インターネットのブロードバンド化の進展に伴い、通信と放送の融合が大きな歴史的流れとなって進展していますが、高品質・大容量の動画像等の配信において、限られた資源であるネットワークを安全かつ効率的に活用する必要性が高まっております。
P2P(Peer to Peer)ネットワーク技術は、こうした需要にこたえる有効な技術とし期待されておりますが、なお検証すべき課題も残されています。また、安全性や運用面も含めた検証を行い、利用者に周知していくことも大きな課題となっております。このため、2007年8月9日、総務省の支援の下、財団法人マルチメディア振興センターが事務局となり「P2Pネットワーク実験協議会」を設立いたしました。本協議会では、利用者の安心・安全を実現するため事業者による自主的なガイドラインの策定を行い、P2P利用の普及活動を進める一方、実ネットワークにおけるP2Pトラヒックの検証と課題抽出、ネットワークを効率的に利用できるP2P配信モデルの構築とその検証などの活動を行って参りました。
本シンポジウムでは、本協議会の成果発表をはじめ、コンテンツ配信ビジネスを中心に注目を集めている「商用P2P」について、海外の最新情報も含めた技術・ビジネスの動向、国内企業による最新のP2Pソリューション事例および実ビジネスを志向した実証実験などを広く紹介し、P2P技術の利用に関する理解を深めていただくことで、P2P技術を利用したサービス、ビジネスの普及の一助となることを目的として開催いたします。
主催 |
:P2Pネットワーク実験協議会 |
共催 |
:財団法人 マルチメディア振興センター |
後援 |
:総務省 |
コンテンツホルダー、配信事業者、通信事業者、ISP、技術ベンダー、報道関係者等、
その他一般の方々(定員250名)
無料
(1)日時
2009年2月19日(木)10:15〜17:00(10:00開場)
(2)場所
東京大学 本郷キャンパス 工学部(新)2号館 1階 213講義室
東京都文京区本郷 7-3-1
(最寄駅)
・丸ノ内線 本郷3丁目駅、大江戸線 本郷3丁目駅
・南北線 東大前駅、 千代田線 根津駅
http://www.fmmc.or.jp/P2P/pub/sympo/entry.htmlより、お申し込みください。登録完了しましたら、登録証をご登録頂いたメールアドレスにお送りいたしますので当日ご持参ください。こちらのページから登録できない場合は、件名に「P2P協議会シンポジウム申込」とご記入の上、上記画面の入力項目をご記入の上、p2p-info@fmmc.or.jpまでお知らせください。
なお、会場の都合により、参加受付につきましては先着順とさせて頂きますので、あらかじめご了承ください
別紙 参照
当日、会場に来られない方のためにシンポジウムの内容をライブ配信いたします。
下記のURLより視聴してください。
http://scast.bitmedia.ne.jp/fmmcp2p/
※P2Pネットワーク実験協議会設立の趣旨
インターネット利用の急速な拡大とブロードバンド化の進展に伴い、今後のインターネット利用における映像配信はいよいよ本格化していくものと思われます。これに伴い、高品質・大容量の動画像等を有限の資源であるネットワークに安全かつ効率よく配信する必要性が重要となってまいりました。P2P(Peer to Peer)技術は、こうした需要にこたえる有効な技術手段です。こうした中、P2P技術の積極活用によりネットワーク混雑解消、トラフィック分散の手法の確立に向けては、実証実験が必要とされています。
一方、コンテンツホルダーからは、低コストで効率的配信技術が求められています。他方、配信事業者からは、配信チャネルの多岐化・融合化戦略の一環として、CDNに代わる、あるいは補完する手段として、P2P技術が注目されています。ここでは、ユーザーの増加にも柔軟に対応できるスケーラビリティの確保、サーバコストの削減等、配信の効率化、など期待が寄せられています。
以上のような背景を踏まえ、P2Pに関する社会的理解の促進、技術的測定、今後解決すべき課題の抽出などを目的として、総務省支援の下、P2P技術ベンダー、通信事業者、配信事業者、ISP及びコンテンツホルダーなどの関連事業者から構成する「P2Pネットワーク実験協議会(会長:東京大学大学院 浅見徹、事務局 財団法人マルチメディア振興センター)」が、2007年8月9日に設立されました。
◆P2Pネットワーク実験協議会(http://www.fmmc.or.jp/p2p_web/)
【午前の部】
◆10:15【オープニング】
(1) |
P2Pネットワーク実験協議会 会長挨拶 |
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東京大学大学院 教授 浅見徹 |
(2) |
共催団体挨拶 |
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財団法人 マルチメディア振興センター 理事長 有冨寛一郎 |
(3) |
P2P技術への期待 |
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総務省 総合通信基盤局電気通信事業部長 武内信博 |
◆10:30【セッション1】 P2Pネットワーク実験協議会の活動成果
「商用P2P」の課題とその解決に向けたP2Pネットワーク実験協議会の活動成果について発表いたします。
10:30〜10:50 |
(1) |
商用期を迎えたP2Pとその課題 |
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P2Pの仕組とメリット、商用P2Pの特徴、P2Pネットワークにおけるトラヒック制御に向けた新たな動き等についてご紹介いたします。 |
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東京大学大学院 教授 浅見 徹 |
10:50〜11:00 |
(2) |
P2Pネットワーク実験協議会活動について |
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ワーキンググループでの活動について総括いたします。 |
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東京大学大学院 教授 江ア 浩 |
11:00〜12:00 |
(3) |
ネットワーク効率的利用実証研究WGの成果発表 |
