)を見ると、それぞれ8つずつの端子がついています。この端子の数だけ導線が束になって1つのケーブルを構成しています。ストレートケーブルの場合、両端のピンがお互いに対応するように接続されています。それに対してクロスケーブルは、ケーブルの中で一部(下図参照)の導線がクロス(交差)した形で端子に接続されています。当然ながら、ストレートケーブルとクロスケーブルでは用途が違います。


【ストレートケーブル】
・コンピュータに取り付けたNICとHUBの通常ポートを接続
・HUBの通常ポートともう一つのHUBのカスケードポートを接続
・ブロードバンドルータの内臓HUBとHUBのカスケードポートを接続

【クロスケーブル】
・コンピュータのNIC同士を接続
・HUBの通常ポート同士を接続
・ブロードバンドルータの内臓HUBとHUBの通常ポート接続


<ストレートケーブルとクロスケーブルの結線>

同軸ケーブル


<同軸ケーブルの構造>

同軸ケーブルは、線芯をシールドで覆った構造です。比較的ノイズに対して強い特徴があります。見た目はテレビのアンテナ線(3C2V)とよく似ていますが、LAN専用の同軸ケーブルとは内部インピーダンスが異なります。ケーブルの端と端には、必ずターミネータと呼ばれる終端抵抗装置を取り付けます。

このケーブルは、配線の自由度に制限があり、またオフィスのレイアウト変更があった場合などは、面倒な作業が発生してしまいます。また、配線の関係上、機械的な強度に弱いことや、1ヶ所でも障害が発生すると全てのラインに影響が及ぶことなどから、取り扱いに注意が必要です。

同軸ケーブルには、細いThinタイプ(10Base-2用)と、太いThickタイプ(10Base-5用)の2種類があります。

光ファイバケーブル


<光ファイバケーブルの構造>

外部皮膜(ジャケット)の内側に、石英ガラス(クラッド)がコアを包む形で内包されています。電気信号から光の点滅に変換された信号は、このコアを通って伝達されます。光ファイバケーブルは、機能的に最も優れたケーブルです。他のどのケーブルと比較しても高速、大容量であり、電気信号ではなく光を伝達するため電磁気の影響を受けません。しかし、コストが他のケーブルに比べて格段に高く、敷設や設定にも特殊な技術が必要なため、手軽に扱うことができないのがデメリットです。

■マルチモードファイバ(MMF)とシングルモードファイバ(SMF)

光ファイバケーブルには、安価なマルチモードファイバとより長距離の伝達が可能なシングルモードファイバがあります。LANではマルチモードファイバを用いるのが一般的です。

■光ファイバが推奨されるケース

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