報道資料

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きずな/H−IIAロケット14号機打ち上げ中継をP2Pで配信

2008年2月22日
P2Pネットワーク実験協議会


 P2Pネットワーク実験協議会※(会長:東京大学大学院 浅見徹、事務局 財団法人マルチメディア振興センター)は、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)(以下、JAXAという)協力の下、超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」/H-IIAロケット14号機打ち上げ模様の中継映像を、P2P技術を利用してインターネット上で配信する実験を行います。

■実験の特徴等
・一時的にアクセスが集中するコンテンツの配信
 今回の実験では、ロケットの打ち上げのように、同時アクセスが一時的に集中し、かつ天候などの影響で中継時刻が変更される可能性のあるイベント映像の配信において、アクセス数に応じて柔軟にリソースを適応できるP2P技術のメリットを生かした配信実験を行い、その効果を実証します。

・高いビットレートでのライブ中継配信
 今回の実験では、株式会社Jストリーム(代表取締役会長兼社長:白石 清、以下Jストリーム)の協力の下で、ライブ中継配信ネットワーク、並びにサーバーが運営され、従来よりも高いビットレートでの中継を実施、サーバーへの負荷の削減効果などを検証します。

・効率かつ安定したP2P配信方式の利用
 今回の実験では、ウタゴエ株式会社(代表取締役社長:園田智也)の協力の下、P2P技術を用いたライブ配信を行います。この技術(Ocean Grid)は、近くの視聴者から映像と音声を集めることでインターネットの負担を減らし、かつ、サーバーからの配信データ量を1/10以下に削減します。

・通信事業者・ISPと連携したネットワークへの影響の検証
 今回の実験では、P2Pネットワークの利用特性を検証するために、NTTコミュニケーションズ株式会社(代表取締役社長 和才 博美)を初めとする各地のISP事業者の協力の下、全国各地に実験端末を設置し、通信先、通信データ量など測定し、ネットワークへの影響を検証します。

・オンデマンド配信の提供(打上げ3日後以降)
 打ち上げの3日後以降は、打ち上げ映像のオンデマンド配信について、株式会社ドリームボート(代表取締役社長、美馬敬、以下ドリームボート)の協力の下、SkeedCast方式によるP2Pストリーミング配信も併せて行います。

■配信時刻
     2月23日(土)15時45分 中継開始 (16時20分〜17時55分 打上げ)
 ※打ち上げ日時が変更になった場合は、中継時間も変更いたします。

■ユーザ利用料 :無料

■アクセス先
【ライブ配信】
・P2Pネットワーク実験協議会
     http://www.fmmc.or.jp/P2P/kizuna/live
・Jストリーム
     http://web-cache.stream.ne.jp/www11/oceangrid/jaxa
・OCN「きずな」特設サイト
     http://bbm.ocn.ne.jp/kizuna/
・goo「きずな」特設サイト
     http://eco.goo.ne.jp/topics/kizuna/

【オンデマンド配信】
・P2Pネットワーク実験協議会
     http://www.fmmc.or.jp/P2P/kizuna/vod
・ドリームボート
     http://www.dreamboat.co.jp/kizuna

■実験イメージ



※P2Pネットワーク実験協議会(http://www.fmmc.or.jp/P2P/about.htm

 インターネット利用の急速な拡大とブロードバンド化の進展に伴い、今後のインターネット利用における映像配信はいよいよ本格化していくものと思われます。これに伴い、高品質・大容量の動画像等を有限の資源であるネットワークに安全かつ効率よく配信する必要性が重要となってまいりました。P2P(Peer to Peer)技術は、こうした需要にこたえる有効な技術手段です。こうした中、P2P技術の積極活用によりネットワーク混雑解消、トラフィック分散の手法の確立に向けては、実証実験が必要とされています。
 一方、コンテンツホルダーからは、低コストで効率的配信技術が求められています。他方、配信事業者からは、配信チャネルの多岐化・融合化戦略の一環として、CDNに代わる、あるいは補完する手段として、P2P技術が注目されています。ここでは、ユーザの増加にも柔軟に対応できるスケーラビリティの確保、サーバコストの削減等、配信の効率化、など期待が寄せられています。
 以上のような背景を踏まえ、P2Pに関する社会的理解の促進、技術的測定、今後解決すべき課題の抽出などを目的として、総務省支援の下、P2P技術ベンダー、通信事業者、配信事業者、及びコンテンツホルダーなどの関連事業者から構成する「P2Pネットワーク実験協議会(会長:東京大学大学院 浅見徹、事務局 財団法人マルチメディア振興センター)」が、2007年8月9日に設立されました。

■本件問い合わせ先

財団法人マルチメディア振興センター P2Pネットワーク実験協議会事務局
http://www.fmmc.or.jp/P2P/about.htm
p2p-info@fmmc.or.jp
TEL:03-5403-1090
FAX:03-5403-1092
◆問合せURL
http://www.fmmc.or.jp/data/18/QAcontact.htm