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P2Pネットワーク実験協議会における実験系ワーキンググループの成果として、P2Pネットワークの効果の検証および課題解決に向けた取組、日本のネットワーク環境に最適化したP2P技術によるネットワークの効率的利用に係わる実証実験等についてご紹介いたします。 |
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NTTコミュニケーションズ株式会社
u-Japan推進部企画戦略部門長 山下達也
日本電信電話株式会社
NTTサービスインテグレーション基盤研究所 研究主任 亀井 聡 |
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(12:00-13:00 休憩) |
【午後の部】
◆13:00【セッション2】
「商用P2Pサービス」の現状と将来 〜P2P技術への高まる期待〜
「商用P2Pサービス」の現状と将来動向及びビジネスとしての可能性につき、海外の最新情報も交えながらご紹介いたします。
13:00〜14:00 |
(1) |
IETF ALTO & LEDBAT〜 ISPにも優しいP2Pの取り組み〜 |
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米国におけるBitTorrentとComcast等のISP間の和解成立の背景および現在の状況、昨年出されたFCC勧告の意味、IETFにおけるALTO、LEDBATでのP2P関連の状況などを、BitTorrentのCTOおよびCEOとして中心的な役割を果たしてきたEric Klinkerが解説します。 |
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BitTorrent Inc. CEO Eric Klinker |
14:00〜14:15 |
(2) |
P2P技術の利用にむけて |
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映像配信サービスのトライアルを通じてISP、ポータルサイトとして認識した課題についてご紹介いたします。 |
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NECビッグローブ
基盤システム本部 マネージャー 川関 雅文 |
14:15〜14:40 |
(3) |
角川グループの動画配信事業とP2P |
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角川グループが保有する豊富な映像コンテンツを活用した動画配信事業の戦略概要と、P2P活用の構想についてご紹介いたします。 |
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株式会社角川デジックス
ジェネラルマネージャー 竹田 順一 |
14:40〜15:05 |
(4) |
放送・通信融合時代のP2P利用技術について |
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IPTVや将来のBS放送ダウンロードサービスなどで、P2Pネットワークを利用することのメリット、サービスを実現するための課題、NHKでの技術的な取り組みなどをご紹介いたします。 |
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日本放送協会
放送技術研究所 主任研究員 石川清彦 |
(15:05-15:15 休憩) |
◆15:15【セッション3】P2P技術を利用したソリューションの事例
ビジネスでの導入機運が高まっている「商用P2P」による最新のソリューション事例をご紹介いたします。
15:15〜15:40 |
(1) |
Einyを用いたコンテンツ配信の事例 |
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次世代コンテンツ配信システムEiny(アイニー)の動画配信ソリューションについて、不動産管理業務への適用事例等、最新の事例にもとづいてご紹介いたします。 |
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ブラザー工業株式会社
ネットワークソリューションズ SBUプロデューサー 日比野義彦 |
15:40〜16:05 |
(2) |
クラウド時代のP2Pライブ配信ソリューション「シェアキャスト2プラス」 |
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専用ソフトのインストールが不要なP2Pライブ配信ソリューションとクラウド・コンピューティング環境を活用した展開事例をご紹介いたします。 |
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株式会社ビットメディア
代表取締役社長 高野雅晴 |
16:05〜16:30 |
(3) |
BBブロードキャストの商用実績と今後の方向性 |
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BBブロードキャストのご紹介とこれまでの軌跡及び最新の商用実績についてご紹介し、今後の当社の目指す方向性についてご紹介いたします。 |
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TVバンク株式会社
プロダクト企画部 部長 村上邦晴 |
16:30〜16:55 |
(4) |
全国に配備された測定ノードによるP2P配信ソリューションの検証 |
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全国に配備された協議会測定ノードの利用により、実ネットワークにおけるダウンロード速度の検証結果報告、およびeラーニングやデジタルサイネージなど、ビジネス用途におけるセキュアなP2Pソリューションをご紹介いたします。 |
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株式会社ハイマックス
技術開発本部 ITグループ長 片岡 修一
事業開発本部 主任 井上 耕 |
◆16:55〜17:00【クロージング】 |